こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は269話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
269話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 仮面の下の素顔③
「私の生涯の指で数えられるほど嬉しい今日、私をもっと喜ばせてくれた方がいます。バシリカの開園を祝うために、帝国で最も高貴で美しい人がサロンを訪れてくださったそうです。拍手で迎えください、ベロニカ公女殿下を」
エレナの紹介に訪問客が拍手をする。
たまに途切れる拍手と生ぬるい反応は、大多数が彼女を歓迎していないことを推察させた。
そのような事実を知りながらもエレナがあえてベロニカを紹介したのは、サロンの規則を無視した行為を間接的に非難すると同時に、サロンの地位を上げる手段として利用するため。
そのような状況を知っているかどうか、ベロニカが腰に力を入れる。
そして、とうとうあごを引いて階段を上がってきた。
エレナの許可さえ求めずに、踊り場に立ったベロニカが微笑む。
「不安みたいね?」
ベロニカの挑発にエレナはくすくす笑った。
「そんなはずがありません。むしろ期待しています」
「期待?」
「公女殿下がどんな事故を起こすのか。私が準備したものを見ても、果たして笑うことができるのか」
踊り場で向かい合ったエレナとベロニカがお互いを見ながら微笑んだ。
本音を隠したまま、お互いの背中を突くナイフを隠している悪意的な微笑み。
「招待されたのですから、礼儀場、祝辞ぐらいはしてあげましょう」
ベロニカは座中を見下ろして唇を開いた。
「みんな誤解しているかもしれないので、前もって申し上げます。私はLの招待を受けてここに来ました。Lは私に和解のジェスチャーを送って、私は応じました。私たちの間に古い感情は残っていません」
ベロニカの型破りな宣言に訪問者がざわつく。
首都に二人の女性の関係が破局であることを知らない人がいないほど、二人は最悪の関係だった。
ましてノブレス通りとサロン、バシリカの競争関係を考えれば、より一層近づくことができない犬猿の仲と見るのが正しいだろう。
「Lとサロンに限りない栄光がありますように願っています」
極めて正常な祝辞を終えたベロニカが、体を回して踊り場を降りた。
階段を降りたベロニカは首を回して、踊り場に立っているエレナを見上げ、意味深長な笑みを浮かべる。
人を不快にさせる微笑だった。
気になったが、いつまでもベロニカのことばかり気にするわけにもいかないので、エレナは次の予定を進める。
「容易ではない歩みをしてくださったベロニカ公女殿下に感謝の言葉を申し上げ・・・、貴賓の皆さま、皆で今日を記念することにしましょうか?」
宴会場を手伝うために配置された下女たちがシャンパンを持って訪問客の杯を満たしていく。
エレナもカリフが差し出したグラスを受け取った。
素敵な香りが風変わりなシャンパンの色を、この上なく輝かせている。
「この場を輝かせてくれた貴賓の方々とサロンの無限の栄光のために」
「「ために!」」
エレナの音頭に合わせて貴賓が後唱し、同時にシャンパンを口元に持っていき喉を潤した。
(ああ!)
シャンパンを味わうエレナを見るベロニカの全身に、どうしようもない喜びが押し寄せてきた。
脊髄を貫通するほど刺激的な経験。
(ああ、緊張するわ)
もうすぐだ。
草原の部族から空輸したこの毒は、体内に吸収されるとすぐに毒性を示すだろう。
少量でも五臓六腑が燃え上がる苦痛に胃液が逆流し、頭が回る。
そして苦痛に悶え、徐々に死ぬことになる。
(私の人生で最高の日になるという予感がするわ)
ベロニカの視線はエレナから離れなかった。
もう少しであの余裕満々な顔が歪んで、目がひっくり返ったままもがくエレナを想像するだけでも気が狂うほど幻想的だった。
来場者はオマケだ。
メイン料理を食べるのにサイドメニューがないと味気ないでしょう?
安物サロン文化に慣れて、貴族らしさを失った貧しい人々を、これ以上貴族扱いする必要はない。
最小限の眼目を持ち、サロンではなくノブレス通りを選んだならともかく、彼らはその価値すらなかった。
(家畜のようなものよ、あなたたちは)
全員殺せばいい。
いずれにせよ、後始末は宴会を主管したエレナとサロンの役割になるだろう。
もちろん生き残るという前提だが。
ベロニカが仕掛けた毒。
これが成功すれば今度こそ終わりでしょう。
彼女の計画通りに進むのでしょうか?
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