こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は195話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
195話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ちび王子様の夏④
私の剣術の先生、エンディミオン卿はとても優しい人だった。
私たちが剣術の授業をサボっても、両親に告げ口をするような冷たいことはしないからだ。
すべての先生がエンディミオン卿のようだったらどれだけ良いだろう?
そんな話をすると、エンディミオン卿は微笑みながら、「そもそも先生というものは、みんな嫌われるものですよ」と言った。
「でも、剣術の先生や歴史の先生は嫌いじゃありません。あとの先生たちは、私の誕生日の宴会に来なければいいのにと思っています。」
「ほう、それほどですか?授業がそんなにつまらなかったのでしょうか。」
「それと、フェドロとアントンも招待しませんからね。」
「あの時は怒られたのではなかったですか?また喧嘩でもしたのでしょうか?」
エンディミオン卿が穏やかに笑っているのを見て、なぜか私は少し腹が立った。
それで、私は拳をぎゅっと握りしめて叫んだのだ。
「怒ってなんかいませんよ!一生家門の敵として扱うつもりです!」
「まあまあ、彼らも大変な目に遭いましたね。」
「絶対に許しませんよ!何をどう弁解しても、二度と私と一緒に授業を受けさせませんからね!」
「なるほど。でも、その時一体なぜ喧嘩になったのですか?」
「あいつらが道端で私を見つけて、寒そうだってバカにしてきたんです!」
エンディミオン卿はクスクスと笑いながら、「そんな三歳児がするような冗談に引っかかるとは」と言った。
私は息が詰まり、言い返せず、胸が張り裂けそうだった。
「僕じゃなくて、ダニルに言ったんですよ!あいつら、彼の服を引っ張ってバカにしたんです!」
エンディミオン卿はそれ以上笑わなかった。
代わりに、急に落ち着いた声で、「それをいつから知っていたのですか?」と尋ねてきた。
そんなことを知らなかったはずがあるだろうか?
まさか、私たちがそれに気づかないとでも思っていたのだろうか?
大人たちは時々本当にいい加減だ。
しかも理解できない行動ばかりしている。
例えば、ダニルのお父さんが、どうして「シプラレン銃撃事件」の際に彼を連れて行ったのか?
一生結婚できなくても別にどうってことないじゃないか?
そう尋ねたら、エンディミオン卿は慌てて手のひらで口を覆い、自分もよく分からないと言った。
どうせ知ってても知らないと言うつもりなんだろうと感じた私は、呆れて反発してみた。
「それなら、私も実は拾われた子供かもしれませんね?」
ただ冗談のつもりで言っただけなのに、急に空気がぴりっとした。
私が拾われた子供である可能性なんて、砂粒ほどもないことは分かっている。
誰が見ても、私は両親にそっくりなのだから。
だけど、もしもある日突然、私に弟や妹ができたらどうしよう?
ダニルだって弟ができる前までは、気楽そうだったのに。
もし私にも弟や妹ができたら、朝から晩まで無視される存在になってしまうのではないだろうか?
友達もみんな私を見ないふりをして、母上も弟や妹だけをかわいがるようになったら?
そうなったら、私は完全に終わりだ。
父上も弟や妹とばかり戦争ごっこをして遊び、親戚たちもいつも弟や妹へのプレゼントばかり持ってくるに違いない。
おじいさまも、私が遊びに行っても私を膝に乗せて昔話をしてくれることはなくなるだろう。
なんて、あまりにも悲しい話だ!
「どうしてそんなばかげた考えをされるのですか?王子様がお生まれになった時、ご両親がどれほど喜ばれたか、想像もつかないほどでしたよ。皆がどれほど嬉しかったか、王子様には分からないかもしれません。」
本当だろうか?
私は簡単に騙されないぞと心に決めていたが、少し気分が良くなったのは事実だ。
アンディミオン卿は私の頭を軽く叩きながら、「友達を守るために戦うなんて立派だ」と褒めてくれた。
そして、その嫉妬深さは確実に母上に似ているだろうと言われた。
もしそうなら、悪くはないが、確かめる方法はない。
その時私が喧嘩した理由は、ただ彼らの振る舞いにイライラしたからだ。
「もし父上だったらどうしたと思います?」
「ふむ、イライラしたらすべてぶち壊してしまうのでは?ははは。」
ああ、大変だ!
私はどうやら短気な父上に似てしまったようだ!
ドキドキする胸を抱え、決戦の日を迎える。
明日は私の誕生日だ。
しかも宴会の前日は授業が一切なかった。
大人たちは忙しくて、私たちが何をして遊ぶかなんて気にしていなかった。
母上に頼み込み、ユリと一緒に昼食を食べた後、水の庭園で遊んでもよいと言われた。
母上は笑顔で「そっと遊ぶなら助かるわ」と許可をくれた。
計画が順調に進み、わくわくした。
ただ、最終目的地がどのような場所なのかまだ分からなかったため、何を準備するべきか悩んでいた。
どこでも使えるように、滑り止めの効いた柔らかいオイルパステルを数本、袋に入れる。
去年のクリスマスにおじいさまがくれた特製のナイフも持参し、もちろん地図も忘れない。
すべての準備が整った後、ユリと昼食を食べて庭園に向かうことにした。
ところが、予想外にもダニルが一緒に来ていた!
絶対行かないと言っていたのに、どういうわけで一緒に?
「彼も行くってさ。」
ユリが言った。
私は不審そうにダニルを見つめる。
スープをかき混ぜていたダニルは、いつになく憂鬱そうに見えた。
「どうしたの?」
「知らないよ。家に退屈な親戚たちが大勢押しかけてきてさ。」
「それで、僕たちと遊ぶことにしたの?いつもは嫌だって言うのに。」
二人よりも三人の方が楽しいものだ。
それでも、再び元気を取り戻させようとしたが、少し手こずって肩をすくめた。
ユリがくすくす笑い出した。
ダニルはスプーンを音を立てて置き、私をじっとにらんだ。
そして、涙目になる。
「絶交しないって言ったじゃないか!」
「まだ絶交したわけじゃないよ、このおばかさん!」
執事の男性たちは、食事中に大声を出すと消化に悪いと言って注意した。
どこも耳が多い場所だったので、私たちはその話をやめて食事を続けた。
デザートには大きな山苺パイが出された。
ユリが私の頭の方にいちごを投げてきたので、私も同じようにやり返した。
ダニルもそれに続き、真っ白なテーブルクロスが瞬く間に赤く染まった。
食べ物で遊んではいけないと叱る執事たちは、突然非常に疲れた様子を見せた。
そこで私はもうふざけないと決め、きちんと座ったのだが、いちごがすべて飛び散ったパイは、奇妙な形をしており、見ていると笑いが込み上げてきた。
「変な形!」
「これは何?」
私たちは大笑いしながら叫んでいたので、近くにいた近衛兵が慌てて駆けつけた。
「王子様?! いったい何があったのですか?」
私は執事たちが私たちのように笑い始めるかと思ったが、大人である彼らは笑わなかった。
その後、私たちはパイの代わりに出された生姜クッキーを食べることに。
庭園を囲むように守衛たちが見張っていたが、それが特に問題になることはなかった。
この中で私たちがかくれんぼをしようが、探検ごっこをしようが、きっと見逃してくれるだろう。
だから普通に遊んでいるふりをして、そっと入り口に忍び込めばいいのだ。
「夕食前には戻らなければいけないよ。」
いざ秘密の計画を実行しようとすると、自然と緊張してきた。
まずは全員が持ってきた道具を確認することに。
ユリは立派な虫取り網とヨーヨー、それから空っぽの缶を持ってきていた。
ダニルは何も持ってきていないと思われたが、突然、とても立派な懐中時計を取り出したではないか。
私は驚いたが、ユリはそれを見て大笑いする。
「見てよ、この時計! こんなのどこで使うの?」
「どこで使うって、時間を確認するために決まってるだろ!」
「おい、それなくして俺たちのせいにするなよ!こだわり屋の君がそんなに簡単にお父さんの時計を拝借するなんてできたのか?」
「ふん、盗んだわけじゃない! ちょっと持ってきただけだ!」
「それがなんだっていうんだ、この泥棒!」
実は私も、ダニルがそんな大それたことをするとは思っていなかった。
この出来事を通じて、ダニルを少し見直す機会となった。
彼は意外にも素晴らしい冒険仲間になる気がする。
そんなことを考えていた矢先、ダニルは突然目を丸くして、ユリの耳たぶを強く引っ張った。
私はそれを見て驚いてしまった。
ユリもあまりのことに怒る暇さえなく、呆然としているようだ。
それでもダニルは、まるで自分が被害者であるかのように大声で泣き始めた。
「僕は生まれてこの方、泥棒なんかしたことないよ!」と叫び、自分が赤ちゃんの頃に住んでいた修道院の院長のお墓に向かって誓いを立てた。