影の皇妃

影の皇妃【291話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は291をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【影の皇妃】まとめ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております。 ...

 



 

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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291話 ネタバレ

影の皇妃【290話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 今回は290話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • それぞれの決意

「陛下が餌を投げました」

エレナは現在の状況を冷静に説明した。

新たに改革した皇宮近衛除が大々的に山賊討伐に乗り出すという話が首都に広まっている。

これまで有名無実な集団に転落していた皇宮近衛隊の地位を生かすために大々的な査閲式を開き、団長兼皇太子であるシアンが陣頭指揮して先頭に立つと知られた。

残された課題は、フランチェ大公が餌を取るかどうか。

「フランチェ大公が動くだろうか?まさか一度だけなく、二度も皇帝を変えようとするかと思って」

「動きます。今動かないと枯れて死ぬということを、大公の方がよく知っているはずですから」

「小鳥の心臓」であるカリフの憂慮とは違って、エレナは強い確信を示した。

大公家の資金事情は最悪に向かっており、リチャード皇帝の反対にぶつかってバスタージュ家の相続まで阻まれた状況だ。

このような状況でフランチェ大公が選択する手段はそれほど多くなかった。

エレナは顔をそむけてエミリオを見る。

「ヒュレルバード卿から別に来た知らせはありませんか?」

「はい、恩人」

「便りのないことが朗報になるといいですね」

「ご心配なさらないで。ヒュレルバード卿ならすでに山の近くで皇居近衛隊を迎える準備ができているはずです」

首を縦に振るエレナの瞳には、2人に対する強い信頼が込められていた。

考えてみれば、カリフやエミリオよりも以前から彼女についてきた2人だ。

そんな二人に対するエレナの信頼は絶対的にあった。

「それよりどうして呼んだの? 急用があるんだって?」

エレナの呼びかけに業務を見かねて呼ばれてきたカリフが尋ねた。

「お二人にお話があるので、お会いしましょうということでした」

「私もですか?」

エレナはエミリオの反問に頭を下げる。

「仕事が終わるまで首都の外に避難してください」

「・・・」

意外な発言に驚いたカリフの目が丸くなった。

エミリオも同じようにエレナを見る。

「サロンも大公の標的になるでしょう。最悪の場合、サロンの主軸である私や先輩、エミリオさんは住みにくいと思います」

「それで避けていろって?」

「私の話は、あえて危険を冒す必要はないということです」

エミリオとカリフの不在が長引けば、サロンの運営に支障が生じるだろうが、数日程度はエレナ一人でも十分に耐えられる。

今まで助けてくれただけでも過分だが、命までかけろと言うには恥知らずだった。

「ちょっと待って、じゃああなたも行くの?」

「私はサロンに残ります」

「あなたは残って私たちだけ行けって?」

「寂しく聞こえるかもしれないのは知っています。でも、私まで席を外したら、フランチェ大公が疑うでしょう」

他の人は知らなくてもエレナはサロンに残らなければならない。

サロンがまさにLで、Lがまさにサロンだから。

いつものようにサロンで姿を見せるだけでも、フランチェ大公の疑念を払拭するのに大きく貢献できるだろう。

「行かない」

「先輩」

「あなた、この前もそうだったのに、またこうだね。もうー度言うけど行かない」

カリフは意を決して曲げなかった。

それはエミリオも同じ。

「恩人、申し訳ありませんが、今回のお願いはお聞きすることができません」

「エミリオさん」

エレナはため息をついた。

あまりにも頑固な二人に限りない感謝を感じながらも申し訳なかった。

これまで受けた助けだけでも一生返せないほどありがたいが、命までためらわずにかける彼らにどのように恩返ししなけれはならないのか途方に暮れてしまう。

「お二人の意思は、よくわかりました。私もこれ以上この話は取り出さないです。みんな一緒に暮らしましょう」

彼らのためだという気持ちがむしろ真心を無視する仕打ちにならないためには、計画は必ず成功しなければならなかった。

「恩人」

エレナは頭を上げた。

「仕事が終わったらルシアを首都に連れてこようと思います」

「娘さんをですか?」

「もう病気も完治したというので、首都に滞在してもっと大きな世界を見せたいのです。また、恩人を見ると、あの子も学ぶことが多いでしょう」

「そうですね。私もルシアさんに会いたいです」

エレナは笑顔で歓迎した。

短くても名前と身分を貸してくれた彼女にぜひ会ってみたかった。

エミリオが風を言うやいなや、カリフが頭を掻きながら口を開いた。

「私も紹介してあげたい人がいる」

「先輩、恋人ができましたか?」

「うん、いい人だよ。とても綺麗ではないけど思慮深く、優しくて、私をたくさん愛してくれる女性だ」

本来ならカリフの妻になるべきだった女性だが、エレナに会ってすれ違った縁がある。

どうせなら彼女であることを願った。

「どんな人なのかぜひ会ってみたいですね」

エレナのかすかな笑みは胸にじんと響いた。

このような状況で、エミリオとカリフが本音を持ち出す理由が推測できるからだ。

みんなで生き残ろうって。

すべてを成し遂げた後、幸せになる時間を持とう。

その真心に感動したエレナが感情を落ち着かせながら執務室を出た。

その場にもっといたら弱い気持ちがばれるのではないかと思ったからだ。

 



 

エレナはレンが泊まる部屋に向かった。

そしてドアをノックしようとした瞬間。

閉まっていたドアが開き、レンとばったり出会う。

「グッドタイミング。そうでなくても、あなたを見に行こうと思ったのに」

エレナを見るやいなや、何がそんなに嬉しいのかレンがにやりと笑った。

しかし、エレナの表情はどこか暗い。

「行くんですか?」

「行かないと。整理することも多いしね」

レンは大したことではないように話したが、全くそうではない。

まだ完全ではない体を率いてバスタージュ家に布陣した裏切り者を探して処理することは容易ではない。

騎士団の整理は短時間でやり遂げなけれはならないことであり、武力衝突の可能性も排除できなかった。

「また怪我をしたら自分でやってください」

「なんで、看護してくれないの?」

「どうかしましたか?」

「君が看護してくれたらまた怪我するかと思ったのに」

エレナは目を伏せて憎らしく見つめる。

「無理しないでください。ダメだと思ったら逃げてください。私の話、分かりましたか?」

レンは振り返らずに手を振って、挨拶の代わりにメルと一緒に姿を消した。

人の気配が消えてがらんとした部屋に入ったエレナは、分からない寂しさを感じた。

ここ数ヵ月間、応接室で感じていた温もりが冷めてしまったためだ。

「絶対に生きてください、レン」

エレナは風を込めてつぶやき、ドアを閉める。

「働こう、働こう」

みんなそれぞれの位置ですべきことがあった。

心配したからといって変わることはない。

今できることに最善を尽くすだけだ。

エレナは現在に集中することにした。

 



 

皇居庭園。

向かい合った夫婦、リチャード皇帝とフィレンツェ皇后がお茶を飲んでいた。

「もう何杯目のお茶ですか?用件があって呼んだんじゃないですか?」

フィレンツェ皇后の声に冷気が流れる。

野心に満ちていた彼女が子供を産むことができず、2人の関係もずれて久しい。

殻だけが残った夫婦だった。

「必ず用件がなければならないのか?」

「・・・」

「せっかくだから呼んだんだけど。皇后は相変わらず薄情だね」

リチャード皇帝はお茶を飲みながら大笑いする。

しわくちゃになった彼の笑顔には悪意ではなく真心がたっぷり込められていた。

親しくはなくても夫婦として生きてきた歳月が少なくないだけに、それを知りながらもフィレンツェ皇后はそのような気持ちを無視した。

「おっしゃることがなければ、もう帰りましょう。これからは用事もなく呼ばないでほしいです」

初めから政略結婚だった。

皇室の結婚がすべてそうであるように、個人の私的な感情より他のことをさらに優先視した。

ところが、歳月が流れてそのすべてが後悔され無駄だと感じられた。

「今日は来てくれてありがとう」

「・・・」

礼儀正しく背を向けていたフィレンツェ皇后の眉間にしわが寄る。

突然、リチャードは他の人のように愛想を尽かすような態度を取っていた。

「これまでの申し訳なさを込めて、ささやか贈り物を送った。大切にしてくれ」

フィレンツェ皇后は後ろも振り向かず、庭を出てしまった。

残されたリチャードはその後ろ姿を目で追ってつぶやく。

「すまない、皇后。私が不徳のあまり最後まであなたに大きな荷物を預けることになった」

 



 

カリフの恋人は同じ女性であってほしいです!

ルシアとエレナの出会いも期待ですね。

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