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70話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は70をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

各話リンク こんにちは、ピッコです。 ネタバレありの紹介となっております。 ...

 




 

70話

69話 こんにちは、ピッコです。 今回は69話をまとめました。 ネタバレ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 憂鬱な日々②

「マクシミリアン、私です。ちょっと失礼してもいいですか?」

突然間こえてきた声に、マックはびっくりして席を立つ。

急いで部屋のドアを開けて開けると、白いドレスを着たアグネス王女が随行員もなしに一人で立っているのが見えた。

彼女は照れくさそうな笑みを浮かべて口を開く。

「突然訪ねてきてごめんなさい。なかなか顔を合わせる機会がなくてですね」

マックは恥ずかしさに顔を赤らめる。

遠くから来たお客さんのために晩餐を主催し、お城に滞在する間に不便な点がないか調べることは、女主人の重要な任務だ。

数日間、夕食の席に顔も出さないのは、お客さんを粗末に扱うのと同じだった。

「お、おもてなしをおろそかにして申し訳ありません。か、体が回復するのを待つために・・・」

「あら、まだ魔力の枯渇が回復していないのですか?」

「いいえ。も、もう・・・大丈夫です。ただ・・・リプタンの心配がひどくて・・・」

もぐもぐと吐き出す言葉に、王女がこっそり眉をひそめて小さくため息をついた。

「そうだと思いました。リプタンはマクシミリアンに関してはかなり行き詰まっている人のように振る舞っていましたね。あまり部屋の中にいても健康に有害なのに。適当に動いてこそ肉体に活力が出るものではないですか?」

彼女はかすかな笑みを浮かべながらマックに近づく。

「そういう意味で、今日は私と一緒に出かけませんか?」

「が、外出ですか?」

「今日から町で春祭りが開かれるようです。この前、市場に行った時に話を聞いたじゃないですか」

王女は2、3歩後ろに下がり、優雅にぐるりと一周した。

マックは彼女のひらひらとしたスカートの裾と布を編んだ青い帯を見て目を丸くする。

やっと春祭りに関する話が頭に浮かんだ。

「私が買ってあげた帯を持っていますよね?」

「も、持っていますよ。でも・・・」

マックは困った顔で言葉を濁す。

「城の外に出ることは・・・リプタンが許しません」

「きちんと護衛を連れて行けば、何の問題もないでしょう」

王女が自信満々に言ったが、しばらくリプタンの愉快な心配に苦しめられたマックは懐疑的だった。

「アグネス様、勧めてくれたのはありがとうございます。でも・・・夫の許可なしには・・・」

全大陸を縦横無尽にする王女が果たして自分の境遇を理解できるかと思い、曖昧に言葉を濁すと、アグネス王女が深刻な表情をする。

「いいですよ。それでは許可をもらいに行きましょうお祭りを見に行くのが嫌なのではないでしょう?」

マックはためらった後、ゆっくりとうなずいた。

正直、春祭りというのが気になってもいる。

王女がそのような本音を見抜くように青い目を生き生きと輝かせ、彼女の腕をつかんで部屋の中に入ってきた。

「それでは早く準備してください。リプタンには私がよく言ってあげるから何の心配もありません」

まるで幼い妹にでも接するような態度に当惑したが、マックは文句なしに白いドレスに着替えて赤い布をねじって作ったベルトを結んだ。

最後に口ーブを羽織って部屋を出ると、王女が彼女の手を握って大股で廊下を歩き始める。

「リプタンは練兵場にいるはずです。今日は建設現場に行かないと聞いているので」

「そ、そうなのですか?」

「ワイバーンの群れを綺麗に討伐した後は、どんな魔物も建設現場の近くに近づきません。作業員を略奪する目的で接近する魔物があるかもしれないですが。ルースが作った魔物探知魔導具を現場のあちこちに設匿しておいたので、問題が発生する前にすぐ対処できますしね」

彼女が認めるのが辛いように口元をひねりながら話を続けた。

「お粗末な男ですが、魔導具の製作の腕前は一級品なんです。あの男が大丈夫だと言ったら本当に大丈夫なんです。リプタンが一日中建設現場を守っている必要がなくなったので」

「い、いい知らせですね・・・」

マックは久しぶりに明るい笑みを浮かべる。

これまでリプタンを心配しながら気をもんでいたので、領地の外に出ることが減ったという話に少なからず安心したのだ。

彼らはすぐに練兵場に向かう。

いつものように猛訓練が行われているという予想とは裏腹に、広い訓練所はがらんとしていた。

怪謗な目で周囲を見回すと、王女が騎士同士で回りながら建設現場を監督しなければならないため、訓練時間が変更されたという説明をしてくれた。

城主の夫人である自分よりもお客さんである王女がレムドラゴン騎士団の日程についてよく把握しているという事実に、マックは内心苦笑いを浮かべる。

「たぶん、みんな会議室に集まっていると思います」

 



 

王女が歩哨兵たちに軽く挨拶をして、練兵場の横に位置した騎士の宿舎に大股で歩いた。

マックは彼女の後ろにぴったりと寄り添う。

アナトールに来て数ヵ月が過ぎたが、衛兵所や騎士の宿舎に足を踏み入れたことは一度もなかったため、まるで禁止されたところに足を踏み入れたかのように心臓がドキドキした。

「失礼します」

王女が躊躇うことなくドアを開けると、マックはさっと頭を突き出して中をのぞき込んだ。

木製の椅子とテーブル、そして窓と兜、鎧などがごちゃごちゃに並んでいる薄暗い空間の中に、リプタンと5人の騎士たちが集まって何かを議論中だった。

彼らの覗線は一斉にアグネスとマックに向けられる。

「どうされましたか?今日はゆっくり休みたいとおっしゃったじゃないですか」

邪魔されたのが気に入らないようで、リプタンは眉をひそめた。

その冷たい態度にも屈せず、王女は肩をすくめながら、大またに彼の前を向かう。

「用件があって来ました。マクシミリアンと一緒に春祭りを見に行きたいのですが、大丈夫でしょうか?」

リプタンのきれいな顔が一瞬でひんやりと固まった。

彼が王女の顔とその後ろにいるマックの顔を交互に見て、再考の余地がないかのように冷たく切り取る。

「私の妻は、体が回復したばかりです。護衛をつけますので、一人で行ってきてください」

「奥様はとても元気そうですけど?」

王女が目を細めてマックを見回すと、会議室にいる彼らの視線が一斉に彼女に向かって飛んできた。

マックは中腰で気をつけをする。

王女が言ったように、彼女は完全に健康を取り戻した。

顔色も良かったし、頬には赤らむように血色が漂い、あまりにも食べさせたせいで顔にも再び肉がついている。

しかし、彼女を眺めるリプタンの目には心配な気配が満ちていた。

「申し訳ありませんが、彼女にはまだ休息が必要です。しかも、今アナトールに外部の人がたくさん入っている状態なので治安も不安です。健康も完璧に回復していない妻を危険なところに行かせることは・・・」

「親愛なるカリプス卿。私たちは今、戦場に出ると言っているのではありません。純朴な田舎娘たちがもれなく参加するという楽しい春祭りに行くということです。心配も度が過ぎると病気だということを知っていますか?」

王女は彼の言葉を途中でざわめき散らした。

リプタンは眉をひそめて彼女をにらみつける。

騎士たちでさえ彼のそのような目つきに向き合うと冷や汗をだらだら流すが、王女は瞬きもせずにむしろ鼻を嗚らした。

「そんなにしかめっ面をしないでください。そんなに心配なら、リプタンも一緒に行けばいいじゃないですか」

「そんな無駄な行事に消耗する時間は・・・!」

荒々しく吐き出していたリプタンがマックの暗くなった顔を見て、すぐに口を閉じる。

彼女は急いで表情を整えた。

「リプタンをわ、煩わしくさせるつもりはありません。私は大丈夫ですから・・・」

習慣的に大丈夫だと言おうとしたが、彼がその言葉を嫌っていることを思い出し、素早く口をつぐんだ。

ぎごちない沈黙が舞い降りた。

王女は高圧的な態度でリプタンをにらみ、黙って座っていた騎士たちさえ彼に向かってにらんだ。

「そんなこと言わないで、許してくれませんか?村祭りに行ってくることくらいはいいじゃないですか」

「そうです。奥様もアナトールのお祭りくらいは思う存分楽しむ権利があるんですよ。あまり結んでおこうとすると嫌われますよ、大将」

ヘバロンとガベルが一言ずつ手を貸すと、リプタンは鋭い視線で彼らを見つめた。

騎士たちは大げさに肩をすくめて、すぐに口を閉じてしまう。

 



 

しばらく不機嫌な顔で沈黙を守っていたリプタンが、結局ため息をついて席から立ち上がった。

「よし、馬車を用意してくれ。私も一緒に行く」

彼は気が進まないかのように舌打ちをして、マックの顔を細く開いた目で見た。

「その代わり、少しでも疲れた様子が見えたらすぐに城に戻ってくるよ」

「は、はい・・・!」

マックは喜びの表情でうなずく。

忙しい中、時間を奪うのが申し訳なかったが、それでも一緒に外出するという事実が嬉しかった。

リプタンはいくつかの荷物をまとめると、ヘバロンはずうずうしく近づいてくる。

「私も一緒に行きます。護衛は多けれは多いほどいいじゃないですか」

「ニルタ卿は村の娘たちに関心があるだけじゃないですか」

ガベルはまるでとんでもないかのように彼の前に立ちはだかった。

「今度は私に譲歩しましょう。春祭りに浮かれた純真な娘たちの貞操を守るために、私が
騎士道を発揮しなけれはなりません」

「こら、おまえもおれに負けないくらい・・・」

「エリオット、お前がついて来い」

リプタンは彼らの喧嘩を一気に切り落とした。

「この二人は村の近くには近寄らせないように。アナトールの女たちが私生児を抱いて城門を叩く姿は見ていられない」

「団長!?」

彼は不満の声を無覗して、マックの肩を抱えて会議室を出る。

王女は肩をすくめて後を追った。

 



 

アグネス王女と春祭りへ!

彼女がいなかったらリフタンを説得するのは不可能だったでしょう。

お祭りが楽しみですね。

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