こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は59話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
59話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 勝負?
カシスはそんな表情を浮かべるロクサナを黙って見つめていた。
微動だにせず、陰影を帯びた彼の瞳は、果てしない深淵のよう。
続いてカシスの手がロクサナの頬に触れた。
まず彼女の目の周りに止まる。
顔の輪郭を確認するかのように、ゆっくりと滑り落ちる温もりにロクサナは視線を落とした。
カシスは繊細に手を動かす。
優しく頬を撫でた後、今度は耳を軽く擦る手がくすぐったい。
その間も、カシスはロクサナの瞳から一時も視線を離さなかった。
とうとう彼の手が首筋の後ろに移り、向かい合う相手の頭を近づける。
その後、二人の唇が重なった。
その瞬間ロクサナは思わず身を震わせる。
それがカシスに伝わったかどうかは分からない。
ロクサナは一瞬身震いする。
すると、カシスは記憶の中のように優しく手を動かして首筋を撫で下ろした。
カーテンの間に染みる太陽の光のように、暖かい感覚が身体中に広がっていく。
穏やかな感じさえする静かな空気が周囲に満ちていた。
どうしても壊したくないくらい、その全てが極めて優しい雰囲気。
不思議な経験だった。
お互いに何も言えないのに、この瞬間、唇を突き合わせている相手と、とても緊密な話をしているようだ。
そのため、ロクサナはしばらくしてから浅い息を吐き出しながら口を開くことができた。
「・・・今何をしているの?」
「治療している」
淡々としたカシスの声に、ロクサナは眉をひそめる。
向き合った黄金色の瞳は微動だにしない。
その様を見ると、なぜか内心でイライラしてきた。
「必要ないわ。そんな真似しないでちょうだい」
ロクサナが離れようとするが、カシスは彼女を手放さない。
「いいや、必要だ」
同時に、強い腕が身動きできないほどロクサナを抱きしめる。
「こんな臨時の方便でもとらなければ、これからどうするつもりだ」
しばらく離れていた体が、もう一度近づく。
ロクサナの襟を引っ張ったカシスが頭を傾け、今度は深く唇をほぐされた。
ビックリするほど思いっきり触れ合った唇。
ピクピクしてたじろぐロクサナの頭を動かせないように掴んで、触れ合った舌がピリピリするほど強く吸い寄せらた。
敏感な粘膜をやや複雑に擦り上げながら通り過ぎる動きに、喉から自然と呻き声が流れる。
一瞬、開いた口が塞がり、呆気に取られるほど貪欲でしつこいキス。
ただ漠然と記憶の中のカシスにふさわしい優しい口づけを想像したロクサナは内心慌てていた。
しかし、すぐに彼女は目つきを変える。
こんな風にひたすらやられてばかりいては性分に合わなかった。
ロクサナも「どちらが勝つか、やってみよう」という気持ちで、カシスの首を腕で巻いて引っ張る。
ふと向き合った相手から小さく流れた小さな笑い声が、彼女にまで流れ込んで溜まっているようだった。
そのように誰が誰を捕えているのか分からないほどしつこく絡み合い、その後勝敗が決まる。
ロクサナは屈辱的な気分で、カシスを睨みつけていた。
「はあ・・・、はあ・・・」
彼女の顔は呼吸不足で赤くなっている。
その反面、カシスはまだ余裕の表情を浮かべていた。
「治療なんて必要ないと、自信満々に言っていたのに」
カシスは、ついさっきまで粘り強く開いていたロクサナの唇を凝視しながら首を傾ける。
そして彼女の下唇を舐めた。
「たかだかこの程度で疲れるとは」
その動作に、まだ燻っている熱気と未練が感じられる。
ロクサナはカシスをジロジロと見た。
確かにさっき二人が同じ行動をしたのに、彼はどうしてこんなに元気なんだろう。
肺活量の差がそんなに大きいのか?
いや、違う。
自分は今、体が正常な状態ではなかった。
三日間意識を失って目が覚めた直後でまだ回復していない。
最初からこれは公平な勝負ではなかった。
だから、こんな自分と対決したカシスが非良心的だと言えるだろう。
もちろん、これは喧嘩でもないのだが、ロクサナはなんとなくプライドが傷つけられた。
それでカシスにちょっと皮肉を込めて告げる。
「そんなあなたは、体の調子が悪い患者をどうしたいの?」
しかし、カシスは厚かましいほど平然とロクサナの言葉を受け流す。
「患者扱いされるのが嫌なようだから、思った通りにやったのに怒るのだな」
ロクサナはカシスを睨みつけた。
もちろん間違った言葉ではなかったが・・・。
「それで今、私が願ってこんなことをしたと?」
「いいや、私がしたくてやったんだ」
カシスは潔く認めて、ロクサナの言葉を遮る。
急に体から力が抜けた。
一体、今私は何をしているのだろうか?
カシスの心情が凄く気になります!
彼がアグリチェを脱出してからの空白の間を知りたいですね。
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