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102話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は102をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

各話リンク こんにちは、ピッコです。 ネタバレありの紹介となっております。 ...

 




 

102話

101話 こんにちは、ピッコです。 今回は101話をまとめました。 ネタバ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 遭難

騎士たちが背後に矢を放ち、飛びかかってくる小人たちを射止めた。

「奥様!前をご覧ください!障害物が多いです」

ガロウが大声で注意を与える。

マックは首を回してレムを密生した。

耳元にぶんぶんと不気味な耳鳴りがした。

遅れないように焦って馬に拍車をかけると、突然木の上から何かが落ちてきた。

息があまりにも切れて悲鳴も出てこない。

マックは手綱をぎゅっと握る。

レムは頭にくっついたゴブリンを振り払うために前足を高く上げて乱暴に走り回った。

彼女は必死にレムの首にしがみつく。

ゴブリンが変な音を立ててレムの頭に乱暴にしがみつくと、馬はほとんど狂乱状態に置かれた。

雌馬が狂ったように暴れ回って、方向を変えて山の下に走っていく。

何とか落ち着かせようと手綱を引っ張ったが無駄だった。

ゴブリンが落ちないように、レムの首にしつこく腕を巻きつけながら歯を立てる。

それを見た瞬間、マックは考えるまでもなく、魔物の真っ黒な顔の上に拳ほどの花火を作り出した。

ゴブリンは大声を出して馬の頭から落ちる。

その上でレムは前足を持ち上げて無慈悲な報復を加えた。

バランスの取れた馬の優雅な前足がゴブリンの大きな頭を容赦なく踏みにじった。

マックはぎゅっと目を閉じる。

しばらくの間、足を踏み嗚らしながらゴブリンの死体を踏みにじっていたレムが、やがて疲れたように頭を垂らした。

彼女は馬の背中にしがみつき、涙を流す。

まるで嵐に巻き込まれたかのように気が気でなかった。

 



 

やっと気がついて周りを見回すと、四方が死んだように静かだった。

一体ここがどこかも分からなかった。

走っていくレムの速度がどれほと速かったのか、あっという間に一行と離れてしまったようだ。

彼女はしばらく息を殺して、騎士たちが自分を見つけるのを待つ。

しかし、しばらく待っても周囲はしんと静まり返っている。

マックはいらいらして唇をかみしめながら首をひっきりなしにきょろきょろと見回した。

レムも不安そうに青々として、怒りっぽく後ずさりしている。

「一体どこまで来たんだろう・・・?」

すぐにでも騎士たちが駆けつけるのではないかと期待しながら暗い山奥を覗き込むと、肩越しに木の葉がかさかさする音が聞こえてきた。

マックはびっくり仰天しながら、くるりと首をかしげる。

何かが素早く茂みの間から身を隠しているのが見えた。

全身に鳥肌が立る。

手綱を握りしめ、冷や汗をかいていたマックは、すぐに馬に拍車をかけた。

すると茂み中に隠れて見守っていた魔物が矢のように飛び出した。

ゴブリンだ。

棒を持って獣のように走ってくる怪物を避けて、マックは濡れた力まで振り絞って馬を走らせる。

レムは長い脚ででこぼこした木の根の上を巧みに走り抜けた。

幸いにも追いかけてきたゴブリンは、木の根につまずいて、そのままバランスを崩して山の下に転げ落ちる。

マックはゴブリンがこれ以上追いかけてこないことを肩越しに数十回確認しても続けて言葉をせき立てた。

木の裏や岩の向こうに怪物たちが隠れて自分を飲み込む機会だけを狙っているようだ。

何かに追われるように走りをしばらく、レムが疲れたように木の間にどっかりと座る。

マックは息を切らしながらあたりを見回して、よろよろと鞍から降りてきた。

心臓が裂けそうにドンドンと音を立て、神経はすぐにでも切れるように張り詰めた。

「どうしよう・・・?」

マックはまぶたに染み込む汗を拭い、暗く沈んだ目で木と茂みがびっしりと生い茂った山奥を見回した。

どの方向から走ってきたのかも、だんだん混乱してきた。

彼女は唇をかんだ。

どっと、泣き出しそうだった。

騎士たちが自分を見つけ出せなかったらどうなるのだろう。

魔物たちがいるこの山の中で一人で夜を明かさなければならないのか?

盤龍の死体を食べていたハーピーの姿が頭の中に浮び上がると、自ずと身震いがした。

マックは恐怖に襲われ、ひざに顔をうずめ、すすり泣きをした。

自分があの格好になるかも知れないと思うと、全身の血が凍りつくようだった。

リプタンが城外に出ることになぜそんなに激しく反対したのか、分かる気がした。

世界は彼女が想像していた以上に恐ろしく険しい場所だ。

「こうしている場合じゃない・・・」

マックは感情の高まりを抑えようとした。

こうやって座り込んで涙を流していも、状況は好転しない。

彼女はこぶしで涙をぬぐい、もう一度注意深くあたりを見回す。

右側には急な山の斜面が見え、高くそびえる岩の横には木々がびっしりと並んだ緩やかな上り坂が続いていた。

遠征隊は西北に移動中だ。

しかし、道が渋滞したため、東北方向に回って山を越えると言ったのだから、同じ方向に移動すれば、騎士たちと再び会えるのではないか。

いや、会えなくても行かなければならなかった。

マックは青々とした葉の間から白い空を見上げ、その場から立ち上がってレムを起こす。

もし騎士たちが自分を見つけ出せなければ、彼女はこの山に孤立したまま夜を明かすようになる。

一人でも山を越えなければならなかった。

「この山の向こうに村があると言ったじゃないか。そこに着いたらみんなと会えるよ」

方向が多少ずれてもひとまず頂上に逹すると下がはっきりと見下ろせるので、難なく村を捜し出すことができるだろう。

一旦そう決心したら、心が一層落ち着いた。

マックは太陽を見てほんやりと方向を定めた後、レムを慰めて再び山に登り始める。

自分の体のどこにこのような力が残っているのか、自らも驚くほどだった。

足の裏からはもう何の感覚も感じなく、足の裏には筋肉は木片のようにこわばって痙攣を
起こしたが、彼女は休まず歩き続けた。

いつまたゴブリンたちが追いかけてくるか分からないことだ。

彼女は何度も後ろを振り向いたが、すぐにその力ももったいないので意識的に前だけを見て足を運ぶ。

 



 

そのようにレムを率いてびっしりとした木の間を歩いていくのをしばらく、突然視界が開けて、目の前に緩やかな坂道が広がった。

マックはもう頂上に着いたのだろうか、と戸惑った顔で首を横に振る。

緩やかな曲線を成した草むらの周りを太い一抱えの木が垣根のように取り囲んでおり、左右には山峰が高くそびえていた

それでも尾根に着いたらしい。

彼女は空を見上げながら方向を見計らって、レムに草でも取らせるのを兼ねてしばらく地面の上に座り込んだ。

レムがまともに休息を取れるように背中から鞍を下ろしたかったが、指一本動かす気力も残っていなかった。

両足を伸ばして座り、乱れた息を整えていた.マックは、少しでもレムの体を軽くするつもりで、鞍から荷物を引きずり下ろす。

レムは頭を振り、大きな音を立て、長い草をむしり始めた。

彼女はその横にしゃがんで鞄の中から残りのジャガイモとジャーキーを取り出す。

疲れすぎて何の空腹も感じられなかったが、少しでも元気を回復するためには何かを食べておくべきだった。

マックは緊張で固く締まった胃に無理やり食べ物を詰め込み、作るように葉っばと根を取り出して噛み締める。

約15分ほど休憩を取ると、少しでも気力が戻ってきた。

彼女は残りの力を集め、再びレムを率いて山の中を歩く。

一歩一歩踏み出すたびに太ももがナイフでうずくようにずきずきし、背中がうずくまったが、日が暮れる前にこの山を離れることができれば、筋肉痛ぐらいはいくらでも耐えることができた。

「山の谷間を通ったから、もう西北に・・・」

蒼白に曇った空を見上げながら方向を確認すると、どこからかかすかな水の音が聞こえてきた。

彼女は音がした方に向きを変える。

しばらく歩いていくと、まっすぐ伸びた木の間に小さな滝の水が姿を現した。

マックは冷たい水で熱い顔を洗うことを考え、足から感じられる痛みも無視してひょこひょこと岩の間を駆け下りる。

レムにも冷たい水を思う存分飲ませてあげるつもりだった。

彼女はレムを平らな場所に引きずり、岩の上にしゃがんで髪の毛や服が濡れることも気にせず、派手に顔を洗った。

レムも渓谷の水に顔を突っ込んであたふたと水を飲んだ。

炭のように燃え上がる雪の塊に届く澄んだ水の感触は爽やかだった。

彼女は汗まみれの首筋を谷の水でぬぐい、悦惚となる。

気持ちとしては、汗まみれの全身をそのままどぶんと水の中に浸してしまいたかった。

「・・・のんびりお風呂に入っている場合じゃない」

マックは必死にその切実な衝動を抑え、無理やり起き上がらせた。

残念そうに投棄をするレムをなだめ、再び旅立とうとしたが、ふと水の中に半分ほど身を浸してじっと自分を見つめる白馬が視野に入ってくる。

こんな山の中になぜいるのだろうか。

マックは躊躇いながらあたりを見回した。

もし近くに馬の飼い主がいないかしばらく調べたが、四方が静かだった。

野生馬か、とまた首をかしげると、いつの間にか馬が目の前まで近づいていた。

彼女は驚いて肩をすくめる。

野生の馬は彼女を脅すつもりがないかのように鼻をくんくんさせながら親しみを込めて彼女に頭を突きつけた。

マックはためらいながら青い光が漂う銀色のたてがみを撫でてみた。

野生の馬が気持ちよさそうに鼻を青々と鳴らす。

その愛嬌に彼女は警戒心を緩め、両手で野生馬の顔をなでた。

幻想の中でしか見られないような美しい馬の真っ白な毛はベルベットのようにつやが出て、伸びた前足は完璧なバランスを保っていた。

その優雅極まりない姿を感嘆した視線で見下ろすと、ふと何か変なことが目に入った。

彼女は当惑した顔で瞬きをする。

水中に浸った馬の尻の間からうろこに包まれた長い尻尾がゆらゆら揺れていたのだ。

 



 

まさかの遭難!

マックもパニックにならないだけ凄いと思います。

リフタンも動揺しているのではないでしょうか?

湖で出会った白馬は本当に危険ではない?

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