こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は111話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
111話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱出④
歯を食いしばって起き上がろうとしたが、吐き気がして腕が震えた。
こうやって終わるのかな?
否定的な考えが私の頭を支配したその瞬間、後ろから何か黒い物体がフランツを襲う。
「なんてこった、このろくでなしめ!」
「くっ!」
フランツとマックスが入り混じって寝転がる。
一体どうしたんだろう?
正直、マックスがここまでやってくれるとは思わなかったので、呆然とした。
「叔母さん、しっかりして!」
いつの間にか部屋に入ってきたルカが、私の腕を小さな肩にかけて催促する。
逃げずにむしろ修羅場に歩いて入ってくるとは。
そうだよ、ここでうっとりしている場合じゃない。
私は歯を食いしばって足に力を入れた。
ルカに助けられて席から立ち上がってよろよろ足を運んだ。
後ろでタン、タン!と銃声が2発鳴る。
近くで聞こえた銃声にびっくりした私は反射的にルカを体で覆った。
後ろを振り返る余裕もない。
幸いにもやっと部屋を出ることができた。
廊下には続く部屋が多かった。
どこに行けばいいのか全く見当がつかず、いらいらしてきょろきょろしている瞬間、後ろから誰かが私の腕を強く引っ張る。
「とりあえずこちらへ」
マックスだった.
どうやってフランツを振り切って抜け出したのかは分からないが、彼の顔色は良くない。
私は急いで尋ねた。
「フランツは?」
「すぐ追いかけてくるよ」
マックスは声を張り上げて急いで歩いた。
案の定、後ろから銃声を聞いて走ってきた他の人たちとフランツの声が遠くから聞こえてきた。
「ボス!」
「あいつ、あいつを捕まえろ!」
私たちは急いだ。
何度も部屋を通り過ぎ、正体不明の場所に向かったマックスは、廊下の突き当たりにある部屋のドアを開ける。
「入って」
彼は息を切らしながら部屋に出て、ルカの背中を押す。
それからドアに立ったままルカに尋ねた。
「近衛兵がいつ頃入ってくることになっている?」
「私がさっき凧をあげたから、貧民街の路地が複雑なことを考えると・・・5分ほど後?」
窓の外で綱を結びながら凧を上げたようだ。
「信号弾は音がするから」
私はそっと感心した。
刹那の瞬間、マックスの両目が輝いた。
まるで何か大きなことを覚悟したかのように・・・。
マックスは淡々と語り続ける。
「この部屋は唯一、中からドアをロックできる。そんなに長くはもたないだろうけど、5分ぐらい耐えればいいから十分だろう」
「・・・マックス、あなたは?」
「・・・」
マックスは答えなかった。
彼は短い沈黙の中で一緒に部屋に入らないということを感じた。
そうしている間、覗線が自分も知らないうちに彼が握っている腰に向かう。
彼の腰は赤く染まっていた。
フランツとのもみ合いの最中に撃たれたようだ。
まさかドアの外でフランツを阻んでいるつもりなのだろうか?
まさかと思ったが、まさかではなかった。
マックスは私とルカを部屋に置き、ドアを閉めようとする。
私は慌ててドアをつかんだ。
助けを求めたが、犠牲を望んだわけではない。
しかもマックスは私と全くはっきりしない関係だ。
そんな彼が私のせいで死ぬかも知れないなんて。
罪悪感が私を震撼させた。
本音がそのまま顔に映ったのだろうか。
マックスはにっこりと笑いながら、やや落ち着いた声で話した。
「あなたのせいじゃない。私の選択だから。フランツ、あいつに食ってかかった時からどうせこうなると思っていたよ」
「でも!」
「私もあなたに何か好感があるからではない。あなたがお金をくれると言ったじゃないか」
「死んだらみんな意味ないんですって・・・!」
「どうせ私は駄目だ。それなら時間でも引いたほうがいいよ」
「・・・」
「私には娘がいる。長い間病気でベッドにだけいたので、いつ外で遊び回ったのか記憶も曖昧な娘だ」
娘を思い出したマックスはにっこりと笑った。
すぐにでも死にそうに顔色が青ざめたが、その瞬間だけは分からない期待で胸がいっぱいになった顔だ。
彼はポケットに入れておいた私のイヤリングをもう一組私に手渡した。
「あなたが生きていけば、これ以上くれると言ったでしょう?なんとか耐えて生きて。このイヤリングを含めて、私の命の代償は私の娘に払って。王族だから値段はちゃんとしてくれると信じる」
私は手に落ちたイヤリングのペアをじっと見る。
こみ上げる感情に喉が詰まった。
しかし、感情に酔っている暇がない。
私はマックスが安心できるようにはっきりと答えた。
「・・・心配しないで下さい。あなたの娘が完治するまで私が責任を負います。あなたの名前は?」
「マックス・ハッター。私の娘はクロイ。クラヴェッガ27番地。覚えておいて」
「クロイ。クラヴェッガ27番地」
「ああ」
マックスは満足そうに微笑んだ。
やっと娘を治してあげられるかのように、すべてを手放した彼はとても身軽な顔だった。
私はドアを横切るかんぬきに寄りかかって、部屋の中でルカをぎゅっと抱きしめていた。
ルカは私の腕の中でドアだけを見つめている。
いつ飛び出すか分からない時限爆弾のような姿に、私はルカを抱きしめた手にさらに力を入れた。
罵声と銃声、そして剣の音が聞こえた。
閉ざされた戸の隙間から血が流れてくる。
それが誰の血なのかはあえて確認しなくても分かるような気がした。
バタン、バタン!
木戸が揺れた。
鉄のかんぬきがかかってはいるが、いざドアが壊れてこそ意味がなかった。
5分。
短い時間が長く感じられた。
「ルカ」
「・・・どうしたの?」
「出てこないと、約束して」
「・・・」
ルカは黙り込んでいた。
このような状況でも、絶対に口先だけのことを言わない意地がルカらしいというか。
深刻な状況なのに思わず笑いが漏れてしまう。
(そうだよ。全く効かないことを言うのは、私のせいだよ)
そのようにつまらない考えをしている間、木の板が割れる音が特に鋭く聞こえた。
「マックス、こいつ。どうして裏切って人に迷惑をかけるんだ・・・!」
「近衛兵が集まっているんですよ、ボス!その女をつかまえたら交渉の余地があるんですか?」
「そうだ!だから急げ!」
ドア越しに聞こえる声がだんだん大きくなった。
近衛兵が目の前までやってきたのか,とてもいらいらしているようだ。
ドアが壊れてフランツが押しかけるのが先なのか、それとも近衛兵が彼らを制圧するのが先なのか。
秒読みに等しいほど状況が緊迫した状態に変わった。
しかし、残念なことに、神は私の味方ではなかった。
マックス・・・。
彼の娘を助けるためにも無事に脱出しないといけないですね。
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