こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は276話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
276話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 皇帝との謁見
首都に凶暴な噂が出回った。
新興貴族の中でも最も影響力が強いバスタージュ家の後継者レンが失踪したという噂だ。
間こえる話によると、レンが目の見えない矢に当たって死んだと言われている。
目撃者まで登場し、実体のない噂に力を吹き込んだ。
そんな中、レンを心の中で深く慕っていたある令嬢が、夢の中に死んだレンが出てきたと嗚咽したという話まで出回った。
単なる夢だったが、時期と情況と相まってレンの死を裏付ける話として受け入れられることに。
その上、大公家に連れて行かれたスペンサー子爵が帰ってこないと、バスタージュ家が大きく揺れた。
子爵家を率いていく精神的支柱である2人の不在が長くなったためだ。
「さすが。狙っていたんですね」
エレナの顔は複雑になった。
不吉な予感はどうして間違えないのか。
「執事から始め、家門内の要職に就いた人たちは大公家にすべて買収されたようです。何人かは私も知らないうちに交替されましたね」
メルは悲しみを隠せなかった。
エレナが最初に話し始めたときは、はっきりしなかった。
ところが、帰る状況を見ると明らかだ。
「スペンサー子爵の行方は把握できましたか?」
「把握ができません」
メルは唇をかみしめる。
マジェスティ情報組織の首長を務めてから10年が過ぎて、このように無気力だと感じたのは初めてだった。
公式に大公家に訪問した後、蒸発でもしたかのように姿を消してしまった。
「引き続き探してみてください。スペンサー子爵の身辺が最も重要ですから」
「わかりました」
「あまり焦らないでください。レンが目覚めるまでバスタージュ家は私が何とか守ります」
メルを安心させたエレナが首を回して意識のないレンを見下ろす。
以前より顔色が一層良くなったが、依然として目が覚められずにいた。
天才医師のネヴィルは、これ以上昏睡状態が続くと危険だと警告している。
レンの身体が一般人と違って今まで持ちこたえることができたが、それさえも限界に逹した。
「毎日が過ぎるほど精神的な損傷を受けるしかない」と。
トントン。
カリフがドアを開けて入ってくる。
「もう出発しよう。これ以上遅れるのはよくない」
エレナはうなずいてレンの頬を優しく撫でた。
その哀れな手にはレンに向けた切なさが込められている。
「行ってきます。メルさんがそばにいてください」
エレナはメルにレンを頼み、部屋を出ていく。
事前に外出準備を終えたエレナが別館の外に出ると、皇室から送られた備典用の四輪馬車が待機中だった。
その横には警備兵が節度のある姿勢で立っている。
「こんにちは、L。皇宮近衛隊副師団長のフィギンです。皇室までお迎えします」
「よろしくお願いします」
エレナがにっこり笑うと、しばらく視線を奪われたフィギンが咳払いをした。
「ほら、Lですよ!」
ちょうどバシリカを訪れた貴族たちが皇室が送った儀典馬車の前に立っているエレナを発見してひそひそ話する。
彼女が公開的に素顔を現した後、サロンの外に姿を現したのは今日が初めてだった。
「あの美貌でなんで今まで隠してきたのでしょうか?」
「聞いた話ではベロニカに似た外見のせいで、色眼鏡をかけて見ようかと思ってそうしたそうです」
「確かにそうかもしれませんね。でも優雅すぎませんか?あの高級感は本当に・・・、お金では買えないみたいです」
「気品は生まれつきだと言っていたのは本当のようですね。最初はベロニカ公女と似ていると思っていましたが、見れば見るほど違って見えます」
「ところで皇室から馬車はどうして送ったんですか?」
「知らなかったんですか?今日、皇帝陛下がLが帝国の文化発展に寄与したことを高く評価し、文化表彰を下賜されるそうです」
エレナは皇室から派遣された儀典馬車に乗り込む。
白馬に乗った近衛除員の護衛を受けながら、馬車の車輪が転がっていった。
エレナは、あまり速くも遅くもなく皇居に向かう馬車の中で、昔のことを思い出す。
「相変わらず、どうか見てくれるのかな」
記憶の中の皇帝リチャードは、皇居でラファエルとともに良い感情で残った人だ。
彼は皇室と敵対的な大公家の娘であるにもかかわらず、いつも彼女に優しく接してくれた。
「お元気でいらっしゃるといいのですが」
リチャード皇帝が崩御するのはこの頃だ。
先天的な持病が老患と重なって悪化し、結局起きられずに死んでしまう。
街道を横切っていた儀典馬車が皇居に至って止まった。
近衛隊副団長のフィギンが馬車のドアを開けると、思いがけない人がエレナを迎える。
「殿下?」
エレナが目を見開いてみると、シアンが手をそっと差し出す。
「待っていた」
エレナはシアンの手のひらに手を置き、エスコートを受けながら馬車から降りた。
「迎えに来るとは思いませんでした」
エレナはこの状況に不慣れで面食らった。
痛みに満ちていた皇居という空間で、シアンの優しさは彼女を当惑させたのだ。
「君に教えたかった。私、皇太子シアン、皇室、さらにはこの帝国があなたをどれほと大切にしているかを」
カーペットの横に並んでいた新しい皇居近衛隊が腰の剣を抜いて高く持ち上げた。
まっすぐに立った剣をゆっくりと斜めに下ろして素敵なトンネルを作りだす。
「行こう」
シアンのエスコートを受けながら歩くエレナは、盛大な歓迎式に身の置き所がなかった。
果たして自分がここまで歓迎される資格があるのか疑問に思うほどだった。
本宮に入ったエレナは、すぐに御前に向かう。
皇居の侍女が告げ、遥かに高い天井に届くほど大きな門が開いた。
皇帝リチャードとの対面。
これでエレナの地位がますます強くなることでしょう。
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