こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は299話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
299話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 対峙
皇居を出たフランチェ大公が騎士団を連れてバスタージュ家に到着する。
新興貴族の首長一族らしく、多くの数も貴族たちも一枚折るほど、大門から立派だ。
「御者のくせに、ずいぶん豪勢にしていましたね」
ベロニカは唇をひねりながらにやにやした。
代々傍系は直系のために存続した。
百年条約を条件に傍系の独立を許したりはしたが、傍系出身のバスタージュ家の盛勢が痛ましく見えるほかはなかった。
「そうしろと手放したのだ。見よ、自分の主人のために多くのものを残しておいたんじゃないか?」
「あら、言われてみればそうですね」
ベロニカは口を覆って笑いながら邸宅に入る。
事前に大部分の家臣を買収しておいたため、大門も広く開かれていた。
大公家の比ではないが、かなり広い方に属する庭園兼噴水台を横切ると、邸宅が見えた。
「家門を掌握したと言っていませんでしたか?どうして誰も出てこないんですか?」
「・・・」
ベロニカの疑問にフランチェ大公は何の返事もできなかった。
大公家が買収した副騎士団長と騎士たちが内部をさっと整理した後、印章を持ってフランチェ大公を迎えることになっている。
でも、これはどういうことだ。
邸宅にだんだん近づいているにもかかわらず、アリの子一匹も見えなかった。
「あそこを見てください」
「・・・」
邸宅に近づく頃、フランチェ大公とベロニカの目に力が入る。
屋敷の外の灯篭に明かりが灯り、四方を明るくした。
明るくなった視野の向こうに邸宅の入口に、手と口を縛られたままひざまずいている20人の人が見えた。
「あれはバスタージュ家の副騎士団長ペリン卿です。私たちを迎えるべき者が、どうして・・・」
制圧された男の中で第2騎士団ジェームズがよく知っている顔もあったので当惑した時だった。
屋敷の中から覆面をした男が出てくる。
彼は、捕縛されたままもがいている副騎士団長ペリンの後ろに立って、腰の剣を抜いた。
「罪、不忠」
不明な言葉を残した覆面がそのまま剣を振り落とす。
光を受けて光っていた剣刃が軌跡を描きながらペリンの首を打った。
断末魔の悲鳴をあげて絶命した彼の死に、怯えた人々がもがいた。
しかし、手首だけでなく足首まで強く縛っておいたため、体を動かすだけで、いかなる抵抗もできなかった。
「い、今何を!?」
第2騎士団のジェームズは驚いた。
何か変な気配がしたが、このようなやり方でペリンを殺すとは予想できなかったためだ。
しかし、それは始まりに過ぎない。
「あそこを見てください!」
覆面は二十人近い者たちの首を切ってしまった。
あまりにもあっという間に起きたことなので、何かを言い聞かせる暇さえない。
覆面はあっという間に20体の死体を作り出した。
彼の剣に沿って血の滴が地面を濡らす。
「処罰、即決処刑」
低くて小さかったが、覆面の口から流れ出た声をフランチェ大公をはじめとする皆がはっきりと聞く。
「誰だ、お前は!敢えてこんなことをしても無事だろうか?」
殺された人たちが大公家に買収されたり、抱き込まれた家臣または騎士団員であることに気づいたジェームズが脅しをかけた。
フランチェ大公がいなかったら、すぐにでも飛び出して覆面の首を切るような凶暴だった。
「あ、まだあるよ」
覆面が首を回してフランチェ大公を見る。
手なずけられなかったオオカミのような眼差しは、すぐにでもフランチェ大公を引き裂くかのように殺気立った。
「罪人フランチェ大公とベロニカ、そして一味」
「・・・」
「罪目、逆謀」
フランチェ大公の目つきが細くなった。
それはベロニカも同じ。
聞き覚えのある声だったからだ。
「同様に死刑」
話が終わるやいなや覆面を脱ぎ捨てる。
血より赤い瞳にくせ毛。
馴れ馴れしい反抗心に満ちたまなざし。
まるで獲物を噛んで食べて血を流すオオカミの歯のように、血を含んだ剣がこの上なく似合う男。
「レン・バスタージュ」
フランチェ大公が低く詠んだ。
彼も予想できなかった。
行方不明になったと知られ、葬儀まで行った甥のレンが無事に生きて自分の前に現れるとは。
「お前がどうして?死んだんじゃないの?」
ベロニカも少なからず驚いたようだ。
死んだと思っていたいとこのレンが生きていたからだ。
しかし、それもつかの間だっただけで、驚きはすぐに嘲笑に変わる。
「お前は本当に救いようがないな?生きていたのに、死んだように生きなければならない。何のためにここに現れるの?その頭は飾りでつけているの?」
ベロニカの皮肉にレンがくすくす笑って前髪をかきあげた。
倦怠な目つきの中に、錐より鋭い何かがひらめいた。
頭を上げたレンがベロニカをじっと見つめながら言葉を投げた。
「あなた、あれじゃない?」
「知りたくないんだけど?」
「いや、知らなければならない。私の気持ちがどうなのか、あなたなどが足先もついていけないほどいい女と一瞬あなたを区分できなかった私の目を掘り起こしたい気持ちだということを」
「何だって?」
学術院在学時代、ベロニカの代役として初めて会ったエレナをベロニカだと固く信じていた時期があった。
レンはその記憶を根こそぎ切り取りたかった。
あんなに下品な狂った女とエレナを同一人物だと思ったことに嫌悪感を覚えた。
「気が狂ったのか?たかが付添い役として生きて死ぬ傍系のくせに。あの根もない女と、あえて私を比較するの?」
レンの比喩的な表現を聞き取れないほど、ベロニカは馬鹿ではなかった。
そうでなくてもエレナに向けられた劣等感に捕らわれ、私利分別が落ちたベロニカだ。
そんな中、レンの侮辱的な発言は彼女の神経を逆なでした。
「世の中がみんな知っていることをあなただけ知らないみたいだね。首都の誰でもいいかr聞いてみたら?誰が根本がないのかを」
「黙れ!唇をくりぬいて耳を切ってしまう前に」
「できるならやってみろ」
レンはにっこり笑って肩をすくめた。
恥じらいと侮辱感に手綱を握っていたベロニカの手が細く震える。
「お前は幼い時からそうだった。御者の血筋のくせに私に匹敵しようと思って。いつも挑戦的だった。縁起でもない」
「そうだっけ?」
「お父様」
ベロニカは馬を駆ってフランチェ大公の隣に立ツ。
その一方で、憎悪のこもった覗線がレンから離れなかった。
「あの子、私にください。どうせ死んだと知られテいるから、私が遊んで殺しても構わないじゃないですか?」
「そうだね」
フランチェ大公はそうすると約束した。
バスタージュ家を接収した後、すっかり入れ替えれば、レンが生きているという事実は重要ではなくなる。
「ベロニカの言う通りだ。息を殺して生きていたら、手をこまねいていたはずなのに。訳モなく出てきて死を招くんだね」
「おい、伯父さん。私が親不孝者なんだ?でも、お父さんの死まで知らないふりをするほどろくでなしじゃないから、そのまま見過ごすわけにはいかないね?」
レンの全身に殺気がみなぎっていた。
すぐにでも飛び出してフランチェ大公の心臓に剣を打ち込んでも不思議ではないほと威嚇的だ。
「涙が出る孝心だね」
フランチェ大公はレンが生きていることに驚き、家門を掌握して買収した騎士と家臣たちを目の前で殺したことに2度驚いた。
そうだとしても、変わることはなイ。
むしろよかった。
訳もなく隠れていたら、後々まで後戻りしていたのに、自分の足で姿を現さなかったのではないか。
「地獄に行ってスペンサーに謝れ。あなたの軽率さで廃絶するのを」
「あなたこそ謝らなければならない。死によって、その首を持ってお父さんに挨拶しに行くから」
レンは低いうなり声で合図した。
すると、邸宅の中で待機していた騎士団員たちが飛び出して布陣する。
本来、騎士団の規模は30人に迫ったが、大公家に買収された裏切り者たちを処理したら、15程度しか残っていなかった。
それに比べてフランチェ大公が率いる第1騎士団と第2騎士団の数字は概算で百人にはなったように見えた。
圧倒的な戦力差。
卵で岩を打つという表現が適しているほどだ。
そんな劣勢でもレンは落ち込まなかった。
むしろ飢えた猛獣のように目つきが光っていた。
すぐにでも飛びかかって首筋をかみちぎるような荒々しい思いだった。
ついにレンがフランチェ大公と対峙。
増援が来るまで、どれだけ持ち堪えられるのでしょうか?
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