こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は102話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
102話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ベロニカ公女の目覚め
結局、リアブリックはベロニカの命をかけて賭博をせざるを得なかった。
毒をもって毒を取り除くという果敢で無謀な選択を余儀なくされて、天運のおかげでベロニカはかろうじて命拾いをすることができたのだ。
「お父様が言っていました。私の代役がいて、なかなか使える人形だと」
ベロニカにとって、エレナという存在は名前で呼ぶことさえ勿体無い物に過ぎない。
「ええ、思ったよりも。公女殿下に似ているためか、貴族たちも疑っていないようです」
「リブ」
ベロニカが低く唸り声を上げて、彼女を呼ぶ。
「似てるって言わないでもらえます?その卑しい物と同一線上に置かれているようで、非常に侮辱的です」
「・・・失言しました」
3年ぶりの出会いなので、リアブリックも忘れていた。
目の前のベロニカ公女が、どれほど権威と特権意識に固執している女性であるかということに。
「それと・・・。3年も過ぎたのに、凶手が見つかっていないとか」
リアブリックの表情が固まる。
あの日のことは、彼女の人生における最初の過ちであり、失敗だった。
「私が至らないせいで申し訳ありません」
「いつも人前で見るリブが好きだったわ」
窓の外から吹いてくる風に当たりながら、淡々と話し続けていたベロニカが頭を向ける。
月光を帯びた彼女の目つきは冷ややかだった。
「けれど、今回のことはちょっとアレですね。3年も経ったのに、明らかになったことがないなんて」
「・・・」
「そうじゃない、リアブリック?」
ベロニカは愛称ではなく、本名で彼女を冷たく追求する。
リアブリックの機転で奇跡的に生存したが、それは重要ではない。
家臣なら当然のことなのだから。
「私のせいです。申し訳ありません」
項垂れるリアブリックを、ベロニカは不気味な表情で見下ろす。
「失望は一度で十分よ。お父様の時代はあまり残っていないということを、いつも胸に刻んでください」
ベロニカは、ハッキリと警告する。
フランツェ大公の信任を得て、リアブリックが全権を振るっているが、いつか大公家はベロニカが受け継ぐことになるだろう。
そのときにリアブリックの座は保障されていないということを。
彼女の空席に代わる天才たちは溢れている。
「胸に刻み込んでおきます」
「そろそろ休むわ」
まだ気力が完全ではないのに、長時間喋ったせいか、ベロニカは疲れきっているように見えた。
力ない歩き方でベッドに倒れ込み、眠りにつく。
リアブリックは窓を閉めて、静かに部屋を出た。
「公女の体の具合はどう?」
「毒が完全に中和されておらず、体内に残っています。もう少し時間を置いて経過を見なければなりません」
かかりつけ医の報告を聞いて、リアブリックは振り返った。
ローレンツを帯同し、彼女は低い声で話す。
「思っていたよりも早く人形を燃やさないといけないかもしれないわね」
「人形をですか?」
ローレンツが目を輝かせると、リアブリックは冷ややかに言った。
「劇が終わったのですから、人形を持っている必要はないでしょう?」
「社交活動?」
リアブリックは執務室を訪れたマダム・ド・プランローズとエレナと会話をしていた。
「はい、公女殿下は礼法と身だしなみ、令嬢が備えるべき徳目を十分熟知し、多大な発展を遂げました。これからは本格的な社交活動を通じた学びが必要です」
隣で紅茶を飲んでいるエレナは、内心で彼女を応援している。
美術品の買い付けを口実に頻繁に外出することに限界を感じていたのだ。
このままだと、リアブリックの疑いは避けられない。
そこで考え出した方法が、本格的な社交活動だ。
「あえてそうする必要があるのでしょうか?公女は、まもなく皇太子妃となります。身だしなみを正して、世間に出ることは控えた方が良いのでは?」
リアブリックの抗弁に、マダム・ド・プランローズも負けじと切り返す。
「それこそ狭い視野です。過去を振り返っても、社交界の支持を得られなかった皇太子妃と皇后たちは淘汰されたことが多くあります。リアブリック子爵もご存知だと思いますが」
「それはそうですが・・・」
「公女殿下と同じ年頃で正しい身だしなみと女性の得目を重視する令嬢たちを知っております。彼女たちと話し合えばきっと役に立つでしょう」
リアブリックはマダム・ド・プランローズの懇願にもかかわらず、悩み続けた。
ベロニカが目を覚ました今、あえて無理をしてエレナを社交活動に送る必要があるのかた思い悩んでいるのだ。
(なんだろう?これはそこまで、悩む問題じゃないと思うけど・・・)
エレナは違和感を感じた。
リアブリックは得と失をハッキリ見分けることのできる女性。
皇太子妃選任のためなら、社交活動を通じた社交界の支持を引き出すことは非常に重要なのだ。
それを知らないはずがないリアブリックが、どうしてそこまで躊躇うのだろうか?
「・・・承知しました。まだ公女殿下に足りない部分が多いと思いますので、マダムの力を貸してください」
「よく決断してくださいました。昔から鳥籠の中の鳥は決して速く飛ぶことが出来ませんから」
エレナは自分の意思を貫徹するのに成功したマダム・ド・プランローズをじっと見つめる。
まるで、もういいと言うかのように。
エレナは微笑んで、彼女と一緒にリアブリックの執務室を出た。
ベロニカを毒殺しようとした犯人とは誰なのでしょうか?
その謎も関係してくるかもしれませんね。
リアブリックの調査でも判明していないので、相当の凄腕なのでしょう。
エレナもリアブリックの態度に違和感を感じていますし、いずれはベロニカが目を覚ましたことに気づくかもしれません!
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