こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は110話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
110話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 主人の望むままに
「信じられません」
「卿・・・」
「私が見て経験した公女殿下は誰よりも貴族らしいです。そんな方が___」
「努力したのです。がむしゃらに」
「・・・」
エレナは過ぎた人生を思い浮かべながら苦笑いする。
ヒュレルバードは、淡々とすべてを打ち明ける彼女を見て、いかなる言葉も行動もできなかった。
ただ眺めていることしかできない。
「ベロニカ姫は本当に生きています。1年後には戻ってくるかもしれないし、明日にでも戻ってくるかもしれない」
「そんな・・・」
「その時になると、私はどうなると思いますか?」
ヒュレルバードはその質問に答えることができなかった。
草原の部族には「狩りの役目を終えた猟犬は必要ない」とい言葉がある。
人形劇で役目を終えた人形は荷物になるだけで、何の役にも立たない。
「卿はお察しでしょう、私の最後が」
「・・・」
ヒュレルバードは簡単には言えなかった。
自らの死を知っているにもかかわらず、淡々と話すエレナの姿が、代役だと告白していた姿よりも衝撃的で残念でならないから。
馬車に長い静寂が敷かれた。
エレナは焦らずに彼に考える時間を与える。
(彼がどんな選択をしても失望しないようにしよう。彼の意見を尊重しよう)
騎士は名誉を重んじるに決まっている。
血統も不明な没落貴族出身の代役。
エレナを主君に仕える不名誉を、ヒュレルバードが甘受するとは保障できなかった。
彼を信じているが、真実を告白した今、不安で苛立たしいのは仕方がないだろう。
「・・・公女殿下は実に残酷な方です」
長い沈黙を破り、ヒュレルバードがエレナをじっと見つめる。
いつも以上に鋭い視線に困惑した。
「なぜ私に率直に話してくれないのですか?そばに残って欲しいと」
ヒュレルバードがここまで激情的になるとは予想できず、エレナは困惑する。
腹を立てる彼から目を離すことができない。
目の前の男が、本当にあの「氷の騎士」なのかと思うほど強烈で耐え難い熱さを見せてくる。
「騎士の名誉を、あなたに捧げます」
「・・・」
込み上げてくる何かを感じた。
ヒュレルバードの激情は嫌いではない。
彼が自分に腹を立ててくれるのが嬉しかった。
「私の主人は、目の前にいらっしゃる方お一人だけです」
「卿・・・」
真心のこもった忠誠心に感動したエレナの目頭が潤う。
感情を落ち着かせながら手を伸ばし、ヒュレルバードの手を握る。
突然の行動に、ヒュレルバードが狼狽した。
エレナは彼のつけている儀典用手袋を撫でる。
「ここに私が刻んだ文字を覚えていますか?」
ヒュレルバードはうなずく。
L。
一瞬も忘れたことはない。
エレナが直接手袋の内側に刺繍をして、いつも心に刻みなさいと言ったから。
「あの時の私の言った言葉を覚えていますか?」
「最初の出会いから今まで・・・、まさか?」
いつも真実を言っていたと。
ヒュレルバードの目が飛び出るほどに大きくなる。
「卿の思っている通りよ」
「サロンの女主人「L」が___」
「はい、私です」
「・・・!」
ニッコリ笑うエレナに、ヒュレルバードは呆気に取られた。
世間の中心に立つ「L」とエレナが関係しているとは、少しも思わなかったからだ。
「L」という名前が与える重さは決して軽くない。
首都を騒がせたサロンの女主人であり、「新女性」と呼ばれ、羨望の対象となる人物。
「卿に約束するわ」
「・・・」
「あなたが捨てようとした名誉を守り、あなたが耐えようとした指差しと侮辱を変えてみせます」
エレナが誰なのかは、もはや重要ではなかった。
ヒュレルバードが見てきたどんな貴族よりも貴族らしく、一度も失望したことはないのだから。
一瞬も彼女の世話をすることになったことが名誉な祝福だという事実を疑ったことはない。
それは代役であることが分かった今も変わらない。
「だから、あなたはこれからもずっと私を守ってください」
エレナの微笑みを見たヒュレルバードが自然と頭を下げる。
「全ては主人の望むままに」
「制圧しました」
黒いローブを被ったリンドン伯爵の報告に、シアンがうなずく。
「ショックだな。首都で堂々とアヘン製造施設を作って運営するとは」
アヘン製造施設に関する手がかりが得られたには偶然。
ラインハルト公爵家を背後に置く奴隷市場を襲撃した時、多量のアヘンを扱っていた流通者を生け捕りにすることができたのだ。
シアンは大型の釜に入った花を撫でながら尋ねる。
「これが全部アヘンなのか?」
「・・・」
中年男性は一言も話さなかった。
「背後には誰が?」
「・・・」
見るに見かねたリンドン伯爵が目配せをすると、部下たちが中年男性を押さえつけて返事を強要する。
最後まで口を開かなった中年男性の口元から血が流れた。
「舌を噛みました!」
「何をじっと見ている?早く助けろ!」
リンドン伯爵が迫ったが、非常に強く舌を噛んだため、中年男性は息を引き取った。
「これでは黒幕を突き止めるのは無理ですね・・・」
その言葉にシアンも残念そうにうなずく。
「ふと思うよ。帝国に貴族は本当に必要な存在なのだろうかと」
リンドン伯爵の表情が固くなる。
シアンに従っているが、彼も貴族だ。
「どうして貴族たちを皆同一線上に置くのですか?それは過大解釈です」
「このアヘンは誰が消費すると思っている?」
「それは・・・」
「貴族たちだ」
「・・・」
シアンはエレナの言葉を思い出す。
エレナはピラミッドの基盤となる民衆を改革しなければならないと主張した。
すなわち平民の人権を上げて、神聖帝国の市民のように投票権を与えるという意味だ。
井の中の蛙に過ぎなかったシアンが変わることができたのは、エレナに出会ったから。
「まだ何の知らせもないのか?」
「・・・はい」
「・・・」
リンドン伯爵の返事にシアンがじっと見つめる。
「・・・本当に何の知らせもありません」
再びリンドン伯爵が告げると、シアンは残念な気持ちを隠し、背を向けた。
(待つと約束したのに・・・)
ヒュレルバードの忠誠心に感動しました!
これまで以上に活動の幅を広げることが出来るのではないでしょうか?
そして、シアンもアヘンを追っています。
エレナとシアンが出会う日も近いのでは?
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