こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は217話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
217話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱走②
「待て!」
ニックスの後ろに、すぐ追手が追いついた。
鉄格子を破って窓から飛び降りるとき、音を完全に隠すことができず、彼の脱出にすぐ気づいたようだ。
ニックスは逃走にさらに拍車をかける。
ノエルと合流しなければならないという気が後になって思ったが、すでに彼がいる建物から遠ざかった後だった。
しかし、まずはここを離れて、ノエル、ダンテとは後で機会を見て、ユグドラシルの外で会うことができるだろう。
しかし、ニックスが今ノエルを探していない理由はそれだけではない。
彼はノエルとベルティウムに対して訳の分からない拒否感を感じていたのだ。
それはペデリアンから自分に故意に囁いたロクサナのせいであり、ユグドラシルに入ってから見るようになった夢のためでもあった。
ニックスは彼の後ろ足を引っ張るような雑念を振り払い、追手を躱すために横にそびえる茂った草木に入った。
「な、なんだ!?」
「いきなりどこから飛び出してきたんだ・・・!」
ところが、どうやら道を間違えたようだ。
内側の広々とした空間には20人ほど人が集まっていた。
お茶を飲みながら談笑でも交わしていたようだ。
「きゃあああ!」
「あっ、熱い!」
人々を取り巻く余裕がなかったので、ニックスは地面を蹴ってテーブルの上に飛び上がる。
その反動で茶碗と皿がいくつか床に落ちて倒れた。
庭園は、それによってすぐ修羅場となる。
「ちょっと、あの人・・・!」
その時、ニックスの顔を見たアグリチェの人の何人かが立ち止まる。
しかし、アグリチェで他の反応が出る前に彼の正体を知っている人が現れた。
「ニックス!」
シルビアはテーブルの上を移動するニックスを見て、思わず彼の名前を呼んだ。
彼女は久しぶりに外の集まりに出席するところだった。
ところが、今この場にいてはならない人が突然目の前に現れたではないか。
騒ぎの中でも自分の名前を呼ぶ声を聞いたのか、テーブルの上を素早く越えて動いていたニックスが首を傾げる。
シルビアを視野に入れた刹那の瞬間、ニックスの目つきがビクッと震えた。
「ベルティウムの人形!」
しかし、すぐ後ろから彼を追う追撃者が現れたので、長く蒸らす暇はない。
ニックスは本能的に自分の最も有利な状況を占う方法を探して体を動かした。
庭の入り口で席を守っていたペデリアンの腹心たちも状況を見て急いで走ってきていた。
一番先に目的だった対象に触れたのはニックスだ。
彼はシルビアを引っ張って腰を引き取るように掴んで席を蹴る。
その瞬間、ニックスを追っていた者たちとペデリアンの腹心たちが同時に動きを止めた。
ニックスに予想通り、一旦ペデリアンの公女を捕まえることに成功すると、他の人たちは彼に簡単に近づくことができなかった。
もしかしてニックスがシルビアを傷つけるのではないかと緊張した様子が顔に歴然としている。
ニックスはシルビアの首を掴む腕に力を入れた。
シルビアも、自分が人質に取られた状況に戸惑ったのか、捕まった体を硬直させている。
緊迫した状況であるにもかかわらず、ニックスはなぜか気になった。
ある意味恩を仇で返しているのではないか?
しかし、いつから自分にそのような道徳的良心が生まれたのか。
それでも心が穏やかでないのは相変わらずで、ニックスは訳もなくシルビアをさらに激しく引き寄せる。
しかし、いざ彼女の耳に囁いた言葉は矛盾していた。
「ここを離れるまでじっとしていて。怪我をさせるつもりはないから・・・」
バン!
「はあ・・・!」
しかし、すぐ次の瞬間、ニックスはある力によって一瞬にして体の急所3か所を相次いで殴られた。
意識を失うほど強い力ではなかったが、体へのダメージは甚大だ。
ニックスは不意打ちでシルビアを捕まえていた腕を緩めてしまう。
ぱあ!
その間にニックスから完全に体を抜いたシルビアが肘でニックスの鼻筋などを容赦無く叩く。
そのため、彼はよろめきながら後ろに下がってしまった。
「くぅ、お前・・・」
頭を下げると、芝生の上に血がポロポロ落ちていく。
今回も非常に正確度の高い打撃であり、シルビアの行動には迷いがなかった。
ニックスとしては思いもよらなかった当惑した行為。
「今だ!捕まえて!」
彼が油断している間に、チャンスを逃さずにペデリアンの腹心が突進する。
彼らはシルビアを安全に保護し、ニックスを攻撃した。
彼を追いかけてきた追撃者たちも、それに加勢する。
まさかのシルビアの反撃。
守られるだけのヒロインではないのですね。
てっきりニックスを擁護すると思っていたのですが。