こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は135話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
135話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side レン・バスタージュ
「気分のいいことでもあったのですか?」
収集した情報を報告するために屋敷を訪れたメルは、ニヤニヤ笑っているレンを見て、我慢できずに尋ねた。
「これが何か分かる?」
「手紙なのでは?」
「誰から来たのか当ててみな」
悪戯っぽくレンが聞くと、メルは自分なりの情報を元に推論した。
「味気ない手紙ですね。令嬢たちが使っていると見るには無理があるようなデザインですが、主人が喜んでいることから、令嬢が送ってきたものではないでしょうか?」
「正解。やっぱり、マジェスティのリーダーだな」
「あまり褒められていないような分析ですが」
レンはニヤリと笑いながら手紙を見つめる。
その目はこの上なく輝いていた。
「食事でもしようだってさ」
「そうですか」
「約束の場所と時間も勝手に決められている。同意もない一方的な通知だが、気分は悪くない」
「・・・」
メルには馴染みがなかった。
触れるだけで切れる鋭い刃のようなレンだが、彼女の話をするときは不思議と丸くなる。
「実は、今日の報告に来たのは、その方の事なのです」
「何かあったのか?」
エレナに件に触れると、レンの表情が笑顔に。
いつ爆発するか分からない活火山のような目つきで。
「報告する前に、単刀直入に聞きたいことがあります」
「何?」
「今、大公家のベロニカ公女は身代わりなのですか?」
メルが的を射た質問をしたにもかかわらず、レンは眉を動かさなかった。
むしろメルを試すかのように聞き返す。
「なぜ、そんな事を考えた?」
「否定しないのですね。とういうことは、主人が心を込めたルシアという令嬢が「L」で、彼女がベロニカ公女の代役と」
「・・・」
レンは黙った。
最初に、メルがベロニカ公女と「L」を結びつけた以上、二人が同一人物だということを知るだろうと予想していた。
「まあ、こんなに簡単に分かるとは思っていなかったけど」
気持ちとしては一人だけで大切に隠していたかったが、子馬のように暴れるエレナのことが心配で見ていられなかった。
「「L」が姿を現す時は必ずベロニカ公女がサロンを訪問します。最初は偶然ではないかと思っていましたが、一度が二度になって、三度になった以上、必然としか思えません」
「偶然の繰り返しは必然だ。情報分析の基本だな」
「まだ決定的な手がかりがあります。フランツェ大公を追跡して向かった場所で、組織員が衝撃的な光景を目撃したのです」
レンはメルをじっと見つめながら次の言葉を待つ。
「散歩に出ていたベロニカ姫の姿を」
何も言わずに聞いていたレンが、いきなり激しく拍手した。
「さすがメルだな。よくそこまで辿り着いた」
「全て知っていたのですね。どうして事前に仰ってくれなかったのですか?それなら___」
「俺だけが知っていたかったから」
レンが言葉を遮って、ニヤリと笑う。
「それが理由になると思いますか?」
「まあ、過去の話はこの辺にして。情報に対して分析したことを話してみろ。散歩するほどベロニカが回復しているなら、彼らも黙っていそうにないが・・・」
レンは些細な情報や手がかりも疎かにしない。
ましてエレナのことに関しては、いつもより情熱的だった。
「少なくとも三ヶ月はかかると予想しています」
「三ヶ月?」
曖昧な返事に、レンが再び問い返した。
「ベロニカ公女の復帰時期です」
「根拠は?」
ぶっきらぼうに尋ねているが、レンの目には深い関心が。
ベロニカの復帰は、エレナにとって直接的なリスクになり得るから。
「散歩が可能なほど好転した健康状態。安価で納品されていた薬剤が急減したという点。中毒になる前、ベロニカ公女が取引していた名匠に注文が入った時点と完成要求期日を考慮しました」
「もう一つ、決定的なことがある」
傲慢に足を組んで座っていたレンが、自分の考えを付け加える。
「狡賢いリアブリックと、ハイエナのような伯父がベロニカの皇太子妃選任を急がないこと」
「訂正しないといけませんね。長くて三ヶ月。もしかしたら、それより早いかもしれません」
メルは悩むこともないように同調を示す。
シアンが学術院を卒業してから半年が過ぎた。
結婚適齢期であることを考えると、当然、皇太子妃の選任に関する議論が行わなければならないが、何の消息もない。
大公家は待っているのだ。
エレナじゃなくて、本物のベロニカが戻ってくるまで。
あえて言及しなかったが、このままだと一ヶ月前後になるのではないか。
「よし、食事招待への返事はこれでいいかな」
レンは癖のある前髪を指で捻りながら、ニヤニヤ笑う。
彼ならではのやり方でエレナを助け、恩着せがましく振る舞えるという事実に今からドキドキしていた。
その姿をじっと見ていたメルが口を開く。
「ご存じですか?主人が今、どんな顔をしているのか」
「笑ってる?」
「似ていますね」
鏡を見て、レンは今の自分の表情を知る。
その表情は、どうしても欲しかったオモチャを抱いた子供のように無邪気だった。
「メル、驚いただろ?」
「初めはかなり困惑しましたが、もう大分慣れました」
「それは結構。不思議だね、私がこんな表情をするなんて」
バスタージュ家の後継者として、いつも大公家の陰を抜け出さなければならないという圧力と責任に苦しんでいた。
そんな自分がこんなに緩い表情をしていることに、レンは鏡に騙されているような気分に。
「もう少し率直になってみてはいかがでしょうか?」
「メル。今、私に助言しているのか?」
メルが私見をすることはほとんど無いので、レンは意外そうに見ていた。
「男女の関係についてよく知らないようですので、申し上げる言葉です」
「メルは知っているように話すんだね」
「私もよく知りませんが、主人が間違っているのは知っています」
「間違っている?」
「ピネチア栽培地を発見したにもかかわらず、手柄を皇太子殿下に譲ったことです。主人のおかげで、皇太子殿下とその方が特別な関係になるとは思いませんでしたか?」
「思ったさ」
「・・・思ったのですか?」
レンの落ち着きのある返事に、メルは呆れた目で見る。
自信なのか、傲慢なのか。
彼女は主人の心中を推し量ることができなかった。
「その話はこれくらいにして。大公家の貴族会議があるって?」
「『ピネチア栽培地の消失』による被害を挽回するための対策会議のようです」
派閥に属する貴族が全員会議に参加するのであれば、そのテーマも軽くはないだろう。
「見詰めて」
「分かりました」
「それと、ベロニカから目を離さないようにと、大公家に潜入させた者たちにも」
「今もそうですが、もう一度周知します」
「命を懸けて守れと伝えておくように」
「守るのですか?」
メルの質問に、レンがいつもより冷淡で慎重に言葉を続ける。
「切り傷一つでも生えた日には・・・、分かっているよね?」
「僭越ながら、個人的な理由なのか、大義的な理由なのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」
メルにとって、マジェスティのメンバー一人一人が大切な家族だった。
主人の命令に反するつもりはないが、個人的にレンの率直な気持ちが気になったのだ。
「どちらも。当然のことだ」
「分かりました」
「メル、忘れるな。大公家没落の鍵は、あの子が握っていることを」
ベロニカ公女の復活まで残り僅か!
その間に、エレナは何をするつもりなのでしょうか?
レンとの食事も気になりますね。
彼のエレナへの感情も、ここからどう変化していくのでしょうか?
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