影の皇妃

影の皇妃【67話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は67をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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67話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • シアンとセシリア

「殿下がなぜここに?」

自分に会いに来たのでは、という思いがよぎるが、画室の中から聞こえてくるもう一つの声で、そんな思いは一瞬で消え去った。

「私は答えました。殿下が私の答えを無視しただけです」

(皇后)

この穏やかな声はセシリアだった。

画室の中で2人が会話している。

対話の内容からして、ラファエルは席を外しているようだ。

 



 

  • セシリアの本心

「それが君の答えか」

「はい」

立ち聞きするのは礼儀に反しているように思えて、背を向けようとした時だった。

「本当にあなたは皇太子妃の座を嫌っているのか?」

「・・・!」

シアンの口から流れ出た「皇太子妃」という言葉に驚くのも束の間、エレナの表情が暗くなる。

(過去の人生でも、今も殿下は皇后だけを望んでいる)

シアンは中立であるリンドン伯爵の娘であるセシリアと婚姻することを願っていた。

政治的に見て、セシリアは唯一無二の皇太子妃に違いない。

苦々しい気分になる。

頭では理解していても心臓はそうではない。

皇妃でありながらも温情のこもった視線を一度も受けたことがなかったから。

「・・・出来るなら最後まで嫌がりたいです。しかし、意味がないでしょう。私の意志は重要ではないから」

複雑に言葉を繋いでいたセシリアの言葉は力が抜けていた。

帝国は女性の人権が高いとはいえ、いまだに貴族の女性は政略的な道具として利用されることが多いから。

彼女の父親のパウル伯爵とシアンが合意すれば、セシリアの意志は完全に無視されるだろう。

「あなたは皇太子妃になりたくないのか?」

「知ってますか、殿下?」

聞き返すセシリアの声には悲しみがこもっている。

「殿下は最初から今まで皇太子妃の席だけを勧めてきたという事を。一度も・・・、一瞬も・・・、私は望んでいなかった」

「・・・」

「私はそんな人形になって生きたくありません」

言葉を濁すセシリアの声に、エレナの表情が強ばる。

(人形ですって?)

政略的な婚姻だったが、シアンはセシリアをとても惜しんでいた。

エレナに一度もあげなかった愛情を与えていると思っていた。

けれど、彼女の言葉を考えると、セシリアもエレナと同じだったという意味ではないか。

いいや、自ら皇妃となったエレナに比べると、もっと悲惨かもしれないという残念な気持ちさえある。

「知らなかった。私があなたをそれほど苦しめていたとは・・・」

シアンは高低感のない声で淡々と考えた。

「約束しよう。今日からもうあなたに皇太子妃の座を進めないと」

「殿下」

「リンドン伯爵を通した政略結婚も撤回しよう。皇室の名誉をかけて約束する」

「・・・!」

 



 

  • シアンの気持ち

エレナは耳を疑った。

(なぜ?どうして?殿下に彼女は必ず必要な存在なのに・・・)

貴族派を牽引しようとするシアンに、セシリアは最も適している皇太子妃だ。

大公家や4大家門を防ぐためにも政略結婚は必須のはず。

(誰か説明して、なぜ未来が歪んでしまったのかを)

皇太子に生まれたシアンにとって大義と皇室は常に最優先だった。

そんな彼の行動が分からず、不安でさえあった。

エレナの心臓の鼓動が収まらない。

「・・・本気なんですよね?本当にその言葉を信じてもいいのですか?」

セシリアもやはりシアンの行動を信じられていないのだろう。

「ああ」

「ありがとう、殿下。本当にありがとうございます」

彼女は喜びに満ちた声で何度もお礼を言っていた。

短い沈黙を破ったのは、扉が開く音だった。

「君は?」

「・・・!」

エレナはシアンと正面から直面してしまう。

他人の会話を盗み聞きするだけでは足りず、それに引っかかったという事実が恥ずかしかった。

「・・・申し訳ありません」

急に頭を下げたエレナはシアンを見ることができなかった。

彼女より当惑に染まって困っている様子を。

恥部がバレて途方に暮れる態度は、エレナが前世と現世を合わせても一度も見たことのない姿だった。

シアンはエレナに向き合う自信がなかったのか、そのまま通り過ぎてしまう。

「あ」

一瞬エレナは心臓がドキッとして胸に手を当てた。

無視するように去ってしまうシアンの姿に昔の姿が重なる。

傷跡として残っていたあの時の記憶が刺々しくなって突き刺さる。

(痛がらないで。私が間違っていたのだから)

知っていた。

盗み聞きをするのは礼法に反する行動だということを。

許されない過ちだということも。

けれど、それ以前にシアンのあんな姿を見るのがとても痛くて耐えられなかった。

今まで偶然の出会いでシアンの優しい態度に慣れていて、しばらく傷を忘れていた。

彼と自分は悪縁なのに。

「・・・」

エレナは遠ざかるシアンの姿をずっと見つめていた。

 



 

シアンはセシリアのことが好きだから声をかけていたのではないのですね。

皇室の未来のために・・・。

セシリアもそれに気づいていたから避けていたのが分かりました。

シアンはなぜ了承したのか気になるところです。

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