こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は272話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
272話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 仮面の下の素顔⑥
「ですが、雰囲気が妙に違います」
「Lの方がもっと賢淑で優雅だと思います」
「こんなこと言っていいんですか? Lが本当に公女みたいです。あっ、聞こえなかったでしょうね?」
「聞いたらどうですか?知らないふりをしたらそれで終わりです。そして本当なんですもの。漂う気品が違います」
それぞれ小さな声でひそひそ話したが、いくつかの言葉はベロニカの耳にも鮮明に聞こえた。
「イ、イ」
シアンが殺気を取り除いたにもかかわらず、ベロニカの手がサシの木のように震える。
高貴な生まれを持っている自分に、浅はかで根も葉もない代役のエレナと比較されることほどひどい侮辱はなかった。
単純に外見だけで見れば、ベロニカの目尻が上がり、より荒々しい印象を与えている。
それに反してエレナは少し垂れた目尻と深い目つきが人に好感を与えた。
それだけでは、誰がより優れているかを問うには足りないだろう。
しかし、これまで大衆に植え付けてきたイメージが優劣を決めてしまった。
ベロニカは公女という爵位と大公家を背景に権威的に生きてきた。
特に先日、サロンを訪問して邪魔をしたことは尊重のない行動だったとし社交界ですら批判の刃を立てている。
そして、ベロニカを演じていたエレナが皇太子妃の最終競合に参加せずに姿を消したため、その被害はそのままベロニカが耐えなければならなかった。
いくら大公家とはいえ、「皇室を無視した荒々しい仕打ちだ」と後ろ指を指されている。
そのような行動が重なり、ベロニカに対する社交界の評判は良くなかった。
逆に、Lに対する世間の評価はベロニカとは格が違う。
知的でありながら精錬で洗練された彼女の品格は、帝国の歴史を振り逗っても見当たらないほど高潔だった。
社交界の評価も高く、皇太子のシアンから爵位まで受けている。
帝国史上、女性が爵位を受けた回数が5回にも満たないことを考慮すれば、Lの公信力と評判がどの程度位置しているかを推測することができるだろう。
まして今日、皇室からお説いのシャンパンを贈って文化表彰まで下すという言葉で皇太子のシアンと親しい間柄であることが満天下に明らかになった。
大公家という背景を除いてみれば、ベロニカと比べてエレナが足りない点は目を洗って探しても見つからない。
双子のようにそっくりな外見から比較される劣等感がベロニカをさらに狂わせていく。
唯一無二の高潔な生まれを持っている彼女がこのような扱いを受けるということ自体が恥だった。
「今日で人々はこのように記憶するようになるでしょう」
エレナは勝者の笑みを浮かべ、それから得意げな声で言った。
「私はあなたに似ているのではなく、あなたが私に似ているのだと」
「何?J
ベロニカの目がひっくり返る。
事故さえ麻痺させるほどの挑発的なエレナの一言がベロニカを支えた一本の人物の自尊心までも折ってしまったのだ。
「偽物のくせに私を滅ぼすなんて」
ベロニカの唇がぶるぶる震えた。
「一本の代役のくせに! 根も葉もない女が!」
この瞬間が耐え難いほと屈辱的だった。
「偽物ですって?世の中に本物がどこにあって偽物がとこにありますか?あるとしても、それを判断するのは公女殿下ではありません」
エレナは丁寧だが、ベロニカの心を引っ掻くような言葉だけを選んで打ち返す。
2人の知られていない事情と古い感情を知らない訪問客は、ベロニカが訳もなく自分に似たLの顔が気に入らず、喧嘩を亮っているとしか見えないだろう。
「その仮面、お前は死ぬまでかぶっていなければならなかった」
「そんな理由がないから、脱いだのでしょう?」
ベロニカは悪の中で歯ぎしりをした。
気持ちとしては、持っているシャンパンをエレナの顔に注ぎ、グラスを割って破片で顔を切り落としてしまうと気が済まないような気がする。
一本の理性が彼女を捕まえてくれなかったら、どんな事故を起こしたか自分でも見当がつかなかった。
「お前が代役だということを知った以上、お父様が黙っていられると?」
ベロニカはむしろよかったと思った。
エレナはとっくに殺すべき女だ。
リアブリックが仕事の処理をまともにできなかったために問題が起こったが、今からでもこれ以上生かしておいてはならない。
「いつまでそんな顔ができるのか、様子を見てみるわ」
ベロニカは唇をかみしめながら振り向いた。
これ以上口で騒いでも惨めになるだけだ。
あの女を引き裂いて殺してから死体を足で潰せばいい。
最後に笑う者が自分という事実は決して変わらないのだから。
震える脅迫にもかかわらず、エレナは失笑する。
「ああ」
胸がすっきりしたように痛快だった。
これまで寝かせておいた感情の溝が一気に解決され、ピリッとした喜びが全身を貫通する。
「私に気を使う余力があるか分かりませんね」
エレナは意味深重な笑みを浮かべながらつぶやいた。
今やベロニカの目に見えるものはないだろう。
大公家を負ってすぐにでもエレナの首を捻ることができると思っているだろう。
しかし、すぐにそれが難しいということが分かるようになり、さらに裏に支えるのが目に見えた。
歪むベロニカの顔を面と向かって見ることができないという事実がとても残念だ。
世間の評価はエレナが圧倒的ですね。
ここから大公家の反撃が始まるのでしょうか?
フランツェ大公の反応が気になります。