こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は214話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
214話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 彼女のために②
微動だに垂れていたデオンの手が持ち上がったのは次の瞬間だった。
しかし、彼はすぐにでも捕まえてしまいたいカシスの心臓の代わりに、彼の体についていた他のものを握る。
バサバサ!
飛んで行こうとしていた赤い蝶が、デオンの手の中で容赦なく崩れた。
それは先ほどデオンが見たものとは異なり、確かにロクサナの毒蝶だった。
デオンは、それがまるで一種のゾーンマークのようだと思った。
そのため、カシス・ペデリアンについてきた毒蝶を見て、仕方がなく胸が熱くなってしまう。
「今このような反応を見せるということから、お前がロクサナのそばにいる資格がないという証拠だ、カシス・ペデリアン。お前はロクサナを理解できない」
閑散とした北風が吹き荒れるような顔にひんやりと刺さる。
「でも、そうだね。お前にも選択権はある」
デオンの手に荒らされた蝶がついに完全に崩れ、埃のように舞い散った。
「私がしたことを知っている人はお前だけだ。だからペデリアンらしく、今ユグドラシルでその事実を明らかにするのか?」
デオンの問いにカシスは冷ややかに答えた。
「そうすれば、人前で簡単に認めるかのように言うね」
実際、デオンがしたことに対する証拠はどこにもない。
しかし、デオンは一点の微動だにしない目でカシスを直視しながら話した。
「私がしたことを否定するつもりはない。お前が今あの中に入って私がしたことを明らかにしても止めない。ただしそうなると・・・」
そして続く彼の言葉は、間違いなくカシスの胸を荒々しく掻いた。
「アグリチェを再び背負っていくことを決めたロクサナにとっては大変なことになるだろうね」
デオンの口元が細長く聞こえた。
「それとも、このまま黙認するのか?」
デオンは蛇のように囁き続けた。
「お前がロクサナと一緒にいるということは、一生そのような頻悶と同伴しなければならないという意味だ」
デオンの顔に徐々に鋭い嘲笑が広がっていく。
「ロクサナは誰よりもアグリチェらしいアグリチェだ。多分ロクサナもその事実を否定することはできないだろう」
カシス・ペデリアンは、ロクサナ・アグリチェがどこに根付いているのか知らない。
「そんな彼女と一緒にいることが果たしてお前にとって簡単だろうか?」
おそらく今頃お互いについて全てを知っていると勘違いしているのかもしれない。
しかし、果たしてその本質さえ完全に理解しているとい言えるだろうか?
「お前と私たちは結局、生きていく水が違う」
いいや、そんなはずがない。
ロクサナの毒が徐々にお前の息の根を締めて心臓まで食い込んでいく。
「終局には、お前を殺す日が必ず訪れるだろう」
まるで予言でもするかのように、デオンは一点の揺れもない声でそう言った。
「そして、私はその日をとても楽しみにしている」
だから自分は時を待てばいい。
ついに避けられないその日が到来し、最終的にはロクサナが仕方なく自分の手でカシス・ペデリアンを殺してしまう日を。
その時もロクサナは真っ白な涙を流すのかな?
彼女の手で自分の兄であるアシルの幻影を殺した時のように。
そんなことを考えると、いつも空虚だったデオンの心臓に自らさえ分からない凝った感情が水の流れのように満ちていくようだった。
カシスは凍った顔でデオンを見下ろしていた。
さっきより一層濃くなった赤い太陽の光が頬を伝って流れる。
「それが君のやり方だね」
ついに固く閉ざされていたカシスの唇がゆっくりと開いた。
「結局、君はなんとか自分のいる庭まで彼女を連れて行きたいんだよ」
デオンはその言葉を否定しない。
「残念ながら君の望みは叶わない」
カシスは肌が染みるほどの寒気が吹く荒れる目つきで、目の前にいる人を押し倒していた。
「君はすごい勘違いをしているね。そもそも君とロクサナを一つに纏めることができると思う?彼女とあなたは少しも同じではない」
デオンの胸ぐらを握るカシスの手に一層激しい力が入った。
「ロクサナのためという言葉で、あなたのしたことを正当化して自衛するな」
そして次の瞬間、鼓膜に食い込んだ言葉に、滑らかに凍っていたデオンの顔に初めてヒビが入る。
「それで、ロクサナがたった一度でもあなたを見て心から喜んで笑ったことがあったかな?」
カシスの言葉は、デオンの心臓を驚くほど深く突き刺した。
「デオン・アグリチェ。一体君はどうしてそんな風にしか生きられないんだ?」
デオンのロクサナへの依存が・・・。
真っ向から彼の考えを否定するカシス。
各々の意見を話していますね。