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外伝19話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は19をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

各話リンク こんにちは、ピッコです。 ネタバレありの紹介となっております。 ...

 




 

19話

外伝18話 こんにちは、ピッコです。 今回は18話をまとめました。 ネタバレ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 災厄の予兆

レムドラゴン騎士団は、新しい巣にうまく適応していった。

彼らは工事現場の近くを巡察しながら魔物を討伐する仕事を引き受け、リプタンは300人余りに逹する騎士たちに封緑を与える問題を解決するためにしばらく領地運営にしがみつかなければならなかった。

そして、領地から出る税収では運営費を到底賄えないという結論が出ると、南部の領主たちに依頼を受け、魔物を討伐して金を稼いだ。

事実上、傭兵同然のことだったが、騎士たちは気にしなかった。

だけどいつまでもそのようなやり方で領地と騎士団を運営することはできなかった。

リプタンは机の前に座り、アナトールの税収を増やす方法を考え始める。

そのように領主としての職務に没頭していた時、王室から伝言が舞い込んだ。

「何と書いてあるから、傲慢な顔をしているんですか?また出征命令ですか?」

王の書簡を持ってしばらく黙って座っている彼を見て、ルースが気になるように尋ねてきた。

リプタンはため息をついて彼に手紙を渡す。

それに目を通していたルースは真剣に眉をひそめた。

「長く話し合うことだなんて・・・、今度はまたどうしたんでしょうか?」

リプタンは額をこすりながら首を小さく振る。

「見当がつかないね」

彼は席から立ち上がり、鳥籠の前まで歩いた。

そうして首都へ行く道を覚えている鳩を選び、止まり木の上に置く。

その姿を見たルースは顔をしかめた。

「まさか応じようとしているのではないでしょうね?」

「私は王の奉神だ。名分なしには彼の命令に逆らうことはできない」

もっともな言葉にルースが頭をかきむしる。

「ルーベン王も酷くないですか?数百人の封神騎士を従えていながら、なぜ何度もカリプスさん頼みなのですか!」

「今度ドラキウム宮殿に行ったら、ぜひ聞いてみよう」

リプタンは誠意のない返事をし、手のひらほどの大きさの羊皮紙を一枚取り出して、出発日と予想される到着時間を書いて小さく丸めて手紙箱に入れた。

ルースに説明はしなかったが、王の書簡には問題の緊急性を意味するいくつかの暗号が書かれていたのだ。

外部に知られてはならない深刻な問題が生じたに違いない。

「それで工事監督はどうするつもりですか?また私に押し付けるつもりですか?」

リプタンは何の返事もせず、鳩の足に手紙箱をしっかりと結びながら窓の前に歩いて行く。

すると、ルースが急いで駆けつけて前に立ちはだかった。

「だめです!行かせません!」

ルースは両腕を大きく広げて勇ましく叫んだ。

リプタンは絶対に退かないというように決然とした顔をしたルースをじっと見下ろして、彼が遮っている窓の横の窓に歩いて行き、鳩を飛ばした。

ルースは悲鳴を上げた。

リプタンはその姿に妙な痛快さを感じながら口を開く。

「甘い汁ばかり吸って生きるわけにはいかない。そうじゃない?」

ルースが北に向かって力強く飛んでいく白い鳩を唖然とした目で見上げ、肩をすくめた。

自分も城を空けたくて空けるわけでもない。

彼はすぐに執事を呼んで荷造りをさせた後、騎士団に王の呼び出しを知らせた。

そして、議論の末、ロンバルドとエリオット・カロンの2人を連れて、できるだけ密かにアナトールを離れることに決めた。

何のために自分を呼び出すのかは分からなかったが、騎士たちを率いて王の緊急な呼び声を受けたとウェデン全域に噂を広める必要もない。

「何か問題が起こったら、すぐに伝令を出してください」

翌朝、見送りに出てきたウスリン・リカイドが深刻な顔で言った。

それだけでなく、他の運転手たちも一様に心配そうな顔をしている。

「こんな時期に団長を呼び出していることから、重大なことが起こったに違いありません。おそらく、陛下は首都の外で自由に通えるような騎士を必要とされているのでしょう」

ウスリンは真剣に付け加えた。

「それも非常に優れた騎士を」

リプタンは馬の鞍の上に座り、王が急いで必要とするいくつかのことを思い出した。

普通の騎士たちに簡単に命令できない汚いこと・・・。

例えば、高位貴族の裏調査をして弱点を暴くことや暗殺のような粗末なこと以外には思い浮かぶことがなかった。

彼は冷笑をこらえながら城門に向かって馬の首を向ける。

「状況を見て連絡するようにしよう。その間、アナトールをよろしく頼む」

「こちらはご心配なさらないでください」

彼はロンバルドとエリオット・カロンと共に騎士団を後にして城を出た。

 



 

村を過ぎて黄金色に染まった野原を横切ると、落ち葉で覆われた赤い山の谷間が目の前に広がる。

リプタンは魔物の襲撃に注意を払い、速いスピードで山を越えた。

道を急いだにもかかわらず、5回もウェアウルフの襲撃を受けたため、アナトリウムを抜け出すのに2日もかかった。

彼らは平原を通ってロベルン伯爵領に入り一夜を過ごした後、丸10日間馬に乗って北に移動した。

それまで何度も魔物たちの襲撃を受けたため、首都に到着した時はほとんど浮浪者同然になっていた。

入宮するにはあまりにも悪い様子だったが、リプタンは遅滞なく、まっすぐドラキウム宮殿に向かう。

門番に身分札を見せて城門を通過すると、侍従の一人が庭の外に飛び出して彼らを迎えてくれた。

「予想より早く来られたんですね」

リプタンは馬から飛び降り、雨でびしょぬれになったフードの下に彼を見下ろした。

明け方から降り始めた暴雨が、使用人たちの小さな肩の上に降り注いでいる。

「私についてきてください。陛下がお待ちしております」

侍従は彼らを本城ではなく東の狩場近くに位置する支城に案内した。

リプタンは彼の後を追って眉をひそめる。

普通、王と接見する前に身なりを整える時間を与えるものだ。

一体何のためにこんなに急いでいるのだろうか。

そろそろ本気で心配になってきた。

「部屋の中にはカリプス卿だけが入ることができます。他のお二人様はお休みいただけるよう、他の部屋へご案内いたします」

しばらく黙って階段を上っていた男が3階の廊下の端に位置した部屋のドアの前で立ち止まって口を開く。

リプタンは騎士たちに軽く視線を送り、部屋に入った。

すると、暖かい熱気が雨水に冷たく冷めた顔を優しく包んできた。

リプタンは戸口に立ち、ゆっくりと部屋を見回す。

ルーベン王は暖炉の前に座って、ゆっくりと本を読んでいた。

いつにも増して安らかに見える姿に、リプタンは目を細める。

人を急に催促した割には、あまりにも悠々自適な姿ではないか。

「まるで雨に降られた野良犬のようだな、カリプス」

彼が本を2ページもめくった後、ゆっくりと頭を上げた。

リプタンは彼の前に水をぽたぽたと落とし、近づいていく。

「陛下が電報を受け取り次第、駆けつけるようにとおっしゃったじゃないですか。命令通り、このように風雨を突き抜けて走ってきました」

「君の忠誠心に感謝を表したいね」

王が皮肉を言うように吐き出し、向かい側に置かれた椅子に向かって頭を振った。

「まずローブを脱いで席に座ろう。早く体を温めたほうがいいね」

リプタンは壁に掛けられたローブを脱いで椅子に座る。

すると、壁に影のように寄りかかっていた侍従の一人が酒瓶を持ってきて、ワインを一杯注いだ。

リプタンはそれをちらつかせるだけで、口にすることはなかった。

薬を混ぜた時、匂いで区別しにくい飲み物はできるだけ口にしないのが宮殿での鉄則だ。

「焦らさないでおっしゃってください。何のご用件でお呼びになったのですか?」

「せっかちな性質は相変わらずだね」

ルーベン王が椅子の背もたれに斜めに体をもたせ、目元にしわを寄せた。

怒るべきなのか、笑うべきなのか、見当がつかない表情。

結局、笑って済ますことに決めたのか、彼が口角をひねりながら侍従に退けという手振りをして見せた。

「いいよ。前置きが長いのは私もあまり好きじゃないから、すぐ本題に入ろう」

侍従が酒瓶と果物の入ったお盆をテーブルの上に置いて出て行くと、彼は再び口を開いた。

「数ヶ月前にオシリアで七国協定会議が開かれた。儀礼的な行事だったが、今回だけは非常に深刻な話が交わされた」

リプタンは真剣な表情で次の言葉を待つ。

杯を持って唇を潤したルーベン王が落ち着いた声で話を続ける。

「大臣達の報告によると、これから数年中にレクソス山脈の魔王が目覚める可能性が高いそうだね」

リプタンはその言葉の意味をすぐに理解できず、眉をひそめた。

しばらくしてようやく背中の幹が凍りつくような寒気が襲ってくる。

「レッドドラゴンが目覚めるということですか?」

「正確には目覚めている最中というべきだろう」

王が淡々とした口調で訂正し、直接酒瓶を手に取り、杯を満たした。

「君も知っているように、レクソス山脈は長い間ドラゴンの領地だった。数百年間、誰もあの魔物が結界を突き抜けて火の山に足を踏み入れることができなかった。でも数ヶ月前からレクソス山脈の近くで異常現象が起き始めたそうだ」

「異常現象とは・・・」

「山から魔物たちが降りてきて、人家を襲撃し始めたというのだ。これは結界の中の生態系に変化が生じたということを意味する。それだけじゃない。山脈を囲む結界のあちこちにひびが入ったそうだ。神官たちの話によると、すべてドラゴンが目覚める前に起きる兆候だそうだよ」

王の声はさらに低く陰鬱になる。

「これから数年以内にセクトが活動期に入ると思う。その前に対策を講じなければならない」

リプタンは顔色を曇らせた。

実際にドラゴンを見たことはなかったが、記録だけ見ても、どれだけ恐ろしい魔物なのか十分に見当がつく.

無限に近い寿命と魔力を持つ巨大な魔物が世界中に向かってブレスを噴き出す光景を思い出すだけでも背筋がぞっとした。

 



 

「その事実を知らせるために私を呼んだんですか?」

リフタンの顔から感じられる緊張感を読んだのか、王が軽く片手を振る。

「君に今すぐレッドドラゴンを討伐してくるように言うつもりはないから安心して。私はただ南東部地域の地理に明るく、魔物に関して誰よりも淡泊で、口が重い人が必要だっただけだ。討伐除を作る前にラグソース山脈の情報を集めてくれる調査員が必要でね。ウェデンで君ほど魔物討伐の経験が豊富な騎士は見当たらないのではないか。それに王室の騎士団を動かすと、世間の注目を集める危険性が高い」

王は髭がもじゃもじゃした顎をこすりながら深刻な表情をした。

「今すぐドラゴンが目覚めたという噂が広がれば、ものすごい混乱を招くだろう。討伐隊が構成されるまでは、できれば秘密にしたい。君が内密に情報を集めてくれるか」

リプタンは雨水にまみれたカーペットを物思いにふけった顔で見下ろし、ゆっくりとうなずいた。

「討伐はいつから始めるつもりですか」

「少なくとも半年以内には遠征隊を派遣しなければならない。これから2、3年でセクトーの魔力が完全に回復するだろう。その前にレアを見つけてドラゴンを無くさなければならない」

レクソス山脈は、約200年近く人間の足が触れたことのない未知の空間。

ドラゴンが打った結界が山脈全体を幾重にも取り囲んでおり、その中にはあらゆる凶暴な魔物が生息していた。

結界を突き抜けて魔物を討伐することからが普通のことではないだろう。

「兵力はどれくらい集まると思いますか?」

「およそ3万人。アーマ・ウェデン、ドリスタンから最も多くの討伐隊を派遣することになるだろう」

ルーベン王はゆっくりと席を立ち、窓の前を歩く。

しばらく雨水が飛び散る灰色の窓ガラスを静かに眺めていた王が、体を回して宣言した。

「私は今度の討伐隊の指揮をクロイソ公爵に任せるつもりだ」

とんでもない発言にリプタンは目を大きく開ける。

宝石がずらりとちりはめられた細い装飾用の剣を身に着けていた公爵の姿が思い浮かぶと、自ずとそら笑いが流れた。

「素直に応じないでしょう」

「彼の影響力を無視しているわけではないが、それでも彼は私の奉神だ。私の命令を公に当然に逆らうためには適当な理由が必要だ」

王が手に持った杯をぐるぐる回しながら暴悪な笑みを浮かべる。

「しかし、今回だけは名分を見つけることができないだろう。レクソス山脈は公爵領と隣接している。あの土地の統治権を主張しながら、守護の義務を疎かにすることはできない。もしクロイソ公爵が派遣命令を拒否すれば、多くの貴族が彼をからかうだろう。ドリスタンとの領土紛争でも不利な立場に置かれることになるだろうしね」

「・・・家門の名誉か生命か。二者択ーを迫るつもりですか」

「彼は命を選ぶだろう」

ルーベンは自信満々に言った。

「私は彼をよく知っている。彼は家門の名誉を何よりも重要視するが、自分の命より優先視するものではない。ドリスタンを牽制しなければならない立場だから、軍を派遣することも容易ではないだろう」

王の口元に陰険な笑みが漂っていた。

「結局、クロイソ公爵は私の慈悲にすがるしかないだろう。たとえ他の方法を見つけたとしても、私としては損することはない。あの男が窮地から抜け出すためにもがくのを見ればいいのではないか」

「公爵をそこまで不満に思っているとは知りませんでした」

「クロイソが持ってきて捧げる黄金には、何の遺憾もないね。しかし、彼が起こすうんざりする紛争には遺憾が多い」

彼は再び椅子に座り、長いため息をついた。

「公爵の好戦的な態度のために、ドリスタンと全面戦争になるところだったのが、今年でもう3度目だ。公爵の力を少し減らす必要があるんだよ。私は今回の機会を最大限よく活用して、彼を手なずけてみるつもりだ」

リプタンは冷笑を堪える。

世の中を恐怖に震え上がらせる怪物が目を覚ますような状況に、くだらない政治工作を企んでいるなんて・・・。

権力者の頭は万事が利権争いに繋がるのだろうか。

リプタンはうんざりしながら尋ねた。

「私にこんな話をする理由は何ですか?」

「レクソス山脈を調査するためには、公爵領に出入りすることが多いのではないか。公爵に裏工作をする時間を与えたくないね。できればあの男の耳に、この情報が入らないように注意してくれ。」

自分が注意を払ったとしても、七国協定で話が交わされた以上、あの男の耳に入るのは時間の問題だ。

だが、そう答える代わりに、リプタンはうなずきながら席を立つ。

「肝に銘じましょう」

「まだ起きてもいいと言っていないが」

「もう雨水に濡れた服を着替えたいです。引き下がることを許してくださいますか?」

王が何か腹を立てようとするかのようにあごをびくびく振り、すぐに片手を振り払った。

「いいよ。話したいことは全部話したから、これで出てみなさい」

リプタンは頭を下げて、壁に掛けられたローブを手に取って部屋を出る。.

雨の音がますます激しくなっていた。

「雨を口実に一日か二日ぐらいはぐずぐずすることができるね」

彼は廊下の窓から灰色の濁った空を見上げ、それから足を運んだ。

今年も厳しい冬を過ごすことになりそうだった。

 



 

ついにレッドドラゴンの目覚めが近づきました・・・!

公爵に気づかれないまま調査を進めることはできるのでしょうか?

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