こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は216話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
216話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱走
ニックスもノエルがユグドラシルに到着したという知らせは聞いていた。
ペデリアンの血も涙もない腹心たちとは違い、それでも他の家門所属の歩哨たちはニックスに対する同情心を少しは持っているようだ。
人形だとしても、一応表向きには人と違うことはほとんど無かったので、簡単に憐憫を抱いたのかもしれない。
ノエルがユグドラシルにいると思うと、何だか焦る気持ちが生じた。
このように部屋の隅に閉じこもってじっとしているのではなく、何かしなければならないような気がして焦ってくる。
いざその「何か」が何なのかも知らないくせに。
ガチャリ。
ニックスは無意識のうちに手首を触る。
あまりにも生々しい夢だから、今もなぜかこれを自分の手で解けそうな気がした。
以後、本当に手を動かしてみたのはニックスにとって特に意味のないこと。
ガチャン!
しかし、すぐに床に何かが落ちる鈍い音が鳴り、手が自由になった瞬間、ニックスはビックリして気が引き締まってしまった。
「ど、どうして?」
どれほど慌てたのか言葉が詰まってしまう。
今、自分の足元に落ちたのは、確かに少し前までは自分の手首を締め付けていた鉄の塊だった。
しばらくぼんやりと立っていたニックスが唇をギュッと噛んだ後、何かを確認しようとするようにもう一度手を動かす。
ガチャン!
今回は足首にあった足枷を外した。
ニックスが四肢の自由を取り戻したのはあっという間の出来事。
しかし、喜びや解放感とは程遠い感情に濡れたニックスの顔はやや青ざめていた。
しばらく彼らしくない姿で躊躇し、途方に暮れていたニックスは、すぐに今自分が置かれている状況に気づいたようで、ぱっと頭を上げる。
彼を縛っていた足枷はすでに解けており、今この部屋の中には彼を監視する人が誰もいなかった。
ニックスの視線がドアに向かう。
あの外に出れば、必ず歩哨といざこざを繰り広げなければならないだろう。
じゃあ、他の方法は?
続いて彼の青い瞳が固定されたところは鉄格子で塞がれた窓。
彼はその鉄格子を音もなく取り除く方法も夢を通じて知っていた。
アグリチェの兄妹の一人で、今年の春から18歳になったジゼルは密かに茂みの中に入って周辺を探していた。
彼女はフィペリオンとのギャンブルの場でカードを飛ばし、彼らを怖がらせた張本人でもある。
しかし、すぐに彼女は何の収穫も得られず、手を振るしかなかった。
「変ね。建物の横の道に毒草があると聞いてきてみたのだけど」
もしかしてこの道じゃないのかな?
それを発見した異母兄弟も散歩中に偶然見たと言っていたので、もしかしたら他の散歩道である可能性もある。
「それでフィペリオンを選んであげようと思ったんだけど、仕方がない他のところを探してみようかな」
そのように彼女はこのまま場所を移すことを考えていた瞬間。
いきなり横から何かが落ちてくる感じがした。
疑問を抱いて首を傾げたジゼルの目に入ってきたのは、床に素早く着地した姿勢で座り込んでいる少年の姿。
日光に反射した金髪が特に明るく輝いている。
彼女が視線を動かしたのとほぼ同時に、少年も顔を上げた。
「え?」
その瞬間、ジゼルは思わず口を開けてしまう。
誰かと似ている。
余裕がなく、その誰かが誰なのかはすぐに思い浮かばなかった。
ただ、今見ている顔がなんとなく見覚えがあると思っていると。
少年が席を蹴って前へ走っていく瞬間、頭の中に浮遊する既視感の正体に気づいた。
異母姉のロクサナとよく似た顔だ。
昔の記憶をより深く探ると、ロクサナの上に重ねられたもう一つの顔があった。
とっくに過去に消えた人。
しかし、ロクサナと年齢に大きく差がなかったアグリチェの子供たちなら誰でも彼を覚えているはずだ。
幼少時代、屋敷内で偶然出くわした時はいつも笑顔で先に近づき、飴などを手に取ってあげたりしていた別種。
アグリチェに似合わず、無茶苦茶で善良な笑みを浮かべていた少年。
まるで天使のように美しく、特にロクサナと一緒に並んで立っている時には、あのアグリチェが天国にでもなったように感じられるほどだったが、父親のラントによって廃棄処分を受け、デオンの手によって死んだ異母兄弟。
「知ってる」
ついに聞き手のいない独り言が、少年の空席にボーッと鳴り響いた。
ニックスが見た夢は、本当に夢なのでしょうか?
まるで誰かが彼を脱走させるために手引きしたような・・・。
しかも善意ではなく。