ジャンル、変えさせて頂きます!

ジャンル、変えさせて頂きます!【129話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。

今回は129をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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129話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • ドレス選び

私は慌てて弁明した。

「わ、私もリューディガーさんの体格ぐらいは考えますよ。ちょっとでもおかしな服は選びませんから・・・!」

「私の体格の問題じゃありません!」

リューディガーは突然声を荒げた。

その顔は赤く染まっていた。

「ユディットさんご自身が、もうそれだけで私には過分なんです。ユディットさんがどんな服を着ようと、ユディットさんの品格が損なわれることなどありえません。ただ・・・ただユディットさんが少しでも似合う服を着ていただけたらと・・・それは単なる私の欲望でした。申し訳ありません。」

リューディガーはぎこちなく頭をかきながらため息をついた。

そんなリューディガーの心中を少し理解した気がする。

(好きな俳優がウエストドレスを着ていたら、なんだか嫉妬するような感じじゃないか?)

その例えに納得してしまった。

自分もウエストドレスか何かを無難に着て出かけるようなものだ。

でも考えてみると、そういう似たような感情を自分も持ったことがあった。

リューディガーが極秘任務用の作業服で現れた時だ。

それもかなり似合っていて色気すら感じたものの、何だか自分の中で違和感があった。

やっぱり、リューディガーに最も似合うのは軍服だ。

私はそんなリューディガーの心配を解消しようと、きっぱりと言った。

「心配しないでください。ドレスを選ぶ時はローラも一緒に来てもらいますから。それに、公爵夫人様も選ぶのを手伝うっておっしゃってましたよ。あ、それと王妃様も。」

リューディガーの瞳が一瞬だけ輝きを見せた。

何か問題でもあるのか?

「ふむ・・・それなら安心です。」

しかし、私が見間違えたようだ。

リューディガーはため息をつきながら、少し悲しげな表情で俯いた。

その姿はまるで前に進む決意を持とうとしているようだった。

戦いの最中、切に願っていた支援軍の知らせを聞くことができたような。

 



 

そうして話が終わり、ドレスを選ぶ日がやってきた。

予定通りソフィアとマリナが一緒に座に加わった。

そして・・・。

「お偉い方々が絶対に出席しなければならない、だなんて。視線を注ぐ目は一つでも多くないといけないってわけかしら。」

「公爵夫人や御母様、姉上まで。それなら軍人までは必要ないように思えるけど。」

「・・・」

予定になかったビクトリアとジョセフィンも合流した。

まあ、それくらいはリューディガーの心配として流しておけばよいだろう。

ただ・・・。

私は部屋の一角に座って幼児のように紅茶を飲んでいるルカをじっと見つめた。

「ルカ、あなたまたどうしてここにいるの? 新婦のドレスは、新郎だけじゃなくて新婦の家族にしても、男性には秘密にするのがルールなのよ。」

それが違うのなら、真っ先に現れたのはきっと国王陛下だろう。

「僕が男性だって? 10歳の子供じゃないか。ただの子供だと思えばいいだろう。」

普段は大人っぽく振る舞えと言っておきながら、こういう時には無邪気に振る舞うなんて・・・!

「それで、なぜ急に気が変わったの? 面倒くさいのは嫌だって?」

「叔父さんが送ったんだ。」

「え?」

「頭数が多ければ船が山に登ることもできるって。」

「・・・」

「万が一の万が一の万が一に備えるための安全策だと思えばいいさ。」

ルカはそう言いながら肩をすくめる。

いやいや、私のドレスを選ぶのに王室の人間4人と公爵夫人まで必要なの?

これだけ多くの人が必要な理由が分からず、私はため息をついて肩をすくめた。

 



 

しかし、リューディガーの提案は意外とまともだった。

「ユディットは首が長くて優雅だから、首元までレースの付いたデザインがいいと思う。」

「違いますよ。むしろ首を強調して、豪華なネックレスで飾るべきじゃないですか?」

「花嫁ドレスに過剰な宝石は似合わないでしょう。」

「それは女王陛下の趣味ですよね。」

マリナとソフィアがだんだん声を荒げ、突然お互いに対立し始めた。

ビクトリアとジョセフィンは慌てて二人をなだめている。

二人がいることでその場の雰囲気が和らいだものの、自分がその間に挟まれていると考えるだけで背筋が凍った。

(まさかリューディガーはこうなることを予想していたわけじゃないでしょうね・・・)

片方は王家の重鎮の一人であるマリナ王女、もう片方はセドガーで名高いヴィンターバルト公爵夫人。

二つの勢力の間で困難な状況に陥るのは、財団の運営者も同じだった。

首都、いやランバートでも財団のトップである以上、こうした軋轢は避けられないものだったが、相手もまた手強かった。

私が「これだ」と断言して選べばいいだけなのに、と思わずため息が漏れてしまう。

さすがに自分が花嫁当人となると、どちらか一方の意見を支持するのが難しいものだ。

(これだ!と決められるデザインがあれば、それを選べばいいのに・・・問題は、自分も優柔不断だということよね)

そう悩んでいた時、ルカが口を開いた。

「えっと、首までレースが覆われているのもいいし、華やかなネックレスも素敵です。どっちかを諦める必要はないじゃないですか。」

「でも、レースにネックレスだなんて、さすがに・・・」

「ネックレスの素材を金属じゃなくて、白いシルクにしたらどうですか?」

「チョーカー風に?」

「ええ。それにペンダントを飾りとしてつければ、素敵じゃないですか?」

ルカの意見は斬新だった。

10歳の少年が女性用ドレスについてここまで自分の意見を述べるのは珍しいことで、そんなルカの発言を聞いていた財団関係者の目が驚きで大きく見開かれる。

ルカの発言を黙って聞いていたマリナとソフィアが、ついに口を開いた。

「ふむ・・・悪くない案だと思うわ。」

「でも、ユディットならどちらのスタイルでも似合うでしょうね。」

ふう、と安心の妥協点が見つかった。

安全策といえるだろうが、ルカは立派に仲裁役を果たしていた。

ルカは、もし自分がいなかったらどうなっていただろう、というような顔で微笑んでいる。

その姿に、ただただ感謝の念しか湧かなかったが、そんな感動に浸っている暇もなく、マリナが不意に口を開いた。

「ドレスの裾はやっぱり、魚の尾のように長く伸びたほうがいいわね。」

「何を言っているんです?上品に膨らんだ裾のほうが断然美しいに決まっているじゃないですか。」

ああ、やれやれ・・・第2ラウンドの幕開けだ。

私はため息をつきつつも、せめて色が白で統一されていることだけでも幸運だと思った。

 



 

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