こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は41話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
41話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 品定めの時間
ルシアに変装したエレナは周期的にラファエルの画室を訪れることに。
そこで未完成の絵を見て、品定めする時間を持った。
「崩れた信仰」
その絵は、未完成という言葉が顔負けするほど高い完成度を誇る。
畑に座った百姓と、遠くに感じられる聖堂が、隠喩的に百姓が感じる絶望を表現する絵。
「どうでしたか?」
ラファエルは自分の作品についてのエレナの意見を注意深く尋ねた。
「すみません」
絵の中のみすぼらしい聖堂を指摘する。
「遠近法が目立ちます」
「・・・!」
淡々と喋る指摘点に、ラファエルは驚きを隠せなかった。
何故なら、エレナは彼が最も力を入れて表現したかった部分を、的確に指摘したのだ。
(空気遠近法だったよね?)
ラファエルの絵が時代の代表作として認識されると、多くの画家は彼の技法を分析した。
空気遠近法はその結果として生まれた技法。
「空気の働きを見落としているからですよ」
「空気の働き?」
絵を描く素質は足りないが、エレナの理論水準は高かった。
ルネサンス時代が幕を開けると、女性には絵を見る能力が要求され、必ず身につけなければならない素養になったからだ。
「・・・」
ラファエルの沈黙が長くなる。
(抽象的に話しちゃったかな?)
残念だが、エレナにはこれが最善の策だった。
「すみませんが、一人でいる時間をいただけますか?」
「え、ええ」
何かを感じたのだろうか?
ラファエルはイーゼルの前に座り、悩み始めた。
(追い出されたような気がするのは、勘違いかしら?)
- ラファエルの天才性
五日後。
ラファエルに十分な悩む時間を与えたと考えたエレナは、再び画室を訪れた。
ドアを開けると、中から彼が飛び出してきた。
「びっくりした。私を待ってたのですか?」
ラファエルはうなずき、一つの絵を見せてくれた。
「ルシアさんのアドバイスを聞いて描いたのですが、少しは良くなりましたか?」
「・・・!」
絵を見たエレナは驚きを隠せなかった。
暗い森に一軒の小屋が描かれていたが、前の森と後ろの古屋の遠近法があまりにも上手に表現されていた。
「作品名は『黒い家』。あなたが指摘した空気遠近法を最大限表現しようと努力しました。少しは成長したでしょうか?」
(・・・これは少し良くなったレベルじゃないわ)
「やはり、まだダメなようですね・・・」
ラファエルは、エレナの沈黙を不十分だと判断し、自己反省をする。
「いいえ。あなたがここまで遠近法を完璧に使うとは思っていませんでした」
元々は彼が発見した技法ではあるが、この短期間で習得するとは予想していなかったのだ。
「ここに、光と影を利用して明暗を生かすと、より立体感が生まれます」
エレナは自分の能力が及ぶ限り、絵に足りない部分を指摘した。
その度にラファエルは深い苦悩に沈み、エレナは邪魔にならないように静かに画室を出た。
それから数日後、再び訪れる。
「以前助言してくださった通り、多角的に立体感を表現しようと努力しようとしましたが大丈夫でしょうか?」
「・・・」
ラファエルの天才性にただ感嘆する。
彼はわずか数日で明暗の表現方法を完璧に確立したのだから。
- 安らぎ
しかし、技術的な完成度が急速に向上したにもかかわらず、ラファエルの絵には表現できない何かが欠けていた。
明らかに非の打ち所がないほど上手に描いた絵。
彼が感じたことを表現しようと努力したのも分かる。
(魂が感じられない)
殻はあるが、中身がないのだ。
作家的意図はあるが、表現の深さが浅い。
かつて評論家が偉そうに騒ぎ立てたその言葉が、今のエレナの心に響いた。
まだ10代後半の青年だからなのだろうか?
宗教や道徳、感情、自然の偉大さ、文化的観点などを考慮して反映するには、まだ内面の深みが足りないようだ。
「依然として、絵に真心が感じられませんか?」
「・・・はい、ごめんなさい」
正直に答えると、ラファエルもうなずいた。
「こちらこそ面目ない。時間を割いて指導してくれているのに、期待に応えることが出来なくて」
淡々としているように見えるが、彼はそうするふりをしているだけ。
エレナには、彼がイライラしているのが分かった。
「自責しないでください。成長には痛みがつきものですよ」
エレナの慰めに、ラファエルがじっと見つめてくる。
「あなたは私より年下なのに、成熟した大人のように感じられます」
「それは年老いて見えるってことですよ、先輩」
エレナにとって、ラファエルは前世で悪感情を持たない唯一の人物。
そして、彼は優しい人だった。
前世でも彼と話をしている時は安らぎを感じたが、それは今も同じ。
しばらく冗談を交わしながら苦痛を和らげている時だった。
ドア越しに廊下からヒール音が聞こえてくる。
「ラファエル、中にいる?」
外から聞こえる女学生の声に驚く。
「私の友達です。彼女はいつも何の知らせもなく来るので。入って」
彼がそう言うと、ドアの隙間から長いストレートの髪の女子生徒が割り込んできた。
「片付けに・・・。あれ?お客さん?」
ラファエルの友人であれば、彼女は先輩。
礼儀正しく挨拶しなければと考えて、椅子から立ち上がる。
「・・・!」
目の前の女性に出くわした瞬間、エレナは呆然とした。
それは驚きを超えて驚愕するほどの衝撃的な再会。
「うん。こちらはルシアちゃん。私のアドバイザー兼メンター」
「メンター?教授にも反抗するお前が言うのだから、凄い女性なんだね」
女子生徒は好奇心に満ちた視線で、エレナに手を差し出す。
「お会いできて嬉しいです。私はセシリアと言います」
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