こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は56話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
56話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 赤い蝶の群れ
凍りついた湖に、眩い日差しが舞い降りる。
透明に輝く丸い氷の膜が、まるで新星の粉を綺麗に振りまいた天使の水盤のよう。
オルカは15日間もその景観を眺めてきた。
垂れ下がった長い淡青色の髪の上には、銀色のキツネで作られた帽子が被せられている。
「白の魔水師」と呼ばれるフィペリオン家のオルカは現在、フレデリカ高原とエメラルド湖の間に面した魔物の生息地に来ていた。
長いこと待った末、ついに彼の目の前に魔手ジャイロテが姿を現す。
白い雪景色と対比される黒い毛並み。
血に滲むような鋭い輝きを放つ赤い目。
額の上にそびえ立つ角。
口の外に突き出た鋭い牙と、たくましい筋肉質の手足まで。
「美しい・・・」
オルカは恍惚の表情で感嘆した。
彼は現在、魔物から気配を隠す呪術を利用して隠れている。
そのため、ジャイロテに気づかれずに彼らの姿を鑑賞することができたのだ。
オルカの目の前には、約百匹の群れが。
「雪の奥深い場所に移動し、なかなか発見できない魔物を、百匹あまりも見ることが出来るなんて・・・」
オルカは、その中でも最も強力な力を持ったジャイロテの王を捕獲し、手懐けるつもりだった。
しかし、半月ほど待って手にした貴重な瞬間であるだけに、少しは余裕を見せてもいいだろう。
今は、眼前に広がる美しい光景をもう少し鑑賞したかった。
「・・・あれ?」
しかし、のどかな瞬間は長く続かない。
急に視界が一面赤く染まったのだ。
まるで日食現象が起きたかのように、真っ白に輝いていた湖の情景に巨大な影が落ちた。
オルカは、どこからか現れた蝶の群れがジャイロテの群れを襲うのを呆然と見つめる。
バリバリ!
骨を削るような殺伐とした音が、静かだった風景を一瞬にして覆す。
「これは・・・」
オルカは口をあんぐりと開けていた。
彼は自分の目の前で何が起こっているのか理解できずにいた。
しばらくして、赤い蝶の群れが初めて現れた時のように、巨大な影を視野に落としながら旅立つ。
彼らが忽然と消えた場所には真っ白な雪原が残っている。
そこには血痕が残っていなかったので、オルカは一瞬夢を見たような気がした。
「冗談だろ・・・」
そして意識が戻ると、口から虚しい笑みが溢れる。
この厳しい寒さで、一度も火を通すことができず、半月も潜伏していたのに。
その瞬間、ふと脳裏を掠めて通り過ぎた悟りに、オルカは席から立ち上がった。
彼の体の上に積もった雪が、はらはらと落ちていく。
「毒蝶?」
青空の向こうに遠ざかっていく赤い跡が、オルカの鋭い目に入った。
もしかして、この付近に毒蝶の生息地があるのか。
もしそうなら、ジャイロテなんか大したものではない。
赤い蝶の群れは、ペデリアンの土地へ飛んでいった。
それを見た瞬間、オルカの次の目的地が決まる。
「昨夜のあれ、やっぱりプロポーズだよね?」
オリンは仲間たちが集まって休むテントの中に入る途中で、足を止めた。
「状況はそうだけど、そういうのとは微妙に違う感じだったけど・・・」
「何が違う?露骨に告白だったじゃないか」
「そうよ。残りの人生をくれだなんて。明らかに結婚しようって意味よ」
テントの中にいる彼らは、昨夜のことを反芻していた。
「どうも、最初から妙な空気だったよな」
「そうだと思っていたよ。捕虜だなんて、主君がそのような性分ではないし」
「恩人というじゃないか。主君が連れてきた人が目を疑わせるほどの美人だったから、私も最初は戸惑ったけれど」
「・・・あの方、余命が短いって昨日言ってなかったか?」
テントの中に重苦しい沈黙が漂う。
それぞれが、若い主君の悲劇的な恋愛史を想像していることは明らかだ。
オリンは、再び振り返ってこの場を離れることにした。
この中に入ると、また昨日のようにカシスが連れてきた女性について自分にあれこれ聞くに違いないから。
その時、背後に誰かが近づいてくるのが感じられた。
もしかしてカシスではないかとビクビクしたが、幸いにもイシドールだった。
彼はすぐに上り坂を通り過ぎて、テントの中に入る。
「うるさいお喋りがテントの外にまで聞こえている」
「ウィンストン卿!」
「今はのんびりとお喋りをする時間ではない」
「も、申し訳ありません!」
オリンは気合が入った叫び声を聞きながら、こっそり引き返す。
やはり、あの中に入らなかったことは賢明な選択だったようだ。
訳もなく虎のようなイシドールに引っかかって一緒に怒られなくて良かったと、オリンは胸を撫で下ろした。
しかし、仲間があれほど集まってヒソヒソ話をするのも理解できる。
彼女は数日前のことを思い出した。
新キャラクターのオルカ。
時間軸としては、ロクサナが気絶している間の出来事でしょうか?
毒蝶の存在は、とても貴重だったはず。
いずれはロクサナとオルカが出会うかもしれませんね。
そして、オリンが思い出す数日前の出来事。
あの日に何があったかを知ることができますね!
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