こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は55話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
55話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 奇妙な組み合わせ
結局、エレナはシアンの催促に反論する間もなく、彼に従って部屋を出た。
案の定、二人が歩く姿に全員の視線が集まる。
「あ、皇太子殿下よ」
「隣にいる女性は誰?」
「初めて見る」
「あの眼鏡何?凄くダサいわね・・・」
エレナが心配してい事は、すぐに現実に。
特に女子生徒の嫉妬は恐ろしい。
(皇后も在学時代、とても苦しんでいたわ)
自分を食い入るように睨みつける女子生徒たちの目つきに苦笑いが出る。
人間て本当にずる賢いと思う。
私がベロニカ公女だと明らかにすれば、彼らは目を合わせることすら出来ないのだから。
彼らは無視すればいいけど、問題はレンだ。
(どうか出会わないように・・・)
「君の紅茶はとても味わい深かった」
「賞賛のお言葉、ありがとうございます」
図書館に向かっていく途中、シアンはエレナの紅茶への賞賛を惜しまなかった。
「それでだが」
「はい、殿下」
「次にまた君の紅茶を飲みたいのだが」
「・・・!」
どう答えていいか分からなかった。
シアンの一言一言、行動一つ一つがエレナの記憶の中の姿をすれ違い、混乱する、
結局、図書館に着くまで、彼の依頼に答えることができなかった。
「それでは殿下、私はこれで」
一刻も早くこの不便な同行を終わらせたくて、エレナが別れを告げようとしていた時だった。
「これはまたどんな組み合わせだ?」
前触れもなく突然入ってくる声を聞いて、エレナの顔色が悪くなる。
そんなまさかという思いを込めて振り返ると、そこには最悪の男が立っていた。
- シアンとレン
レンだった。
「うちの新入生は才能があるね。他でもなく、我々の皇太子殿下に興味を抱かせるなんて」
将来皇位を継ぐシアンの前でする行動ではないが、この狂人はそんなことを考えるような男ではなかった。
恐れていた最悪の状況が現実のものになり、口が乾く。
「こんにちは、レン先輩。またお会いしましたね」
「お前は何だ」
「はい?」
「どうしてお前に会うのに、ここまで苦労する?」
「ええと・・・、学術院が広いから?」
脂汗をかきながら言い訳をするエレナ。
(どうしよう?)
レンだけでも手強いのに、隣にはシアンも一緒。
何とかしてこの状況を乗り切らなければいけないのに、方法が全く見当たらなかった。
「あなたは私が見えないようだね」
「なんとまあ。高慢な殿下も私を見ていないでしょう?さっき講義で見たのですから、ご挨拶を省略しただけです」
「それはあなたが判断することではない」
いつものように無表情のままだったが、シアンの話し方には妙に棘があるように見えた。
「今日に限って特にイライラしているようですね。私が失礼を犯してしまいました。今隣にいる方をようやく見つけて、彼女以外が目に入らなくて」
「知り合いか?」
シアンが頭を向けると、エレナはモジモジしながら答える。
「知らない間柄ではないのですが」
レンの眉がピクッとする。
「当事者を前にしてそう言われると寂しいのですが」
「令嬢に何の用事だ?」
「極めて私用です。私が光を少しあげたのです」
「光?」
シアンの視線が再びエレナに移る。
思い当たるのは、レンが貸してくれたコート。
シアンは私の表情をうかがって、代わりに答えた。
「そんなことはないと思うが」
「・・・!」
まるで自分の弁護でもするかのように。
「ああ、世の中はいつも不条理ですね。お世話になったにもかかわらず、お礼を返さないなんて」
「退け、彼女が困っている」
「殿下、はっきり申し上げますが、彼女と私の間には清算すべきことが残っているのです」
「二度も言わせるな、退け」
(何でここまでするの?)
そもそも、これはエレナとレンの問題。
第3者であるシアンが敢えて割り込む必要などないはずなのに。
感謝はするけど、彼の行動は理解できなかった。
「はいはい、殿下が退くようにとのことですから」
激しい気迫の戦いで、先に尻尾を下ろしたのはレンだった。
「ところがですね、殿下。あなたの選択はあまりいいとは言えないですね」
「私に教えようとしているのかな?」
「そんなはずがありません。ただ、殿下が彼女を守るのは・・・、自分の首を絞めようとしているように見えますから」
その言葉はエレナにとって死刑宣告に他ならなかった。
レンの微笑みは、まるで獲物を狙う猛獣のように凶暴だった。
「新入生、また会おうね。その時は3人じゃなくて2人きりで」
遠ざかるレンの姿を見るエレナの表情が歪んだ。
引き返すには取り返しのつかない状況。
こうなったからには行くところまで行ってみるしかない。
- 変
「大丈夫か?」
心配そうに尋ねるシアンを凝視した。
今、レンよりもっと気になっているのは彼だ。
どうしてここまで自分を助けてくれるか分からない。
(私を心配して?)
けれど、殿下はそんな人ではないはず。
シアンは容易く感情を表に出すような人間ではなかった。
「助けてくれてありがとうございます」
明らかなことは、今日だけはエレナが彼に感謝したということ。
「今は少し落ち着いてきたようだね」
「・・・バレバレでしたか?実は扱いにくい先輩なので」
気まずそうに笑う。
「君は本当に変だね」
「私がですか?」
「初めての出会いでは倒れて」
「それは・・・」
「画室では泣いた」
「・・・」
「今日は虐められているし」
エレナはきまり悪くなってうつむく。
他人から聞いてみると、醜態としか思えなかったから。
シアンはエレナから視線を離さずに淡々と告げる。
「それが気になる私も変なのかな?」
「・・・!」
心臓がヒヤリとする。
目立ちたくないのに、ますます注目されるエレナ。
シアンの考えは読めませんが、前世の経験を迎えている彼女からすれば理解不能ですよね(汗)
レンの興味もエレナに集中していますし、気の休まる場所はラファエルの画室しかありませんね。
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