こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は114話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
114話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 幸福が訪れる春
目が覚めた。
ずいぶん長い間気がついたのか眼球が硬い。
やっとの思いで瞼を上げた私の目に一番最初に入ってきたのは見慣れた天井だった。
ああ、王宮に戻ってきたんだ。
ほっとした私はやっと少しうめき声を上げる。
「うん・・・」
「ユディット・・・さん?」
私のすぐそばでリューディガーの声が聞こえた。
何度も私を呼んだようだ。
私は声が聞こえた方に向かって、かろうじて首をかしげながらにこっと笑う。
「リューディガーさん・・・」
「ユディットさん!」
私が彼の名前を呼ぶや否や、リューディガーは私が死んで生き返ったかのようにびっくりして私の名前を叫ぶ。
今になって見ると彼の顔はめちゃくちゃだった。
両頬には涙の跡が残っていて、鼻先は真っ赤だ。
目を覚ますやいなや泣いているリュディガーと向き合うと、その前に私が何を考えていたのか白く飛んでしまった。
リューディガーは私の手に向かって手を伸ばす。
しかし、彼の手は目的を果たせないまま、空中でしばらく止まった。
私の指に全部包帯が巻かれていたからだ。
リューディガーは私の手を力を入れて握る代わりに、まるで子鳥に触れるかのように注意深く握りしめ、嗚咽した。
「よかったです。本当によかったです・・・」
山のように堅固だった男が崩れる。
厚かましく話にならないことをもっともらしく吐き出しながらも、少しの良心の呵責もない冷静な男がだ。
そんな彼が世の中が崩れたとしても建てないような顔で私を眺めていた。
「この馬鹿!」
「ルカ・・・」
リューディガーのそばにルカもいたようだ。
ルカは大声で叫んだ。
「銃を撃つのにそれをぼんやり見ていてどうするんだ!避けるべきじゃないか!」
「冗談でしょ?あの距離で撃った銃をどうやって避けるの?」
「普段は根性で何とかできると言っていたのに!」
「それは君を説得しようとした言葉だ。しかも、最初から信じもしなかったじゃん」
ルカと一度話をしたら、私が無事に帰ってきたということが実感できた。
ルカは一安心したかのように大きく安堵のため息をつく。
「とにかく、休んでいてね。医者呼んでくるよ。おばさんも目が覚めたから、おじさんも少し寝て来いって」
「しかし、私が寝て来る間に、ユディットさんにもし問題が起こったら・・・」
「そんなことないよ!何の縁起でもないことを言うの?」
ルカは呆れて面と向かって言った。
10歳の甥と32歳の叔父とは信じられない対話だ。
(私とルカが会話する時もこんな感じなんだろう・・・。年と関係が変わったように・・・)
私はくすくす笑った。
しかし、他人事だと思うと、これ以上笑わせることはできなかった。
ところがルカの言葉の中で少し引っかかることがあった。
私はすぐに尋ねる。
「ところで・・・。リュディガーさん、今まで寝てなかったんですか?」
「寝てないと思ってるの?」
ルカは首を横に振った。
「自分が撃った銃弾がフランツを貫通して叔母さんに当たったと勘違いしたんだ。自分が叔母さんを殺したと言って自殺しようとこめかみに銃を向けるのを止めるために私と近衛兵たちがどれほど苦労したか分からない。おじさんが撃った銃弾はフランツに剌さっていて、叔母さんはただフランツが撃った銃弾がかすれただけだということを説明してからやっと落ち着いた」
「・・・」
ルカの言葉が信じられなかった私は、じっとリュディガーを眺める。
だから今、自殺しようとしたということですか・・・。
わぁ、頭がぼうっとするね。
私たちの仲を自嘲的にロミオとジュリエットと言ったが、本当にロミオとジュリエットのようなエンディングを望んだからではなかった!
(言葉が種になるというのに)
私は頭をよじったまま舌打ちをする。
一瞬、心臓がドキドキした。
それでも何事もなくてよかった。
私はまだ泣き止まないリューディガーを欲しがった。
「まず、リューディガーさんはもう泣きません」
私の話が終わるやいなや、リュディガーは大きくすすり目を盗んでいった。
しかし、あまり役に立たなかった。
目が合う度に、この現実が信じられないというように涙ぐんだためだ。
(体の気が散る男がわあわあ泣いているから、妙な加虐心があるんだよね)
私は舌打ちをした。
男が泣くのがあまり好みだと思ったことはないが、本番がハンサムな男ならまた気持ちが変わるようだ。
刃物で剌しても一滴の血も出ないような男が私のせいで泣いているなんて。
胸の片隅が分からないドキドキで騒々しく走った。
しかし、泣き続けているのを見ると、そろそろ心配になってきた。
一体いつから泣いていたの?
リューディガーに聞こうと思ったけど正確な答えを聞くのが難しい。
私は代わりにルカに尋ねる。
「それで・・・あなたのおじさん、いつからこんなに泣いていたの?」
「おばさんが気絶するその瞬間から」
そうなんだ・・・なんだか、そうだと思った。
しかし、ルカの答えは私が望む答えから少し遠かった。
私はもう少し具体的に聞いてみる。
「私が気絶してからどれくらい経ったの?」
「3日間だよ」
・・・え?
私は驚いてリューディガーを見た。
3日間寝ずに泣いてばかりいたというの?
脱水で倒れたことが容易なほどだ。
リューディガーの目の下が真っ赤になっていた。
長いまつげの下の涙は、とりわけ目を引く。
(ハンサムな男は泣くのも綺麗だよね)
思わずリューディガーの目元に手を伸ばす。
しかし、私の手は虚空だけをひっかいた。
リュディガーが体をすくめて私の手を避けたからだ。
別に彼の目元を触りたいとは思いませんでしたが、訳もなく避けられたら意地が張ってきた。
私はリューディガーを促す。
「どうしてですか。こっちに来てください」
「泣きすぎてブサイクになりました。ユディットさんはハンサムな姿が好きなので、私の醜い姿を見ると愛想を尽かすでしょう。お見せしたくありません」
・・・一体何を言ってるんだ?
(泣くこともハンサムな人がこんなことを言うのは、どう聞いても遊説みたいなもんだよ・・・)
リューディガーは自分の顔が立派だということをよく知っていると思っても、たまにこんなとんでもないことを言った。
(トーマスに嫉妬したのもそうだし)
しかし、リューディガーは意地を張って首を回していた。
どうせ意地を張るなら涙でも拭いてよ。
早くこっちに来いと怒嗚りつけようかと思ったが、私は路線を変えた。
「イタタ。腕を持ちすぎていると腕が痛いね・・・」
このように大げさに言うと、リュディガーがすぐに意地を折ると思う。
そして、その予想はぴったり合った。
「とても痛いですか?どこが痛いですか。私が揉んであげましょうか?」
私が大げさに言うやいなや、リューディガーは遠く離れていたのが嘘のようにびっくりして近づいてきた。
「こっちに来てみてください」
大騒ぎするリュディガーの姿にくすくす笑いが出た。
さっきまではじいていたのが嘘のように、リュディガーは私にそっくり頬を渡してくれる。
私はどこかへこんだルデイガーの頬を痛切に撫でた。
そしてそんな私たちを見る冷たい視線があったから・・・。
「よく遊んでるね、本当に」
ルカは舌打ちをして私たちに向かって目をやった。
ふん。
恋人と恋愛したらどうだって!
そうでなくてもルカの妨害のために、非常に厳しかった仲ではないか。
私は気にかけずにリューディガーを慰める。
リューディガーもやはり気にしていないようで、おとなしく眉をひそめ、私の手に顔をもたせた。
「とにかく、なぜそんなに泣いたのですか?見たところ大きな傷でもなかったようですが」
「大きな傷じゃないなんて!」
リューディガーが飛び跳ねる。
「撃たれたのは大変です!」
それが大変だという自覚はあるんだね。
最近になって、リュディガーの常識のレベルに疑問を抱いていたので、改めて驚いた。
私がそうするかどうかは別として、リュディガーは真剣につぶやいた。
「自傷に続いて銃傷だなんて。このようなことがないように私が責任を負うと言ったのに・・・」
「責任を負えばいいんです」
「そんなに簡単に解決できる問題ではありません!」
気乗りのしない私の返事にリュディガーはぶるぶる震えた。
「到底私を許すことができません。結局、このすべてが私がフランツを逃したからではないですか。そもそも私がフランツをちゃんと殺していたら・・・」
リュディガーは「私のせいだ」と自責する。
リュディガーがこのようなことにまったく適応できないのか、リュディガーを見るルカの顔が微妙だった。
「まあ・・・そういえば、私がリューディガーさんを信じられず、私が企んでいることについて率直に打ち明けられなかったせいもあるんですよ。ですが、リューディガーさんはそんな私を恨まないでしょう?」
「もちろんです!」
「私も同じです。だからもう泣かないでください」
リューディガーは、状況を軽く見過ごす私の態度に納得していないようだった。
しかし、どうしようもない。
結局、仕方がないかのようにうなずくしかなかった。
リュディガーの涙が止まってから一安心した私は、後になって状況を尋ねる。
「まず・・・人を呼ぶ前に、どういうことなのかちょっと話してみてください。フランツの件は完全に解決されたのですか?」
フランツが倒れる姿をこの二つの目ではっきりと見たが、それでももしもの状況に対する憂慮があった。
そんな私を慰めるように、リュディガーは断固としてうなずいた。
「はい。完璧に確認射殺まで終わらせました」
私は目をぎゅっと閉じる。
歓呼でも上げたい気持ちだった。
いよいよ自由なのだ。
私はあれほど変えたかった復讐劇のくびきを完璧に脱ぎ捨てたという感慨を一瞬満喫した。
フランツの―死を確実にしたのだから、あとは後始末だけが残った。
私はいっそう軽くなった気持ちで尋ねる。
「バーケン・レース・ストリートに連絡はしましたか?」
「そうでなくても、彼について話が進行中です。ちょうどお父さんもブルーイェンに来ていました」
「公爵様が・・・ああ、そうですね。首都に到着された時が来ましたね」
2週間ほど前にヴィンターヴァルトを出発したと言ったので、そろそろ到着する頃ではある。
首都に来るやいなや、私が拉致された知らせを聞くことになったのは残念だが。
ユディットが無事に目覚めて安心しました。
回帰のことは覚えているのでしょうか?
フランツの件も解決しましたし、これで物語はハッピーエンド?
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