こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は60話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
60話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- エミリオの勘違い
「どうも私は勘違いをしていたようです」
「何をでしょうか?」
「恩人様はカストル商会の支部を譲り受けとることに負担を感じて躊躇っているようですね。日にちがかかりますが、支部を整理して帝国貨幣である金貨で準備します。その方が恩人様にも良いと思いますので」
「ち、ちょっと待ってください」
エレナは慌てふためいて話を止めた。
支部譲渡書にも驚いたが、支部を売却して金貨にしてくれるという事に言葉が出ない。
さらに驚愕なのは、それが単なる口約束ではなく、彼の本心から湧き出た言葉だということ。
「なぜ私をこんなに困らせるのか、分からないのです」
低くため息を吐く。
好意であることは分かるが、あまりにも度が過ぎて負担になった。
「どうかお願いします。娘に恥ずかしくない父になりたいのです」
エミリオは丁寧に頭を下げた。
彼の全てを譲ろうとする気持ちが込められていた。
エレナも選択肢を迫られる。
「悪いのですが、私はカストル商会の支部も、金貨も貰うつもりはありません」
「ですが・・・」
「それらは私のものではありません。だからといってエミリオさんの本心を無視するのも、私にはできません」
エレナが余地を置くと、エミリオが息を殺して次の言葉を待った。
何十回も考えた末に口を開く。
「同業しましょう」
「今、同業だと仰いましたか?」
驚いたエミリオが再び問い返す。
彼としては少しも予想できなかった発言。
「私が支部を引き受けても、エミリオさんのように上手くやれる自信はないです。私は縛られているし、商才がありませんから。いつか他の商会に影響力を渡して破産するでしょう」
エレナは自分の力量を冷静に判断する。
「金貨は話す価値もありません。まるで娘さんの命を助けるためにお金を請求したように聞こえますから。如何によっては侮辱に聞こえることもあります」
「・・・そこまでは考えていなかったです。申し訳ありません」
エミリオは自分があまりにもやり過ぎたことに気づいて、素早く謝罪した。
- 新たな時代
その様子を見て、エレナは嬉しそうに微笑む。
「いいえ、商人にとってお金は大事ですから」
「すると、同業を提案された理由も?」
「支部であれ、金貨であれ、私には重要ではありません。私に必要なのは人です」
「人・・・」
エミリオは何度も繰り返して言って、言葉を濁した。
「先ほど言いましたよね?私のことを恩人だと」
「はい」
「私の助けになってください。そして、これだけは約束できます」
約束という言葉に、エミリオは頭を上げてじっとエレナを見つめた。
彼が見たエレナは生まれが高貴で孤高の女性。
変装で隠そうとしても、密かに現れる気品と品格がそれを証明した。
そんな彼女が約束を言及する。
約束の重さが違った。
言葉だけの約束ではなく、世の中が崩れて二つになっても守られる約束だろう。
「まもなく新しい時代が到来するでしょう。世の中が覆され、多くのことが新しく始まる時代が」
「・・・」
新しい時代。
一介の商人が口にして理解するにはあまりにも大きな単語。
「私が新しい時代にあなたの席を約束します」
「・・・!」
エレナは口元を綻ばせた。
挑発的で無謀に聞こえる約束だが、彼女の微笑みには自身が溢れていた。
- エミリオとカリフ
「僕は本当に鳥肌が立ったよ」
数日後に会ったカリフが興奮を隠せずに騒いでいた。
それに対してエレナは落ち着いて答える。
「そうなんですか」
「そうなんだって!君のお父さんがどうして人々に尊敬されるのか分かったよ」
カリフは口が酸っぱくなるほどエミリオのことを称賛した。
エレナは年齢と経験が足りないカリフに役立つと判断し、二人の出会いを取り持った。
結果は期待以上。
カリフの情熱と才気にエミリオの老練さと経験が合わさると、考えの幅が広がったようだ。
「でもどうして急に心変わりしたの?お父さんにバレると怒られると言ってたじゃないか」
「あれですか?バレましたよ」
とんでもない言い訳だったが、カリフは何の疑いもなく納得した。
「むしろ褒めてくれました。もちろん、学業を疎かにしないという約束で。そういえば、ランドールさんにはお会いしたのですか?」
「え?ああ、会ったよ。僕は彼を見て自殺衝動を感じたよ」
「それはどういうことですか?」
殺伐とした表現に眉をひそめる。
「世の中に天才がなんでこんなに多いんだ?ってな。君も天才だが、彼はもっと天才だ。自分が惨めに思えてくるよ」
「そりゃそうですよ」
ランドールは歴史の1ページを飾る偉大な建築家なのだから。
「世の中は本当に広いな。学術院は井戸の中だった。彼が見せてくれた工法と設計図を見ただけでも戦慄が走ったよ」
「分かります」
「彼がLに心から感謝していた。Lがいるからこそ自分が建築に集中できるようになったと。これからもよろしくとの事だ」
エレナの介入がきっかけで、二人の仲が元の歴史よりも深まることを期待した。
「こちらこそ、ありがとうございました。私たちを選んでくれて。決して失望させることはないはずです」
「彼は言ってたよ。Lを信じるって。天才たちは性格もいいのか?君以外は」
「随分親しくなったのですね」
「飲み友達さ」
「最高の友達ができたのですね」
エレナはなんでも知っているように笑った。
二人の友情にはいつも酒が混じっていたから。
「先輩、お父さんとはいつ会うのですか?」
「明日だけど、どうして?」
「首都に建物を建てられそうな場所を調べてもらおうと思って」
「浮気か?」
「浮気だなんて、私は不器用なんです」
「じゃあ、なぜ急に土地を調べるんだ?地価も高いし」
「そこにサロンを建てるんです」
「サロン?それ何?」
「男女と身分の壁を排除した討論場です。文化と知性の産室であり、社交の場であると同時に文人、著述家、芸術家、思想家の発表に場でもあると同時に展示場でもあります」
「・・・!」
エレナは帝国の首都にとって最初であり、最大の、そして最高のサロンを開く計画を考えていた。
今回のエレナの選択は、今後の行動に大きく影響するでしょう。
エミリオのおかげで、これまで触れることのできなかった事業にも挑戦できるのでは?
そして、エレナの計画が本格的に始動しましたね♪
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