こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は271話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
271話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 仮面の下の素顔⑤
「あなたの仕業なの?」
ベロニカは刺々しくシアンを睨んだ。
全身を締めつけるシアンの殺気に乱れそうになったが、プライドと毒気が彼女を支えた。
「警告したはずだが?聞くのは私の方だと」
金色の鷲の仮面の向こうのシアンの瞳がひらめいた。
これまでどのように息を殺していたのかと思うほど、天敵を震わせる捕食者の目つき。
ベロニカは乾いた唾を飲み込んだ。
しきりに体が震え、上の歯と下の歯がぶつかる。
髪の毛が逆立って息ができなかった。
恐怖心が足先から頭まで侵食していく。
「こんなことで私が怖がるとでも?自信があるのなら殺してみてください」
青ざめた顔にもかかわらず、ベロニカは耐えた。
いいや、時間が経つほどに目つきは怒りが込み上げてきた毒蛇のように強くなっていく。
「私たちは幼い頃から見ていました。殿下について知っていると自負しています。殿下は絶対に私を殺せません」
「私の言葉がまったく理解できていないようだね」
シアンが反問し、脅威的にもう一歩前に近づいた。
ベロニカは震える腕を掴んで腰をまっすぐ伸ばす。
彼女の記憶の中のシアンは、こんなオープンな場所で自分を殺すほど感情的ではない。
「私は、ベロニカ・フォン・フリードリヒよ。大公家の唯一の後継者。皇太子といっても私には触れられない」
ベロニカはシアンがホラを吹いていると一蹴した。
自分の体に傷でもつけたら、大公家を敵に回すことが自明だったからだ。
しかし、なぜだろうか。
頭では分かるが、説明できない不安感と恐れがあった。
「私も知らなかった事実が一つある」
低く敷いたシアンの声に霜柱よりさらに冷たい寒気が流れた。
「冷たいと思っていた私の心臓を溶岩よりもっと熱くしてくれる人がいるということを」
「・・・!」
「君は彼女に手をつけようとした」
シアンが威嚇的にもう一歩近づくと、ベロニカは思わず後退りする。
無表情な顔と仮面の向こうから放たれる不気味な勢いにどきっと怖くなった。
ベロニカにとって、シアンは血筋の良い夫にすぎない。
夫、言葉が良くて夫であり、彼女をより一層引き立たせてくれるアクセサリー程度。
ところが、今見るとそうではなかった。
この男は危ない。
後ずさりしていたベロニカが誰かとぶつかる。
誰かが高いヒールのパランスを崩してふらふらする彼女を支えてくれた。
「大丈夫ですか、公女殿下?」
支えを受けたベロニカが反射的に振り返る。
「L」
「顔色が悪そうですね」
仮面で隠れていないエレナの口角が上がった。
明らかな嘲笑。
「かなりイライラするでしょう?今頃死んでいるはずの女が元気に生きているので」
「あなた!」
エレナが小さな声で皮肉を言うと、ベロニカが殺しそうに貌んだ。
かすかな美貌を含んでいる面がナイフで切り倒したくなるほど性質を掻いた。
「そんな粗末な計画にやられると思いましたか?脅威にもならないじゃないですか。リブと比較すらできない」
「・・・」
思いもよらない名前が飛び出すと、ベロニカの目に力が入る。
「リブ?」
リブはリアブリックの愛称だ。
ベロニカの記憶では、大公家内でもリアブリックが愛称を認めた人は自分以外にはいなかった。
「ああ、ついつい癖というのが本当に怖いですね。何年もそうやって呼んだら、こんなに飛び出してきますね」
「あなた、誰?」
ベロニカは冷めた声で尋ねる。
目の前の女がLだということを知らなくて聞くのではなかった。
ニュアンスの中に彼女が知らない何かがあることを読んだからだ。
「知りたいですか?」
「ふざけるな。その口を裂く前に言え」
その脅迫にもかかわらず、エレナは黙って微笑む。
今この瞬間がベロニカはあまりにも不快だった。
まるで自分を目下の人のように見下ろすあの目玉を掘り出したかった。
「あまり興奮しないでください。今教えようとしたのですから。よく見てください。私が誰なのか」
エレナは手を伸ばして仮面を固定した結び目をつかんだ。
今日をどれくらい待っていたのか?
惨めに利用されて死んだその日を胸に抱いて生きて、きた日々を補償してもらう時期だった。
結び目を解くと、仮面の後ろに隠されていたエレナの顔がそのまま公開された。
「あ、あなたは!?」
近くでエレナと向き合ったベロニカがどもった。
鏡を見るように彼女にそっくりなエレナの顔はハンマーで頭を殴ったような衝撃を与える。
「分かりましたか?私が誰なのか。あなたにとってどんな存在だったのか。そんな私が今どんな姿であなたを見ているかを」
エレナの満面の笑みには、過去の歳月の間に積もった恨みがこもっていた。
もう仮面の後ろに隠さなくてもいいから。
偽物という理由で、代役という理由で無視され惨めに捨てられた過去の哀願したエレナはもういない。
同等の覗線、いや、ベロニカさえ足元に敷いて見られる位置まで上がった。
訪問客も驚愕する。
「なんということだ」
「今、私の目が間違っていませんよね? Lと公女殿下がとても同じに見えます」
「もしかして双子?」
「そんな話は聞いたことがないんだけど。人がどうしてこんなに似ているんですか?」
エレナとベロニカを中心に取り囲んだ訪問客は、困惑しながらしきりに2人の顔を交互に見る。
そうでなくてもLの美貌が気になってサロンを訪れた人も少なくなかった。
それだけ期待も大きかった。
ところが、実際に公開されたエレナの顔は驚くほとベロニカに似ているではないか。
向かい合っているので、似たような外見が目を引くしか他になかった。
ついにエレナが素顔を見せましたね!
訪問客の反応が気になります!