影の皇妃

影の皇妃【58話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は58をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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58話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • レンとの食事

4日後、エレナはレンの招待に応じるかどうか真剣に悩んだ。

彼の性格上、単なる食事の席だとは思えないから。

酷い目に遭う可能性は濃厚だろう。

(それを知っていながら行かなければいけないなんて)

最初から選択権はなかった。

仕返しを恐れるのではなく、レンがあまりにも多くを知ってしまったというのが問題だ。

「今になってルシアという身分を捨てるわけにもいかない」

それがレンの干渉から逃れる唯一の方法だが、逆に多くを失うことになるだろう。

特に、ルシアに成りすまして築いた人脈に大きな打撃は避けられない。

その中でもラファエルが最も深刻だ。

依然としてスランプから抜けれられていないのだから。

そのため、エレナはレンの要求に応じざるを得なかった。

約束の時間に合わせて中央広場に向かう。

ベンチに行くとすでにレンが座って待っていた。

「天気を見ろよ。外食するにはちょうどいい日だ」

「早く行きましょう」

「何でそんなに急ぐ?」

レンがニヤリと笑った。

エレナはその微笑みの向こうに宿る陰険さに不安が生じるのを防ぐことができない。

 



 

  • 面識のない男性

彼の後に続くと、様々な食堂街が広がった。

(ああ・・・、今日は得るものより失うものが多いわね)

死地であることを知りながらも歩くしかできないのが、今のエレナの立場。

レンが予約したというレストランは、過去にエレナが訪れたことがある場所だ。

「いらっしゃいませ。この階のテラスに席を準備しております」

スタッフの案内でこの階に上がると、そこは眺めがいいのはもちろんだが、静かに食事をすることもできた。

「お座り」

レンが丁寧に席へ誘導する。

彼の気難しい気性を知っているので、エレナは緊張を緩めなかった。

食事が運ばれる中で今回の目的を尋ねるが、レンは食事だけに集中していた。

本当に食事だけを目的に自分を誘ったのかと疑うくらいだ。

「食べないのか?」

「食欲がないんです」

「食欲がないのか、俺と一緒に食べるのが嫌なのかな?」

「両方です」

エレナは一瞬の躊躇いもなくそう答えた。

「わあ、傷ついた」

レンがふざけていることに気づく。

「仕方がないな・・・」

悪戯な表情を浮かべたレンは手を軽く叩いた。

すると、部屋の外で待機していたスタッフが入ってくる。

「彼をお連れしなさい」

「彼?」

何故か不安な気持ちになる。

ルシアに変装して過ごすため、外部の人物に会うのは好ましくない。

レンはそんなエレナの表情を見て楽しんでいた。

「何をそんなに震えているの?」

「楽しみで」

そう言い返すが、喉が乾いて水を飲み干す。

やがてドアが開かれ、見知らぬ男性が姿を現した。

(誰だろう?)

記憶を探っても面識のない男性。

レンは彼のそばに立ち、エレナと男性を交互に見てニヤッと笑う。

「挨拶しないの?」

「・・・」

「何?まさかこの方が誰なのか分からない?」

エレナは何の反応も示さなかった。

レンの目つきが変わる。

まさかと思った疑いが、徐々に確信に変わっていく過程だった。

背筋から冷や汗が流れる。

沈黙が長くなるほど、レンの口元に浮かんだ笑みはさらに濃くなった。

(このままだと、みんなバレちゃう・・・)

エレナは最悪の事態を想定した。

過去の人生、代役ということがバレてレンに悩まされたことを思い出す。

それだけは阻止したかった。

 



 

  • アドリブ

「元気だったか?」

「・・・!」

じっと黙っていた男性がエレナに安否を尋ねる。

それもこの上なく優しい口調で。

「そんな制服を着ていると、結構淑女らしいね」

「・・・」

「空にいる君のお母さんが見たら本当に満足しただろうね。娘が立派に成長したことに」

(お母さん?娘?)

エレナは一瞬で、男性の正体を推し量ることができた。

(カストル商会のトップ、エミリオ)

そして。

(ルシアの実の父親)

一気に状況を把握する。

同時に驚かざるを得なかった。

(何で私を助けてくれるの?)

ふと疑問に思うが、エレナは考えるのをやめた。

何がどうなっているのか分からないが、今の状況から逃れられるのがより急務だと判断したため。

「ええ、お父さん」

エレナの口から小さいけれど、はっきりした発音で「お父さん」という単語が出てきた。

「ああ、我が娘よ。父がどれほど心配したか知ってるか?」

エミリオは近づいてきてエレナに抱きついた。

そのまま彼女の耳に彼は低い声で囁いた。

「彼は疑っています」

「・・・!」

そう話すエミリオの暖かい視線は、本当に娘の安否を心配した父親の姿そのものだった。

エレナは戸惑いを隠して自然に演技する。

「どうやって来られたのですか?頼りもなくて驚きました」

「君に急用ができたと聞いて、仕事も放り投げて駆けつけたんだ」

「私にですか?」

エミリオはうなずいてレンを見る。

レンの顔は見事に歪んでいた。

本人が望んだ光景は、これではないような不満がはっきりと分かる。

「元気ですが・・・?」

「そう見えるね。ただ君の身辺に関する話なので、何も確認せずに走ってきたんだ」

「・・・」

おおよその状況が把握できる。

レンがルシアの正体を暴くためにエミリオを呼び寄せたのだろう。

「公子様、これはどういうことでしょうか?私が必ず来なければならないと仰った理由をお聞かせいただけますか?」

エミリオの話し方は丁寧だったが、言葉の中に込められたニュアンスは追及に近い。

「お宅のお嬢様が一度も講義に出席していなかったので。それに、寮にもいなかったと聞きまして。だから心配したのです」

「たかだかそんな理由で私を呼んだのですか?」

「たかだか?」

レンが思わず反射的に問い返す。

誰が見ても正常ではない学術院生活を受け入れるエミリオの態度に納得できていないからだ。

「ええ、別に不思議ではないことですが」

「・・・!」

レンの目が揺れる。

彼の思っていたのとあまりにも物事がうまく進んでいなかったから。

 



 

ここでまさかのエミリオが登場するとは!

予想もしていませんでした・・・。

何とかレンの策略を抜け出すことができそうですね♪

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