こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は248話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
248話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 最後の転換点
ユグドラシルはかつてないほど静かだった。
嵐は一度過ぎ去った後だったが、まだ事件が完全に終結したわけではない。
あまりにも大変なことだったので、まだ後始末することが多く残っていた。
人形たちが掃いた場所を整理することも苦役だ。
死傷者が多く出ただけに、あちこちに散らばった人形と人の残骸を収拾するのは普通のことではない。
目の前に広がる辛辣な光景に耐え切れず、嘔吐する人も多かった。
「まさかこんなことをするなんて、気が狂っているんじゃないか」
史上初の事態を迎え、首長らが緊急に一堂に集合する。
「こんな真っ黒な心を隠していたとは、気が狂ったやつとしか!ノエル・ベルティウムに必ず代価を払わせなければならない」
ヒアキン・フィペリオンはテーブルを乱暴に叩きながら声を荒げた。
怒りを燃やしながら強く主張する彼の言葉を聞いて、バドリサ・ガストロが静かに口を開いた。
「それには同意するが、真っ黒な中身を隠していたのはフィペリオンも同じではないのか?」
ヒアキンは顔を引き締める。
「ユグドラシルの中から魔物を呼び込めるということを今までまんまと隠していたとは」
ヒアキンに向けられたバドリサの瞳が鋭く輝いた。
彼女が今叱責しようとしているのは、単にフィペリオンで魔物に対することを隠していた点ではない。
「それでも百回譲って、それはあり得ると思う。でも、どうしてもっと早く魔物を取り出さなかったの?」
もちろん人形たちの虐殺劇が早く幕を下ろすのにヒアキンの魔物が一助した部分もあったが、問題は彼の対応にすでに遅れた感がないじゃないかあるということだ。
「フィペリオンで秘密を隠そうと戦々恐々としながら、あれこれ再考をためらっていなかったら、今より死傷者数が半分は減っただろう」
厳しい忠告だった。
今回の事態が起きた時、一番先に勇気を持って先頭に立って敵を阻止しようとした人の多くはガストロ所属だった。
それで今回の死傷者の中ではガストロの被害者が最も多い。
「・・・その部分については言うことがないね」
そのため、バドリサの非難も納得できたが、ヒアキンもその言葉をじっと座って聞いているわけにはいかなかった。
「しかし、ガストロ側も今回の乱闘の中で見たら、荷物からかなり危険なものが発見されていたが」
「・・・」
今度はバドリサの口が塞がる。
「ユグドラシルの中に薬を持ち込むなんて、呆れたね。親睦会の間、ガストロと付き合い、それにつられて手をつける人が他の家門から出てきたら、このことをどう責任を取るつもりだったんだ?」
人形があちこちをくまなく探している間、ガストロの荷物に一部混ざっていた麻薬も表面的には見え隠れしていたのだ。
先日の火災の時、アグリチェの助けでガストロの恥部が発覚することなく無事に乗り越えたことが色あせる瞬間だった。
「危険な気持ちを隠していたのはアグリチェも同じだ」
ヒアキンはガストロを指摘するだけでなく、アグリチェまで狙う。
「私が庭ではっきりと見た。みんな、体に武器を隠しておいたよね?ユグドラシルが非武装地帯であることを知っているはずだが。やはり蛇から生まれたのは蛇の子に違いないということか。陰険なのがラントとそっくりだね」
ジェレミーは鋭い視線に向き合い、冷静に答えた。
「武器というには粗雑な所持品に過ぎません。私の兄弟たちは皆、性情が小心者で、細かい心配が多く、万が一の緊急事態に備えただけです。もちろん、魔物を隠していたフィペリオンに比べると、はるかに足りない対比だったことを、この機会に実感しましたが」
ー修学んだかのように謙譲をふるう真似をする。
「そして、私の兄弟たちが危急な状況でも最善を尽くして弱者を保護しようと努力する間、フィペリオンの後継者になった人が後ろから何をしようとしたのかを考えると、今、白の首長が私たちを非難する資格はないと思いますが」
ジェレミーが冷たく付け加えた言葉に、ヒアキンは歯ぎしりをした。
「そういえば、今日外部の警備に立つのもフィペリオンの番ではなかったか?もしかして、『フィペリオン』の後継者が、酷いことをするために警備を加えたのではないか疑わしいが・・・」
眉間にしわを寄せたバドリサまで一言加えると、ヒアキンの顔がさらに歪む。
しかし、彼はそれ以上の言葉を載せはしなかった。
結局は皆に傷だけを残した親睦会だった。
今日のことで気分が悪くなったのはペデリアンだけ。
ついにヒアキンは椅子に深々ともたれかかり、口元をひねった。
「怖いな。このままだと、ラント・アグリチェのように、私もペデリアンに断罪されるのではないか」
昨年の冬、アグリチェとペデリアンの間にあったことが、フィペリオンに損をすることはないと言って、別に問題視しない時はいつであり、彼が今になって歯ぎしりした。
「・・・何か勘違いしているね」
リセルは冷えた顔でそのようなヒアキンと向き合う。
「ぺデリアンは去年の冬のことを一度も自慢に思ったことがない」
低く沈んだ声が鋭い空気の中を遊泳する。
ヒアキンが今あえてその時のことを持ち出す理由を知らなかったわけではなかった。
しかし、リセルは「私はあなたたちと違う」と否定する代わりに、ただ淡々とそのことを自分の過ちだと認めた。
「あれは確かにぺデリアンの私的な恨みによる報復だった。その点を否定するつもりはない。適当な理由があったというが、それを解決する方法さえ正当だったとは思わない」
もちろん、それでも彼はどうしてもラント・アグリチェを殺してしまっただろうし、たとえ再び過去の日に戻ったとしても、同じように息子がやろうとすることを支持してしまっただろうが。
「だから、強いて是非を問うなら、今この場で堂々とできる人はいないだろうか」
薄氷の上を這うように立っていた空気が低く沈んだ。
「私感に陥って一番急を要することが何なのか忘れないようにしよう」
しばらくしてバドリサが硬直した空気を壊しながら再び口を開いた。
「ユグドラシルの外に人形が何体か抜け出たようだから、今はそれを処理する問題が至急だ」
「そもそもベルティウムで行ったことだから、フアン首長に仕事を簡単に解決できる他の方法があるのではないかと思うが、彼はあのようだからな」
皆体がモップのように裂けて、まだ意識のないノエル・ベルティウムを考えて眉間を狭めた。
「黄の首長がこのようなとんでもないことをした理由が、本当にあの半死体である人形のためだというのか?そんなことでこんなに執着を?」
「その人形も騒乱の中で外に抜け出したようでした」
「ノエル・ベルティウムをあんなふうに作ったのは、あの人形のようだと言っていたよ」
「ベルティウムの人形はすべて見つけて壌してしまわなければならない!あれらは世の中にあってはならないものだ」
他の首長たちの視線がジェレミーに留まる。
しかし、彼らのうち誰もベルティウムの人形をすべて壊すべきだというヒアキンの主張に反対しなかった。
ジェレミーも逃走したニックスと彼を追いかけたデオンを思い、不快な顔で口を固く閉ざした。
まもなくベルティウムの人形を追うための追撃隊が構成される。
「首長、お出でになりましたか」
会議室を出るヒアキンの横に腹心たちが近づく。
「オルカはまだ意識がありません」
腹心の口から出た名前を聞いて、ヒアキンは噛みつくように口ずさんだ。
「不細工なやつめ。たかが女一人どうしようもなく、魔物まで取り出して、この様か」
甥のオルカが何をしようとしてこのようになったのか、ヒアキンも話を伝え聞いている。
実に呆れた話だ。
幼い時からあらゆる事故を起こしても、肩を持ってきた代価がこれだというのか?
しかも今日あったことは、ユグドラシルの中にいる皆が危険だったほとの途方もない大事件。
フィペリオンにも、死んだり怪我をした人が相当数出た。
ところが、後継者というやつが自分の家門の一員を保護することはできないが、その時間にのんびりと女性を強制的に何とかしようと試みていたという。
そのとんでもない知らせを聞いた瞬間、ヒアキンはオルカを相手に細く維持されてきた忍耐心が初めて完全に切れたことを感じた。
ユグドラシルの中にいた医者はすでに死んでしまい、まともな診察をすることはできなかったが、オルカの状態を見れば中毒が疑われた。
疑わしい部分があることだったので、家門の力を動員して真相を把握するにはそうすることもできた。
しかし、今やヒアキンはオルカに完全に愛想がつき、彼のためにこれ以上どんな努力もしたくない。
正確に言えば、もうオルカの後ろを拭いてあげるのに飽きたという方が正しかった。
そもそも、オルカから家門を保護する一抹の考えすらなかったのではないか。
ところで家門でそんな奴を保護する義務がどこにあるというのか?
「これからあいつは私の後継者ではない。だから誰も私の前であの恥かしい名前を持ち出すな」
ヒアキンの煽々とした目つきがどれほど悲しかったか、彼の後ろについてきた腹心たちは、オルカに対する言葉をどうしても再び口にすることができなかった。
被害は想像以上に大きかったようです。
結局ガストロの秘密もバレてしまいましたね。
オルカも生きているようですが、今後の人生は辛いものでしょう。
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