影の皇妃

影の皇妃【48話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は48をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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48話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • カリフとの取引

「え?取引?」

カリフが目を何度も瞬きする。

入学したばかりの新入生、それも黒もメガネがよく似合う本を好みそうな、女子生徒の口から出るような言葉ではないから。

「ええ、正確には先輩と同業したのです」

「同業者?参ったな、初対面なのに困ったテーマを持ってきたもんだ」

カリフはぎこちなく頬を掻き、質問を投げかける。

「僕のこと知ってる?」

「知ってます」

他のことはともかく、未来のカリフがどんな人物かは知っている。

「それなら話は早い。僕は見掛け倒しだよ。それも知ってるの?」

その質問にうなずく。

「それを知っていて、私はあなたを同業者と選んだの」

カリフはニヤリと笑って、芝生に横になり目をつぶった。

「あなたは自分のことをよく知っている。それは難しいことよ」

ほとんどの人は自分自身を非常に過大評価している。

しかし、カリフからはそのような姿を目にすることはなかった。

自分の位置と水準、器を正確に知っていて、警戒心も強い。

エレナは彼に会うのは二度目だけど、その点が気に入っている。

適当に善良で、適当に目的を把握して、適当に事業感覚がある。

外部でエレナが進める事業全般を任せるにはもってこいの適任者だった。

話を続けるために、エレナは我慢して芝生に座る。

「美術商に興味がありますか?」

「何を言ってるの?」

「自分で事業を展開しようと思うのですが、一人では手に負えないので。先輩にちょっと手伝って欲しいのです。あ!危ないとか、非合法ではないので安心してください」

カリフは眉をひそめる。

どう見ても自分を利用しようと接近している印象しかないが・・・。

躊躇っていたカリフは頭を掻きながら起き上がる。

「やっと興味が湧いてきましたか?」

「聞いて損をする事はないだろうし」

エレナは笑いながら話を続ける。

「私が集めたお金が少しあります。少しとは言いましたが、父親の財産が多くて、お小遣いをたくさんくれるんです」

「それで?」

「それを腐らせるのも嫌なので、投資をして転がそうと思って」

 



 

  • ルシアの説得

美術事業家であるカリフは、この大胆で自信満々な女性の計画に首を横に振った。

「言うのは簡単だね。芸術界の動きは知ってる?」

「流れは分かりますよ」

「それなら話は早い。エレナは美術商になるために最も重要な事は知ってるかい?」

答える代わりにじっと見つめると、カリフはため息をついた。

「人脈だ。有名画家や彫刻家、細工師の鼻がどれほど高いか知ってる?それに・・・」

「それに?」

「美術品を誰に売るの?貴族やコレクターは誰でも会えるわけじゃない」

物静かに話し始めたカリフが次第に激昂する。

彼も芸術界とそちらの仕事にそれなりの関心があったので、この無知極まりない女子生徒の事業計画に呆れているのだろう。

「私もそれなりのビジョンと計画はあります」

「君の頭の中にだけだろ?現実は違う」

カリフは聞き取れるように説明したにもかかわらず、エレナをじっと見てこれ以上の助言は意味がないと感じた。

「したいのなら、一人でやってくれ」

「私にも事情があるのです。父と約束したことがあり、卒業証書は何としても取らなければいけないので」

「すまないが、卒業証書は僕も必要だ」

「私の話を聞いてみたら気持ちが変わると思います。見た目より人脈がしっかりしていますから」

「ああ、そうですか」

カリフは皮肉たっぷりに笑う。

「聞いてビックリすると思いますよ」

「後輩さん、美術商はね、遥か遠いところにいる貴族の方々、言い換えればお金が腐るほど持っている方が交渉出来るんですよ」

「そんな事は私も知っています」

 



 

  • 人生に訪れるチャンス

彼女の反応は未だに理解できていないように見えて、カリフはイライラし始めた。

「それじゃあ、どんなにすごい方をご存知なのか気になりますね。4大公爵家に人脈があると?使用人?それとも馬夫?」

「すごい想像力ですね。4大公爵家ならいいのですか?」

「おい!」

堪えきれずにカリフが怒鳴りつける。

会話をすればするほどエレナに巻き込まれるようで、きまり悪い気分になった。

「いい加減にしろよ。冗談はやめろ」

「本気ですよ。どうせ初めてのお客様なら大公家程度が良いと思っていましたから」

「え?大公家?」

「ベロニカ公女殿下と私は非常に特別な関係なのです」

「本当に?」

カリフはあの噂をどう理解していいか分からず躊躇った。

ベロニカ公女が復学したという噂を聞いたが、目の前の新入生と格別の仲だとは予想していなかった。

「公女殿下からの贈り物ですけど、これを見てもらえれば、ちょっとは信用してくれます?」

「・・・!」

カリフの目が飛び出るほどに大きくなった。

エレナが見せた懐中時計には大公家を象徴する模様が細工されていたから。

「それで?私の取引はどうですか?」

彼は本能的に直感した。

人生に訪れた3回のチャンスのうち、1回が今日訪れた気がすると。

 



 

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