こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は162話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
162話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 二つ先を見通す
大公家内の応接室。
最高級茶器を挟んだエレナとマダム・ド・プランローズがティータイムを楽しんでいた。
エレナは紅茶の品質を超えるほどの素晴らしい茶道を見せる。
優雅な手捌きで茶を注ぐのは言うまでもなく、ティーカップを持って紅茶を吟味する動作まで滑らかで品格が感じられた。
「文句の付け所がありませんね」
ケチをつけようと鷹の目でエレナを見守っていたマダム・ド・プランローズが淡々と話した。
大公家の敷居を超えて半年が過ぎたが、彼女が実際にエレナに教えたことはほとんどない。
些細なミスでもあれば文句をつけて体面を保とうとしたが、エレナの素養に足りない部分はなかった。
「ありがとう、マダム」
エレナはにっこり笑ってコップを口元に持っていく。
「今のようにすれば、1次競合で最高得点を貰えるでしょう」
「そうだと思っています」
エレナの厚かましい返事にマダム・ド・プランローズが軽く目を細める。
「評判にだけ気をつければいいと思います。幸いにも、社交界の世論も公女殿下にとても好意的ですから」
しかしエレナにとって皇太子妃選出式はただの時間稼ぎに過ぎない。
誰がすぐ復帰するベロニカを皇太子妃にさせようというのだろうか。
愚かだった過ちは過去の人生一度で十分だ。
「次の授業は1次競合以降になりますね。良いお知らせを待っています」
「はい、マダム」
ティータイムを終えたマダム・ド・プランローズが邸宅を離れる。
ゆったりと紅茶を楽しみたい気持ちは山々だったが、今夜予定されたビオラ伯爵の誕生日パーティーに参加するためには、今から着飾らなければならなかった。
部屋に戻ったエレナはドレスを着替えた後、化粧と髪を手入れする。
マダム・ド・プランローズと行ったティータイムは皇太子妃選出式に備えただけに、服装からアクセサリーまで1次競合に焦点が当てられていた。
それだけ厳粛ではあったが、パーティーに着ていくには物足りない感じがなくはない。
「お嬢様」
エレナの髪を整えていたアンが顔色を伺いながら慎重に口を開く。
「どうしたの?」
「それが・・・」
「気楽に言ってちょうだい。あなたと私の間で隠すことはないでしょ?」
エレナは微笑んでアンに安らかに尋ねた。
「今日外出する時、私がお迎えしてもいいでしょうか?」
「あなたが?」
「はい。お嬢様を近くで迎えるのが私の楽しみなのですが、邸宅だけですと私の役目を果たせないようで心が不自由なのです」
「そうだったの?」
微笑みながら聞いていたエレナの目つきが微妙に細くなる。
これまでエレナが外出すれば、信頼を背負って女中長にでもなったように邸内で王のように君臨していたアンだ。
それを諦めてエレナについていくと言うのだから、非常に怪しいのは当然のことだろう。
「いいわ」
「本当ですか?ありがとうございます」
アンはにっこり笑いながら頭を下げた。
「後片付けはメイに任せて、あなたは出かける準備をしなさい」
「は、はい!お嬢様、すぐに準備します」
アンは興奮した子供のように喜びながら寝室を出ていく。
するとエレナとメイの二人だけが残ることに。
「リブの息が入ったみたいね?」
「はい、そのように見えます」
「今になってアンを通じて何かを知ることができるのかしら?」
エレナは露骨な嘲笑を含んだ。
晩餐会以降、リアブリックがこれと言った反応を示さなかった。
いいや、見た目はそうでも、今も見えないところでエレナの一挙手一投足を監視し、報告を受けているだろう。
「メイ、ヒュレルバード卿を呼んでくれる?」
「はい、お嬢様」
メイが部屋の外で護衛についていたヒュレルバードを呼び寄せた。
「お呼びでしょうか?」
「卿にお願いがありまして」
「お願いだなんて、とんでもないです。どうぞ命令してください」
エレナはにっこり笑う。
氷の騎士と呼ばれているが、エレナが見るにはまだ幼く可愛い部分が残っているヒュレルバードだったため、このような姿がぎこちなかったのだ。
「私たちの間で命令だなんて。固すぎるじゃないですか」
「・・・はい?」
「私たちの仲」という言葉に、ヒュレルバードの瞳孔が揺れる。
エレナの隠喩的な冷やかしにどう対処すればいいか分からず困惑している気配が歴然だった。
そのような反応に思わず笑みを浮かべて、エレナが本題を切り出す。
「今日の外出時に尾行がつくでしょう」
「尾行とはもしかして・・・」
「推測ですが、リアブリックの指示だと思います」
ヒュレルバードの顔が強ばる。
尾行がついたということは、すでに疑われているという話だ。
エレナの身辺を保護しなければならないヒュレルバードは緊張せざるを得ないだろう。
「その者について把握してください、極力密かに。私の話がどういう意味なのか分かりますよね?」
「はい、分かりました」
誰が尾行でつくか分からないが、大公家内で氷の騎士と呼ばれたヒュレルバードを上回る実力を持つ騎士は存在しない。
ややもするとヒュレルバードが実力で制圧する日には、今まで徹底的に隠していた彼の剣術を満天下に公開する格好になってしまう。
エレナはそれを望んでいなかった。
元の歴史で帝国の三剣と呼ばれたヒュレルバードをリアブリックが予想できなかった時期に大公家の息の根を断つ剣として活用したかったのだ。
「知らなかったら分からないけれど、尾行されるということを知った以上、このまま見過ごすのは勿体無いでしょう?」
エレナの口元にかかっていた笑みがさらに濃くなる。
一手ではなく、二つ先を見通したエレナは、尾行を逆利用してリアブリックに混乱を与える計画だった。
アンが監視役だったことを忘れていました(笑)
今さら出てきたところでエレナに利用される道しか思い浮かびません。
ヒュレルバードの活躍が見たい私としては、早く彼の実力が知られることを期待しています!
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