こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は241話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
241話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 巨大な嵐⑦
オルカがどれほどの執念を持った人なのかは、毒蝶に向けた情熱だけを見ても分かった。
「それに、これまでの青の貴公子の防御が堅固でしたから」
そのため、親睦会の間、一度は手を伸ばしてくると思っていたが、よりによってそれがこの時点だとは・・・。
「あんなに奪われるのではないかと心配になるなら、どこにも飛ばされないように鳥かごの中に閉じ込めておくでしょう、まったく」
オルカはそう言いながら少し意地悪そうに笑う。
「そうだったら、私にこんなチャンスが来ることもなかったのに」
魔物の茎がするすると首筋で滑って裾の中に入ってきた。
それは生きている蛇のようにうごめきながら動く。
肌をかすめるすべすべした感触に、首の後ろに鳥肌が立った。
オルカは自分の感情に酔いしれた声で囁く。
「数日前から今日だけを指折り数えて待った甲斐があります。あなたがこんな風に私の手の中に入ってきたのだから」
その瞬間、ロクサナの目つきがぎょっとした。
オルカの言葉は、必ずベルティウムの人形たちが打ち込んでくることをあらかじめ知っていたように間こえた。
ロクサナは固く閉ざされていた唇を離す。
「あなた、今日のことを予想していたのね」
ロクサナの考えが合っているかのように、オルカの目尻が曲がる。
ユグドラシルの中から魔物を堂々と取り出していることと関係があるのか、オルカはあまりにもまともな姿で魔物を勝手に動かしていた。
どうやら彼はユグドラシルの魔法の影響を全く受けていないようだ。
その上、彼はロクサナがニックスに向かうことをあらかじめ知っていたように、この場所から現れた。
「今頃、黄の首長はあの人形に会ったのでしょうか?」
オルカはこの状況がかなり面白そうに歌の歌詞を詠むような口調で話した。
「死んだお兄さんの人形を奪われたくないロクサナちゃんの心も理解はしますが。このようなとんでもないことをしてでも、その人形を持たなければならないというのに、その健気な心を無視するのも道理ではないでしょう。そうでしょう?」
当然、ロクサナはオルカの言葉に同意しない。
しかし、オルカは本気だった。
当初、先ほどノエル・ベルティウムの部屋のドアの前を守っていた歩哨たちを倒し、ドアのロックまで壊したのはオルカだった。
だから今頃にはノエルがニックスというその人形を見つけたかもしれない。
ノエルとしては思い通りではないだろうが、ユグドラシルの中に人形軍団を送るこのような過激なことをして、オルカに助けを与えた報いだ。
自分はロクサナを手に入れ、ノエル・ベルティウムはロクサナの兄の死体で作ったその人形を持つ。
オルカは何かを所有しようと強烈に欲望するノエル・ベルティウムのその目のくらんだ狂気が気に入っていた。
ロクサナの推測どおり、オルカはユグドラシルの中でも自由に魔物を動かすことができた。
過去の虐殺事件でユグドラシルで力を封印されで500年余り。
そんなに長い時間も、フィペリオンが両手をじっとして、何の対応策も用意しなかったはずがない。
オルカは特に魔物との感応能力が優れていた。
そのため、ユグドラシルの呪術が通じない状態では、外に放した魔物と疎通することも可能だった。
そんな理由で、オルカはベルティウムの人形たちがここに向かって動くことを数日前に突き止めていたのだ。
どういうわけか、昨日大量の魔物がユグドラシルに向かって移動したのも当然気がつくことができた。
訳の分からないことだったが、とにかくオルカは快哉の笑みを浮かべざるを得なかった。
これこそ手をつけずに鼻をかむようなものではないだろうか。
騒ぎの中なら、人にばれずにロクサナ・アグリチェを引き抜くことができるはずだから。
もしロクサナが出てこなかったら、オルカは突然訪れた機会を逃さず、すぐに昨日の計画を実行に移しただろう。
しかし、ユグドラシルに向かっていた魔物の群れは、赤い嵐に飲まれて消えた。
空を埋め尽くした毒蝶の群れを見て、オルカは歓喜で体を震わせるしかなかった。
やはりロクサナ・アグリチェと彼女の毒蝶は最高だ。
すぐにカシス・ぺデリアンが現れ、昨日の機会は惜しくも飛ばしてしまうことになったが、関係ない。
まだチャンスがもう一度残っていたから。
オルカは諦めを知っている男ではなかった。
それで彼は静かに息を殺して時を待っていたのだ。
そして今、ついにオルカはあれほど熱望した毒蝶の主人を目の前にしていた。
「こんなに慌ただしい状況なら、あなたがいなくなっても私を疑ったりはしないでしょう」
最初は毒蝶にだけ関心があったが、今は両方とも欲しくなった。
正直、自分の前で生意気なロクサナ・アグリチェは少し気に入らなかったが・・・。
簡単に頭を下げない孤高な生物を自分の下に屈服させる面白さは、もともとそれほど格別なものだ。
「あなた、本当に気が気でないね」
このような状況では当然怒りや恐れを表わすのも当然だが、ロクサナは依然として涼しい顔をしたままオルカに向かって話した。
「こんなことをしたことを後悔するでしょう」
「そうですね、もちろんカシス・ぺデリアンは私を疑うかもしれません」
オルカは気にしていないかのようにぐるぐる回った。
「それでも、今日以降は誰もあなたを見つけることができないでしょうから、つまらないことではないでしょうか?」
口クサナは目の前の人との距離を測る。
今、彼女が所持している武器はイヤリングに装着された毒針と鞭形式のブレスレットだけ。
人形と違って、オルカにはきっと通じるだろう。
しかし、両手首を縛られた状態である上、そうでなくてもオルカの敏捷性から推測すると、この距離で攻撃を避ける可能性は8割以上。
では、もう少し確実な方法は?
オルカは毒蝶を利用できないロクサナを簡単に見ていた。
精一杯意気揚々として、さっきまでぺらぺらしゃべっていた話を間いただけで分かる。
それでも慎重さは相変わらずなのか、彼は魔物に縛られている彼女に一定距離以上近づかなかった。
再び遠くから浅い振動のように騒音が伝わってくる。
ロクサナはまだ繋がっている蝶を通じて、この建物にニックスを狙う者たちが侵入したことを確認した。
こんな場所でオルカなんかに時間を浪費する暇はない。
ロクサナは多少気分が悪くなっても、最も効果的で確実な方法を使うことにした。
し一っ!
その時、ロクサナの前に迫った魔物が花粉のようなものを噴射する。
ロクサナは不快感で息を止めたが、その一部は呼吸器を通じて肺まで入った。
「少しだけ眠っていてください、ロクサナちゃん」
オルカはわざと優しく囁いた。
「目が覚めたら、あなたのための美しい鳥かごが待っていますから」
依然として冷たい光を放ち、細く狭まっていたロクサナの赤い目がついに完全に閉じる。
暗くなった視野で、ある廊下を走っているジェレミーと彼の後をついてくる人々の姿がぼんやりと映った。
傾斜する峠に沿って金色の髪の毛が揺れる。
これは大ピンチなのでは?
ジェレミーは間に合ったのでしょうか?
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