こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は１５６話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた！
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ：主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック：大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公：ベロニカの父親。
クラディオス・シアン：皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン：過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ：ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード：氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿：過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ：ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
１５６話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ボロニー伯爵
晩餐の間ずっと空回りしていたレンが退くと、会場は再び本来の雰囲気を取り戻した。
いいや、取り戻したように見えた。
ぎこちなく笑って平気でグラスを当てているが、貴族たちの表情はどことなく不快そうに。
まるで望まない席に来て無理やり笑っているかのような。
（上納金を上げられるのが不満なのでしょうね）
だからといって、大公家の庇護を受ける立場で露骨に異議を提起することもできないため、平気なふりをして囁くしかないのだろう。
貴族たちが不満を持つということを知りながらも、上納金を上げるほど、大公家の状況は良くないという意味だ。
こうなればエレナが思っていたよりもっと簡単に仕事を引っ張っていくことができるだろう。
エレナは自分によく見せようと話しかけてくる令嬢と貴族たちを適当に相手にし、ホールの中を素早く移動した。
以前の人生から面識があった貴族なので、探すのにそれほど時間はかからない。
（相変わらずね、ボロニー伯爵）
遠くの背丈に燕尾服がよく似合う男性の姿が。
男はボロニー伯爵で、西部地域で大規模な小麦農場を運営して帝国全体の小麦生産量の一部を占めている。
実際、数年前まで彼は西部地域のありふれた貴族に過ぎなかった。
しかし、大公家に列を作ったおかげで、一帯の平野を統合して自分の土地にしたのだ。
肥えた土地で生産される小麦をもとに、ボロニー伯爵は西部地域を代表する貴族として浮上した。
俗語で、大公家が念入りに育てた貴族と言っても過言ではない。
それを知っているため、彼も自ら他人より多くの上納金を大公家に捧げていた。
（人の心は本当にずる賢い。ありがたさは簡単に忘れられるものだから）
実際、ボロニー伯爵は他の貴族と比べて数倍も多くの上納金を払うことに不満が多かった。
今の聖世を享受する上で大公家の助けを受けたのは事実だが、これまでそれ以上の財物を捧げたと自ら考えているからだ。
エレナは過去の人生を通してボロニー伯爵のそんな不満を知っていた。
西部貴族を前面に前に出して上納金の不当さを主張したが、ついに大公家の怒りを買って尻尾を下げた前例があったため。
（そろそろ振ってみようかしら）
目標を定めたエレナが自然に会話を交わす機会を待ちながら、ボロニー伯爵の近くに近づいた。
偶然を装ってエレナが目を合わせると、彼は喜んだふりをする。
「お会いできて嬉しいです、公女殿下。昨年の初代大公生誕宴会の時、遠くからお見えしたのですが、挨拶を交わすのは初めてですね」
「私も伯爵様を遠くから見た記憶があります。あの時も今も相変わらず素敵ですね」
エレナは自然に称賛を交えながら会話を誘導した。
「はは、公女殿下のお褒めの言葉を聞くと身の置き所が分かりません」
「本当のことですよ。社交界で伯爵様を知らない人はいないという言葉が理解できます」
ボロニー伯爵の表情に満面の笑みがこぼれる。
彼に向けた外見の称賛も、エレナの徹底的に計算された行動だ。
実際、ボロニー伯爵はハンサムな外見の持ち主であり、自尊心が強かった。
「特に社交ダンスに見識があるとお聞きしました。多くの令嬢の羨望になっていると」
「そうだったのですか？自分の口で言うのは恥ずかしいですが、ダンスには自信がありますね」
続くエレナの称賛に気分がいいのかボロニー伯爵の口元からは笑みが消えなかった。
正直、エレナは彼が社交ダンスに長けているかどうか知らない。
いいや、知りたくもなかった。
ただリアブリックの監視を外すことに集中する。
今もどこかでリアブリックがエレナを注視していることは明らかだ。
一度疑い始めた以上、よほどのことでは疑いを消さない女なのだから。
その点、社交ダンスは非常に便利だ。
隠密な対話を交わすのにダンス以上のものはない。
公開された場所であるにもかかわらず、疑われずに自然に話を交わすことができるのだから。
「凄いです。最近流行っているワルツも踊れるのでしょうか？」
「自分の口で言うのは負担ですが、そういうわけですね。あはは」
「次の曲は「笛を吹く女性」ですよね？」
貴族会議を完璧に準備しようと努めたリアブリックと同様に、エレナも今日の晩餐を緻密に準備した。
事前に別館を訪れ、曲のリストを確認したのもその一環。
ちょうどホールの何に響いた曲が終わる。
やがてエレナの予想通り「笛を吹く女性」という曲が演奏された。
社交ダンスの定石のような曲で、社交界の紳士として通じるボロニー伯爵もよく知っている曲だろう。
エレナは熱を浮かべながら尋ねた。
「伯爵様、この曲を知っていますか？」
「知らないはずがありません。私の自信のある曲です」
知っている曲が流れると、ボロニー伯爵に満面の笑みが浮かぶ。
「曲の音色が重厚な伯爵様とよく似合うと思います。社交界を代表したという伯爵様のダンスの腕を見る機会があれば嬉しいのですが」
「公女殿下、今日はいかがでしょうか？」
「今日ですか？」
エレナは無邪気なふりをして彼を見上げる。
すると、ボロニー伯爵は脂っこい笑みを浮かべ、丁寧に手を差し出した。
「私と一曲踊りませんか？」
エレナの暗躍が始まりましたね。
リアブリックに気づかれないように行動するのは大変だと思いますが、エレナなら大丈夫のはず！
ボロニー伯爵にどのような交渉を持ちかけるつもりでしょうか？
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