こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は145話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
145話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- エレニアの後悔
ちょっとした意地悪と茶目っ気を半分混ぜて吐き出すと、せっせと茶碗を片付けていたルシルがギョッとした目でこちらを振り返った。
内心、刺されたようで驚き、怯えたような表情で。
「決まった給料以外は何もあげないわ。だから、私の世話をするのをやめてもいいのよ?」
「ど、どういうことでしょうか。私はそんなことを望んでいるわけではありません、奥様!」
「本当に?」
「・・・」
「・・・」
「も、もちろんくださるなら、この上なく嬉しいことですが、そうでなくても仕方がない・・・」
我々の貪欲なルシルは吃りながら頬を赤らめた。
そして私は、しばらくの間、一体どうしてここの人間は一様なのだろうかという疑問に捉われた。
一途なことが必ずしも悪いことではないのだけれど。
「まあ、たまにあなたとローニャが特別に上手くやった時は、賞を与えることはできるわ。それ以外は期待しないでね」
「はい!分かりました、奥様!」
案の定、澄まして釘を刺されたことが恥ずかしくも、いつ慌てたのかというように、すぐにニッコリ笑って頭を下げるルシルだった。
相変わらず見え見えだね。
素直で良いと言うべきか?
ちょっとオーバーに素直ではあるが、まあこれもそれなりに情感があるわね。
にこやかなルシルが持ってきてくれたお茶を飲んで、再び眠りに落ちたようだ。
特に痛いところはないが、やはりまだ気力が足りないためか、目を閉じればすぐに眠りに落ちた。
厳しいお義父さんの言うとおり、席を外したらやることが沢山あるから、休める時に思いっきり休んでおくのが正しいだろう。
瞼をくすぐるような暖かな夕日のおかげで、ふとうたた寝から覚めたとき、そばでうろうろしている誰かの気配が感じられた。
うちの旦那だろうかと振り返ってみると、違う人物だ。
彼にそっくりな美しい義理の姉だった。
しかも一人で。
私が患者のふりをしている間、ずっとエレニアは主治医や下女たちが私を見ている時だけ度々ドアのそばにこっそりと現れ、静かに見守って去っていた。
たとえ彼女が私を怖がっても仕方がないことだけど、それよりはお互いの準備ができていないような感じだ。
何の準備なのかは私もよく分からないけど。
私が遠くを眺めている間、エレニアもうろつきを止めて、礼儀正しい無表情な姿で私をじっと見つめた。
カーテンを開けた窓から降り注ぐ夕日が私たちの顔を赤く染めている。
「・・・もうお聞きになったと思いますが」
ついに響いた声は、エレニアらしく物静かで乾燥していた。
「マルタを他の所に送りました」
「あ・・・」
「ルビのせいではないので、誤解しないてください。もっと早くすべきことだったのでしたが・・・」
「なぜそうしたのか」という馬鹿げた質問は出なかった。
敢えて長い言葉で説明しなくても分かるような瞬間があるのではないか。
それでただ眺めるだけの私の視線を避けるように、目を窓の外の方に向けたエレニアがゆっくりと息を整える。
「私はただ誰にも興味がなかったのかも知れません。関心がなかったから、まともに分からなかったのでしょう・・・。今考えると私が兄より一枚上だったのですね」
そろそろ私が隠してきた魔獣たちとの秘密について持ち出すのではないかと思ったが、どうもそれよりは少し違う問題に苦しんでいる様子だ。
「一緒に過ごしたあの長い時間が恥ずかしくも・・・、滑稽に聞こえるかもしれませんが、そうしてこそ、いつ誰が去っても大丈夫だと信じていたようです。お母様のように・・・。そうやって、急に行ってしまっても何ともないと思います」
「・・・」
「そんな私だけに、ルビがこれまでどう生きてきたか、想像もつきませんが・・・」
淡々と続いていた声が台風の前兆のように危なげに沈む。
私は半狂乱の状態だった。
「ルビ、私は・・・、私は・・・、ごめんなさい。本当に何と言えばいいのか分かりません」
また分からないことを言う。
申し訳ないという言葉。
今度のことでエレニアが私に申し訳ないと思う部分は一つもないと思ったのだけど・・・。
「今までただ久しぶりに感じる温もりが嫌いじゃなくて、いつも不意打ちを食らったとんでもない騒ぎが好きになってしまって、いつも素直に見える格好が羨ましくて・・・」
「・・・」
「違和感を覚えながらも、何か間違っていることを知りながらも・・・、本当にどんなことが起こっているのか知ろうともしなかったくせに、ただルビがこのままでいてほしかったのです。何一つ、一度もちゃんと理解したことないくせに、このまま変わってほしくないし、絶対に離れてほしくないって」
そうだったの・・・?
「知っていながら知らないふりをして、目を閉じて見たいものだけ見て振り向いたら忘れてしまって・・・」
しかし、それは彼女のせいではない。
彼女だけそうだったわけでもないし。
ある意味、私たちは皆、色だけ違う小石だった。
もっと痛くなりたくないから、もっと傷つきたくないから、砂の城のように壊したくないから、自分なりのやり方で精一杯バタバタしてきた、自分勝手が下手で悲しい子供たち。
砂になってしまったら終わりだと思っていた。
けれど実際にはそれで終わりじゃない。
お互いにぶつかって、つまずいて砂になって初めて完全に一緒に混ざることができるということ、そうすれば悲しい雨が降っても一層硬くなれるということ、もう少し早く悟っていたら良かったのに。
そうだったら私たちがこんなに泣かなくてもよかったのに。
私は乾いた唾を喉に通し、エレニアは黙ってうつむいていた。
エレニアの告白。
彼女も違和感を感じながらも崩したくなかったのでしょう。
マルタが去ったことで、エレニアの精神的成長にもなったのでは?
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