こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は270話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
270話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 仮面の下の素顔④
時間が流れた。
期待感のためか、1秒が1分のように遅く感じられる。
ベロニカの心臓の鼓動は徐々に静まり、浮き立っていた顔も固くなった。
(もう毒が全身に広がったと思うけど?)
苦痛に足掻きながら助けてくれという悲鳴がいっぱいでなければならないのに、どうして?
予想していた反応がなく、ベロニカが当惑していた時だった。
「今、皆様にご馳走したクリスタルシャンパンは、皇室から贈られたものです」
(何ですって?)
ベロニカの目が揺れる。
確かに今日の宴会に使うシャンパンは外部業者が供給することになっていたはず。
それが急に皇室から下賜されたシャンパンとは初耳だった。
「文化発展の功労が認められ、表彰を受けることになりました」
あちこちで拍手喝采が沸き起こり、エレナは軽く挨拶をして返す。
「ありがとうございます。このクリスタルシャンパンは、お金があっても手に入らない貴重なシャンパンだそうです。それを皆さんと分かち合いたかったのです。今の私がいられるのは、皆さんのおかげですから」
ベロニカの表情が悪魔のように恐ろしく変わった。
近づく人もいないが、近づくことさえ憚れるほどに。
「い・・・、い!」
目がひっくり返ったベロニカは、すぐにでも何か事故を起こすかのように危なかった。
完璧に準備した計画が水の泡になると、自らを統制できなかった。
怒りが全身を虜にし、エレナへの憎悪心で表出されていく。
ところが、それ以上に我慢できないことが別にあった。
あの忌々しいエレナの顔だった。
全部知っていたかのように余裕を持って自分を見下ろしている視線が、目玉を掘り起こしたいほど神経を逆撫でしてくる。
「無理をするな」
それが自分に向かう言葉であることを正確に認知したベロニカの首が回った。
純白の燕尾服に濃い黒髪、金色の鷲の仮面で隠したにもかかわらず、隠すことのできない格調高い品位。
一気に視線を奪う姿を持った男の正体をベロニカは一目で察する。
「あなたは・・・、シアン?」
「名前を許可した覚えがないと記憶しているが」
シアンの声には露骨な不快感が滲み出ていた。
「あなたの仕業でしょう?」
ベロニカが刺々しく睨みつける。
強くて冷ややかな目つきは、帝国の皇太子であるシアンの首筋さえ噛みちぎるように悪辣だった。
「一つだけ聞く。フランツェ大公は、この無謀で馬鹿げた計画に同意したのか?」
「はぁ、それがなぜ気になるのか分かりませんね。威厳さえ失ってLに目が眩んだくせに」
「質問に答えて」
低く垂れ下がったシアンの声にベロニカはビクッとする。
「言ったほうがいいよ」
縄のように縛りつける殺気に息が詰まり、肩が縮こまった。
(目の前の男は、本当に皇太子のシアンなの?)
ベロニカは目の前の男と、記憶の中のシアンが混同された。
多情多感でなくても、礼儀正しい紳士だったイメージは見られない。
シアンの殺気だった目つきと暴力性はベロニカまで怯ませ、いじけるほど荒れていた。
「今、この場で殺したいことをやっと我慢しているところだから」
レンが意識を失ってからシアンは一時も安心することができなかった。
ヒュレルバードという優れた剣術を持った騎士がいつもエレナのそばを守っているが、レンの事態で見たように仕方のないことが起きた場合、防げるという保障はない。
それでシアンはエレナ、サロン、そして大公家を集中的に監視していた。
何事もないことを願ったが、万が一に備えた措置だった。
今から二日前、そんな監視網に不審な動きが捉えられた。
閉場宴会に合わせてサロンに供給されることになったシャンパン保管倉庫に、大公家の使用人が出入りするのを目撃したのだ。
シアンは慎重だった。
下手に動くよりは、彼らの下心を把握することに集中したのだ。
そして彼らが手をつけたシャンパンを持ってきて調査したが、栓に薄い注射を刺して致死量に肉薄する極毒を入れた事実を発見した。
シアンは驚愕する。
これは集団殺人だ。
エレナだけでなく訪問客も無差別に殺す一方的な虐殺。
事態の深刻さに、シアンは何事も差し置いてエレナと接触した。
顛末を聞いたエレナが真顔で供給を変えると言うと、シアンは首を横に振る。
「君は言った。ピンチをチャンスに変えることができなければならないと。今度の日、私の計画通りに従ってくれる?」
シアンはこれ以上縮こまなかった。
文化表彰を口実に皇室からシャンパンを贈るので、閉場宴会直前まで秘密にしてほしいと頼んだ。
調査のための時間を稼ぎたいと。
エレナはそうすると言った。
側近のヒュレルバード、メイ、エミリオ、カリフ、メルさえ知らないうちに演技し、約束を守った。
結局、エレナの協力を受けたシアンは、大公家が毒殺の背後にいるという証拠を確保することに成功した。
ベロニカの計画はシアンによって防がれました。
ここから反撃開始でしょうか?
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