こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は40話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
40話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 謎の信頼
ギルドとは、依頼者の要請によって警護、監視、調査、護送、拉致などの仕事を代行する私設機関。
合法的な依頼だけでなく、金額さえ満たせば不法な依頼も躊躇しない。
「これは絶対にバレてはいけないわ。あなたなら出来るわよね?」
「・・・分かりました」
何故か分からないが、メイはエレナの言葉の中に漠然とした信頼を感じる。
まるでメイなら、この全ての仕事を完璧に処理できるという信頼が。
「ギルド側にはできるだけ早く結果を出してほしいと伝えて。依頼費用はいくらでも払うから」
代役ではあるが、エレナはベロニカ公女の身分。
限定的ではあるが、ギルドの依頼費用程度なら十分な余力はある。
「ああ、出かけたついでにカストル商会にこの手紙を送って」
「今回も差出人を明らかにしないのですか?」
「もちろんよ。私とあなたを除く世界中の誰も知ってはいけない」
- ラファエルの画室
メイを送り出したエレナは、いつの間にか冷めてしまった紅茶を飲み、立ち上がる。
乱れた制服を着こなして部屋を出た。
「アン、図書館に行ってくるから、掃除をお願いね」
「はい、お嬢様。気をつけて行ってらっしゃいませ」
アンは何の疑いもなくエレナを見送る。
中央図書館に到着したエレナは、すぐに記録室に引き返した。
誰も妨害も受けずに記録室に入った後、部屋に鍵をかける。
そして、本棚に隠しておいた変装用品を取り出した。
変装を終えて、名札を「ベロニカ」から「ルシア」に変更する。
変装を終えて記録室を出たエレナは全くの別人。
おかっぱ頭で緑のメガネがよく似合う。
彼女の名前は考古学部の新入生ルシア。
彼女は急いで西側の別館に向かう。
噂を頼りに探し回り、ラファエルの画室が別館地下の廊下の一番奥にあるという情報を聞き、その場所を訪れた。
奥まった場所なので、人の気配もない。
「いらっしゃいますか?」
ドアを開けて、エレナは人の気配を感じた。
部屋の中は湿気が充満して、陰気だった。
本棚には一貫性のない書籍がズラリと並んでいる。
「誰もいませんか?」
もう一度尋ねると、何処かでゴソゴソする音が聞こえてくる。
「邪魔だから出てい・・・。あなたは前夜祭のときの?」
机をベッドに寝転んでいたラファエルも目に力が入る。
エレナは彼に微笑んだ。
「またお会いしましたね。考古学部の新入生、ルシアと申します、先輩」
「とんでもないです。どうしてこの場所をご存知なのですか?いや、まず挨拶が先のほうでしょうか?」
「そうしてくれると嬉しいです」
ニッコリ笑うエレナを見て、ラファエルは困惑する。
かなりの日数が過ぎたにもかかわらず、彼は前夜祭の出来事が頭から離れなかったから。
「気楽に話してください。私は後輩なのですから」
「いいえ、私は平民なので学術院内では敬語の方が楽なのです」
その言葉の意味をよく知っている。
学術院は身分が重要視されているのだから。
「少し考えてくれましたか?私が話したことについて」
「・・・」
ラファエルは口をつぐむ。
しばらく待つが、最後まで答えは返ってこない。
「こちらに来たのが早すぎたようですね」
エレナは未練なく背を向ける。
「もっと悩んでください」
一刻も早くラファエルを取り込みたいが、焦りは危険。
「お待ちしております。自分で殻を砕けるまで」
初めて出会った時の彼は巨匠だった。
しかし、今のラファエルはまだ未完成。
「ダメでした・・・」
その言葉に足を止める。
「前夜祭からこれまで・・・。悩み続けました。私は何を描いていたのか、何を描きたいのか」
彼の方へ振り向く。
「どれで答えは見つかりましたか?」
「見つけられませんでした。今はもどかしくて狂いそうですね」
ラファエルの瞳から、これまでの苦悩が垣間見える。
振り返れば、彼の悩みは前夜祭のずっと前からだった。
(私は正しく描いているのか?)
どうして他人の好みに合うように描こうとしたのだろう?
絵に私は何を込めたい?
ラファエルは不信感に陥り、そして、現在の状態に至ったのだ。
そんな中、疑問を投げかけてくれらエレナに再び出会うことができた。
「不躾ですが、一つお願いを申し上げてもよろしいでしょうか?」
彼はエレナをじっと見つめる。
メガネのレンズ越しに見える瞳は、何故か彼を落ち着かせる。
「私の絵はまだ完成していないのですが、それらを見てもらえますか?」
切実なお願いだった。
「私でお役に立てるのなら、いくらでも」
- side エミリオ
「それで?まさか病気ではないだろうな?」
医者はベッドに横になって高熱に襲われているルシアを注意深く診察した。
以前まで元気いっぱいだった彼女は、青ざめた表情を浮かべている。
「申し訳ありません、これは北部の熱病かと・・・」
医者の診断に、父親のエミリオは椅子に座り込んだ。
彼はルシアの手を握りしめる。
「この世に不治の病などない。父が必ず治してやる」
その日以降、エミリオはカストル商会の資金力と人脈、影響力を総動員して治療方法を探した。
それから半月が過ぎた頃、彼は失意に陥る。
国家も変えると信じていた財力を持ってしても不可能だということに気づいたから。
しかし、諦めなかった。
妻を先に死なせてしまったが、娘にまで死なれては、生きていく自信はないのだから。
仕事も疎かになっていた時、「緊急」と分類された一通の手紙が届く。
普段なら無視していたはずの手紙を読んだのは、まさに天運だった。
手紙を読んだエミリオは席を立って叫ぶ。
「今すぐラムネジアの花を救え!値段は関係ないから、一刻も早く!」
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