こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は217話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
217話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 会合
時間はあっという間に過ぎ去った。
あれこれ措置を取って構想中の計略の虚果実を埋めたため、むしろ時間が足りないほどだ。
レンは懐中時計を見て沈黙を破る。
「時間がもうすぐ終わるかな?」
「後悔しないのですか?」
「じゃあ、また聞いてよ」
「いいえ」
エレナの言葉にレンはクスクス笑う。
「心配しないで。何でも残念な気持ちが残ってこそ意味深いものだから」
「本当に変な人ですね」
レンを見ながら首を横に振る頃、秘密通路のドアが開かれた。
メイが歩いてきて腰をかがめる。
「皇太子殿下をお迎えしました」
メイの言葉が終わるやいなや、エレナは立ち上がった。
レンは数分早く来たシアンが気に入らないかのように、ゆっくりとソファから起き上がる。
メイの後ろにいたシアンが前に出てきた。
「殿下にお目にかかります」
礼儀正しく礼を尽くすエレナとは違って、レンは適当に頭を下げる。
そんなレンを見るシアンの視線は、なんとなく不便そうだった。
目立たないが、自分より先に来ていたレンが気に入らないように見える。
「元気だった?」
シアンがエレナを見て優しく尋ねた。
いつも感情を殺したまま無愛想に生きてきたシアンだったので、周りの誰かが見たら驚いただろう。
「殿下が心配してくださったおかげで元気でした」
「良かった。もっと早く来たかったけど、それが出来なくてずっと残念だった」
暖かい安否を交わす二人の姿を見守っていたレンが突然入り込んで邪魔をする。
「私もいるのだけど?」
シアンの視線がレンに届くが、すぐに目を引いてエレナを見た。
「座ることにしよう。溜まった話も多いからね」
「私もです。こちらに座ってください」
エレナはソファの上座をシアンに勧める。
シアンを中心に左右にエレナとレンが座った。
「見ないうちに少し痩せたね」
「そうですか?十分に寝たのですが、気になることが多いからかもしれません」
エレナを見るシアンの目つきがとても柔らかい。
エレナが怪我をしなくて良かったし、そんな彼女を見られるだけでも嬉しかった。
「挨拶を受けていただけますか、殿下?」
レンは無神経に会話に介入し、自分の存在を知らせる。
「挨拶は受けたと思うけど?」
「そうだったのですか?あまりにも乾燥していたので分かりませんでした」
事あるごとに邪魔をするレンの存在がシアンの目に障り始めた。
「もういいんじゃないか?お互いに喜ぶ仲でもないのだから」
「何をそんなに堂々と牽制するんですか?悪感情でもあるかのように」
レンの挑発的な言葉にシアンの眉が動く。
二人の間で激しい神経戦が繰り広げられると、見ていられなかったエレナが乗り出して仲裁する。
「やめてください、レン」
「レン?」
シアンの目つきが細くなった。
エレナの口からレンという名前が優しく流れ出ると、理由の分からない熱烈な敗北感が押し寄せてきたのだ。
「分かったよ」
レンはシアンを見ながら勝者の笑みを浮かべ、エレナの言葉に素直に従う。
逆に固まっているシアンの表情はどこか深刻に見えた。
「忙しい人を集めておいて何してるの?先のことを話し合おうよ、早く」
レンの催促にエレナの唇がピクピクする。
早朝からサロンを訪ねてきたくせに急ぐ姿に呆れてしまう。
「お茶を一杯淹れる時間はあります」
エレナはメイが用意してくれた茶器でお茶を淹れる。
応接間に心身を安定させる香りが広がった。
シアンが最初にお茶を味わって、初めて対話が再開される。
「この場を借りてお礼を申し上げます。お二人がいなかったら、無事に大公家を脱出することはできなかったと思います。本当にありがとうございます」
「あなたを助けるためだ。感謝の言葉は適切ではない」
「私も同感」
エレナは薄く笑う。
大公家という共通の敵を持つ友軍が、この上なく頼もしいと感じた。
茶碗を下ろしたシアンが口を開く。
「皇室に報告なしに騎士団を動かした罪を問い、大公家に莫大な賠償金を払わせた」
「ありがとうございます。強制することができないので、実利を得た方がいいです」
シアンは賢明に対処した。
皇室に報告なしに首都近くで騎士団を勝手に動かした罪は大きい。
名分が皇室にある以上、いくら大公家だとしても罪の代価に当たる賠償金は避けることができなかった。
「大公家が萎縮した今、近衛隊を改革しようと思う」
「賢明な考えですね」
エレナも同意する。
近衛隊は皇室の権威であり、威厳であり、力である。
現皇室の近衛隊は貴族たちが自ら納付する後援金で運営されている実情だ。
そのため、貴族の子弟や貴族が推薦した者が近衛隊員として入ってくる場合が多い。
皇室を守護するという自負心は昔の言葉になって久しいし、貴族の引き抜き行為を日常的に行う人も少なくなかった。
「最近、首都内での集会がぐんと増えました。殿下が内外で気を遣っただけに、国民も少しでも変わっているようです」
「あなたが建てた学校のおかげだ。子供たちが学び、親たちの考えまで変えている」
シアンは改めてエレナに会ったことに感謝した。
彼女がいなかったら、皇室を強化しようとする考えに囚われ、時代を読むことができず、昔のことに縛られていただろう。
さすがにエレナもシアンのことを名前で呼ぶのは難しいですよね。
それでもシアンがエレナにお願いする可能性は非常に高いかもしれません。
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