こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は298話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
298話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 大公家の力②
リンドン伯爵、ホイット公爵率いる騎士団と戦闘中。圧倒的戦力差。全滅有力。
「4大家門がなぜ?いや、ホイット公爵が大公が仲間だったって?」
エレナは予想をはるかに上回る突発的な状況に半狂乱した。
他でもなくバッキンガム公爵家だ。
大陸を支える礎であり、4大家門と言われるほとの大家門。
そんな彼らがフランチェ大公の逆謀に協力していたとは。
彼女も予想外だった。
「全滅有力」
エレナはメモに書かれた最後の文章をつぶやく声で震える。
リンドン伯爵が率いる騎士団は、フランチェ大公を捕まえるための切り札だ。
レンが家門を掌握し、従順なバスタージュ家の半分の騎士団と皇宮近衛隊が合流し、大公家の騎士団を制圧する計画だった。
ところが、ホイット公爵の介入で事が狂ってしまった。
リンドン伯爵家は強固な騎士団を持っているが、相手は四大家門の一つバッキンガム家の騎士団だ。
実力は同等だとしても頭数で劣勢にならざるをえない。
「私のミスだ。全然把握できなかった」
エレナは唇をかんだ。
机の上、握り締めた拳が震えた。
これまで着実に復讐を準備してきて、これほど無気力だと感じたのは初めてだ。
「もし・・・本当にもしリンドン伯爵様がやられたら・・・」
エレナは想像したくない最悪の状況にしっかりと目を閉じる。
そうなると、勢力の追加でフランチェ大公に急激に傾いてしまう。
レン、ヒュレルバードが「帝国の三剣」と称する強者で、それに次ぐシアンもいるというが、数的劣勢を避ける方法はない。
フランチェ大公が率いる騎士団とホイット公爵の騎士団が合流する瞬間、戦力が2倍、いや、3倍近く差が出てしまう。
「リンドン伯爵様を救い、戦力の損失を防がなければならない。そのためにはまず・・・」
平常心を取り戻したエレナが、急いで打開策を考えた。
それがコントロールタワーを引き受けているエレナがすべきことだからだ。
「ヒュレルバード卿しかいない」
ちょうどヒュレルバードが傭兵たちを連れて首都北門付近に到逹したという知らせを聞いた直後だ。
今ならヒュレルバードを動かしてリンドン伯爵を救うことができる。
但し、一つの前提が伴った。
「・・・レンと殿下が支えてくれるかどうか」
このままでは、リンドン伯爵の騎士団とヒュレルバードの合流が遅れるしかない。
挟み撃ちが遅れるほど、劣勢のシアンとレンが危険になる可能性が高かった。
葛藤はあったが、エレナは長く悩まなかった。
今のところ、レンとシアンを信じるしかないから。
「フクロウの皆さん、私の話聞こえますよね?今すぐ殿下とレンに渡してください。リンドン伯爵様の合流が遅れると。できるだけ喧嘩を遅らせてくださいと」
エレナは何かに取りつかれたように空中で独り言を言った。
他の人が見たら疑問に思っただろうが、その話を間く人が執務室の中にいた。
「分かりました」
どこで答えているのかも分からないが、低く鮮明な声が執務室を響かせる。
レンがこのような突発状況に備えて植えたマジェスティ情報員たちだ。
「私たちも急ぎましょう」
エレナは人の気配がなくなると立ち上がった。
するとベルが驚いた目で尋ねる。
「直接行かれるんですか?」
「ここから首都の北門まで近いです。そして、ヒュレルバード卿の動線は、この計画を立てた私が一番よく知っています」
エレナはマジェスティ隊員を送るよりも自分で動くことを選んだ。
マジェスティがいくら熟練した情報源だとしても、頭の中にすべての絵を描いているエレナよりさらに正確ではないためだ。
このような時は、伝書鳩の限界が惜しい。
ハトの回帰本能を利用した伝書鳩は限られた場所に限られる。
サロンにハトを来させることはできても、移動中のヒュレルバードに連絡する方法は不可能だった。
「寸刻を争うことよ。遅滞する暇がない」
一分一秒が急務だった。
今このような中でもリンドン伯爵をはじめとする騎士団の生死が行き交っているだろう。
エレナは襟元を撫で、ためらわずにドレスの紐を下ろす。
本来なら一人では脱げないが、メイもいない状況で簡単に脱げるようクリスティーナに特別注文したドレスだ。
蛇が皮を脱ぐようにドレスを脱ぐと、体にびったりくっつく乗馬服が現れた。
エレナは靴を脱ぎ捨て、長靴を履いてベルを早める。
「何をしているんですか?早く行きましょう」
「わ、わかりました」
エレナは当惑するベルを連れて動かした。
非常脱出口を利用して人目を避けて降りてきた後、馬を駆ってサロンを飛び出す。
首都の夜の街は閑散としていた。
首都のどこかで殺される戦闘が起こるとは信じられなかった。
息をつく暇もなく馬を運転しながらも、エレナの頭は一時も休まなかった。
初め伝書鳩に書かれたヒュレルバードの位置を基準に鳩が飛んできた距離と時間、エレナがサロンを出て移動する間にヒュレルバードが移動した距離などを計算した。
「今頃は早くても北のガイア聖堂の近くだろう」
エレナはより力強く馬を走らせた。
もしかすると、すれ違う日には取り返しのつかない事態を迎えることができるからだ。
大聖堂の近くに到着したエレナが馬のたてがみをなすりおろして落ち着かせる。
「まだかな?」
息を殺してヒューレルバードが来るのを待つ。
一刻を争う緊迫した状況であるだけに、一分ー秒が一年のように遅く長く感じられた。
「まさか過ぎ去ったのではないだろう?」
来るべきヒュレルバードが見当たらず、エレナがいらいらする時だった。
「あそこを見てください!」
ベルは大聖堂の向こうの大通りを指差す。
深夜0時過ぎの通行禁止令を無視したまま、狂ったように馬を走らせるがっしりした男の姿が見えた。
「ヒュレルバード卿です!」
聖堂の軒下に身を隠していたエレナが馬を駆って前に出る。
「卿、私です!」
顔を丸出しにしたエレナが大声で叫びながら手を振った。
そんなエレナを見たのだろうか。
疾走していたヒュレルバードが馬の手綱を引いて徐々に速度を落とし、エレナに近づいて頭を下げた。
「お嬢様がなぜここにいらっしゃるのですか?」
久しぶりに再会した喜びもつかの間、ヒュレルバードは暗いエレナの表情から何かが間違っていることを直感する。
「卿、今こうしている暇はありません。バスタージュ家に行く前にリンドン伯爵様を救わなければなりません」
「どこへ行けばいいですか?」
ヒュレルバードは長々と聞かなかった。
焦って見えるエレナの声と顔が多いことを説明してくれたのだ。
「西北の方、凱旋門通りです」
「早速参りましょう」
一抹のためらいもなく馬の頭を回したヒュレルバードが傭兵たちを率いて支援に向かう。
彼らの後ろ姿が見えなくなるほど遠くなるとエレナは振り返った。
「卿に従ってください」
「私のことですか?駄目です、それはできません」
思いがけない言葉に一瞬葛藤したが、ベルはすぐに首を横に振りながら断った。
主君と同僚の騎士たちの安危が心配だったが、彼に下された任務はエレナの身辺保護だ。
それを疎かにすることはできない。
「今は一人でも必要な時です。私もついて行きますので、先に行ってください」
「でも・・・」
「私の乗馬術で追いかけるにはかなり遅いです。早く出発してください。行って助けてください」
エレナの催促に迷っていたベルが決心したようにうなずいて言葉を変え、行ってしまった。
「ヒュレルバード卿、お願いします」
彼女ができる措置はすべてした。
あとはヒュレルバードを信じることだけだ。
やっぱりエレナとヒュレルバードの絆は強いですね!
ヒュレルバードが合流すれば、バッキンガム公爵の方は大丈夫なはず。
あとはシアンとレンがフランチェ大公を相手にどこまで戦えるかですね。
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