こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は251話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
251話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 炎上⑥
「お嬢様!」
「恩人!」
メイとエミリオが、エレナとレンの周りを取り囲んだ。
今二人にできることは命を賭けてエレナを守るのが精一杯だった。
倒れたレンを捕まえたエレナは泣きそうに叫ぶ。
「レン、しっかりして!死んだんじゃないですよね?レン!」
「・・・」
「誰が助けてほしいと言いましたか!しっかりしなさい!死んだら許しませんから!」
レンが自分のために身を投げて犠牲になった。
目の前で死んでいくレンを見ると、息が詰まって逃げなければならないという事実さえ忘れた。
「はあ・・・、はあ・・・」
レンが荒い息を吐くたびに傷口の出血がひどくなっていく。
死体のように顔が白くなったにもかかわらず、視線は時計台から落ちることはなかった。
「また来る」
レンは緊張した。
エレナを殺すことにした以上、シュタインがここから退くことはないだろう。
痛みに苦しみながらもエレナを守るという一念で体を起こした時だった。
シュタインのシルエットが動く。
あまりにも遠い距離なので何が起きているのか分からなかったが、誰かから攻撃を受けたシュタインが慌てて打ち返すのが見える。
そうしてレンはやっと緊張を緩めた。
彼が介入したのなら、これ以上の暗襲はないだろう。
「どうしてただではおかないの?」
レンが首を回してニヤリと笑う。
「笑ってる?今、笑っているんですか?」
「じゃあ泣いた方がいい?恥ずかしくなるくらいに」
レンは今この状況が嫌いではなかった。
冷たい金具がもたらした痛みも、遥かなる死の恐怖さえも平気だった。
エレナの胸に抱かれて良かったし、エレナの関心を一身に受けて良かったし、ただ良かった。
残念なことは一つ、狂ってしまうほど良いこの瞬間を長く享受するほど体と精神が完全はなかったこと。
「エレナ」
「喋らないで!出血が酷くなるじゃないですか!」
「私が死んでも・・・」
エレナの目が酷く揺れた。
死ぬなんて。
地獄でも生き残れそうな人間が死ぬと言うと、レンの死がさらに肌に響いた。
「ちゃんと生きろ。今みたいに、カッコよく」
今の自分、ちょっとカッコいいかな?
レンはエレナの瞳に映る自分の姿を想像しながらニヤリと笑う。
「まあ、それでも守ることができたから。それでいい」
それ以上、レンは意識を保つことができなくなった。
シアンが時計台で弓を向けているシュタインを発見したのは純粋に運だった。
皇居を出てリンドン伯爵、ジャカリンと接触して皇居近衛隊改革を議論していたシアンは、サロンに上がる炎を発見し、慌ただしく駆けつけた。
何事にも落ち着いて理性的なシアンだったが、エレナと関連したことに限っては感情的だった。
「どうか、無事でいてくれ」
シアンがサロンの近くに到着した頃、無事にサロンを抜け出したエレナを発見することができた。
「無事だったのか」
その時になってようやくシアンは呼吸をすることができた。
エレナが怪我をしなかったので、それで十分だ。
シアンはゆっくりと振り返る。
ここまで来てエレナの顔を見て、直接大丈夫かと聞きたかったが、じっと我慢した。
覆面をしているが、見る目が多い。
自分の無差別な行動が彼女に迷惑をかけるのではないかと心配して前に出ることができなかった。
それが彼女への配慮だと思って背を向けようとするが・・・。
「何だ?」
シアンは全身の毛が逆立つ殺気に首を傾げる。
遠く時計台に立っている男のシルエットが目に入った。
弓弦を引いた矢尻はサロンから脱出したばかりのエレナに固定されている。
「くそっ!」
シアンは剣を抜いて矢の軌跡を塞ぐために飛びつく。
しかし、すでに放たれていた矢より早く行動することはでいない。
獲物を狙って下降する鷹の羽ばたきよりも早く矢が射られる。
シアンは頭の中が真っ暗になるのを感じた。
エレナを失うかもしれないという不安感、自らに対する無力さ。
空が崩れる気分と果てしない崖に落ちる絶望に息が詰まった。
目標に的中した矢の音が夜の静けさを揺さぶった。
絶望していたシアンの目つきに生気が宿る。
レンが辛うじて体を飛ばしてエレナの代わりに矢に当たって倒れたのだ。
シアンは首を回して時計台の上を睨みながら低く呟く。
「シュタイン」
脅威に近い弓術を持つ大公家の騎士。
彼が再び弓を構えたのが見えた。
シアンは歯を食いしばって身を飛ばす。
機敏な動作だったが、シュタインの手にかかっていた矢を防ぐには距離が遠すぎた。
目で追うのが大変なほどの速度で飛んでいった矢が再びレンの背中に刺さる。
レンがいなかったらエレナの心臓を貫通していただろう。
「あえて」
理性の紐が切れるように怒ったシアンが動いた。
皇族の一員であり、帝国の皇太子として常に感情を殺して理性を重視していた彼の目が冷たくなる。
生まれて一度も露わにしたことのない殺気が漂っていた。
シアンは腰の短剣を抜き、彼は剣の取手を取り直し、槍を投げるように時計台に向かって力一杯投げた。
レンとシアン。
この二人がいなかったら、エレナの命は失われていたでしょう。
大公家随一の騎士シュタインに、シアンは勝つことができるのでしょうか?
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