幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【144話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

144話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 罪の償い

ペルセウスが目を覚ましたのは、丸一日が経ってからだった。

ぼんやりと天井を見つめていた彼の視線が戻ってきた。

「……レリア。」

ベッドの端には、青白い顔のレリアが彼を見下ろしていた。

いつから傍にいたのか、彼には分からなかった。

夢だったのか?

夢だったのかもしれない。

あれほどはっきりと感じた出来事が夢であるはずがない。

妻はすでにずっと前に死んでいるのだから、20年前にすでに……。

「目覚められるのをお待ちしていました。」

「………」

穏やかな声には感情のかけらもなかった。

レリアは虚ろな目で彼を見つめた。

「………」

「話したいことがあります。」

レリアは表情一つ変えずにそう言った。

ペルセウスは自然と悟った。

夢じゃない。夢じゃなかったんだ。

かすかにざわめきが聞こえ始めた。

それは絶望にも似たざわめきだった。

「皇城にお戻りください。」

「………」

「行ってください、永遠に……二度と訪ねて来ないでください。」

「…私は……」

「永遠に私たちを探さないでください。再び会えば、その時はあなたを殺すことになるかもしれません。」

彼の表情が崩れ落ちた。立ち上がった顔は一瞬で歪んでしまった。

「………」

「自分の手で殺したくないんです。だからお願い…お願い…。」

静かな部屋の中に、レリアの小さな哀願が満ちた。

レリアは切実な声で何度も懇願した。

まるで最後の願いのように。

「あなたにとって、私と母はもう死んだ人間じゃないですか。」

「………」

「だから皇城へ行って、一生罪を償おうと、忘れようと、どうしようと、もう二度と私を探さないでください。」

「レリア……」

「そんなにつらくはならないはずです。ユリアナ、あの子がいるじゃないですか。」

その言葉にフェルセウスの表情がさらに歪んだ。

苦しくて耐えられないようだった。

「どうせあなたにとって本当の娘は、あの子でしょう。生き生きとしていて、可愛らしくて、愛おしくて……」

「やめて、やめてくれ……」

「あの子があなたのそばにいる限り、奥様までそうだったかのように……」

「やめて…!わかったから…お願いだ、やめてくれ。お願い…!」

フェルセウス皇帝は苦しげに震え始めた。

レリアはしばらくの間、その姿を黙って見つめていた。

そして翌日の明け方、皇帝の随行者たちはまるで自らやって来たことを忘れたかのように、突然去って行った。

「陛下、ご無事ですか?」

皇城へ戻る途中、皇帝は魂が抜けたように身体だけが残った人のようだった。

ふらつきながらも自力で歩いていたが、従者たちは不安そうに見守っていた。

皇帝は馬の上で背筋をピンと伸ばしており、無言の中でも威厳を感じさせた。

「………」

従者たちの問いかけに、皇帝は答えるのをやめた。

そして自分の腕を見下ろした。

あの日、剣を振るった右手の感触がはっきりと蘇っていた。

右手に生々しく残っていた血痕も同様に。

フェルセウスは虚ろな目で空を仰いだ。

出発する前に、最後に妻の顔をもう一度だけ見たかった。

しかし彼は妻を探すことも、レリアに頼むこともなかった。

とてもそんなことはできなかった。

妻が生きているという衝撃も、感動も、自分を欺いたシュペリオンへの怒りも、もはやすっかり空っぽになっていた。

ただ、自らの絶望だけが残っていた。

スルッ。

振り返ったフェルセウス皇帝が腰の鞘から剣を抜いた。

「へ、陛下……?」

騎士たちと臣下たちは緊張したまま皇帝を見つめた。

狂気に走ったのではと疑うような目つきだった。

フェルセウスは左手に剣を持ったまま、自分の右腕を見下ろした。

レリアが自分に頼んだ、最初で最後の願いだった。

聞いてやらなければならない。

カラン!

澄んだ金属音が耳元ではっきりと聞こえたようだった。

「エリザベス。子どもが生まれたら、その足首にこれをつけて。」

「これは……」

「そばにいてやれなくてごめん。必ず無事に戻ってきて、ずっと子どもとあなたを守ってあげる。」

あの子がどこにいても、どこへ向かっても。

たとえ目が離れていても、ずっとその声を追いかけながら永遠に守るという誓いが込められていたその声。

その幻聴を終わらせるように、フェルセウス皇帝はためらうことなく剣を振るった。

「陛下!」

「陛下!!」

驚愕に満ちた悲鳴が耳をつんざいた。

ためらうことなく罪悪を犯した腕を切り落とした。

それが最後、彼は永遠に贖罪するつもりだった。

皇帝の体が馬の上からドサリと、落ちた。

再び会ってからそれほど経っていなかったが、フェルセウス皇帝はレリアについてよく理解していた。

誰よりもよく知ることができた。

あの子はエリザベスに瓜二つだったからだ。

自分が贖罪すると言って命を絶てば、その子は一生罪悪感に苛まれるだろう。

そんな重荷を背負わせたくはなかった。

せめてその程度は……

ただ、自分は――

「陛下!」

フェルセウスは自分の肩から溢れ出す血を見つめながら、静かに意識を手放した。

 



 

レリアはぼんやりと立って窓の外を見つめていた。

フェルセウス皇帝が去ってから数日が経った。

窓の外は平和そのものだった。

しかし、依然としてレリアは不安だった。

「……」

本当にお願いを聞いてくれるの?

今にも皇帝が駆けつけて母を連れて行くのではないかと思えた。

レリアは不安に唇を噛んだ。

実のところ、フェルセウス皇帝を殺したかった。

自らの手でその心臓に剣を突き刺し、罰を与えたかった。

だが、フェルセウス皇帝の侍従からあの日の経緯を聞いた。

それからというもの、身体がひどく冷え込むような感覚だった。

その日、皇帝はレリアを見つけたという知らせを聞いて会いに出た。

しかし発作が再発し、偶然にも母のベールを発見してしまい……。

「………」

その話を聞いた後、レリアは自分のせいだという考えを拭えなかった。

もしもっと自分を慎んでいたなら?

あるいは最初に皇帝にあんな言葉をかけなかったなら?

そうすれば発作のような症状は起こらなかったかもしれない。

深い苦しみに囚われたレリアは、自分の過ちを否定せず、フェルセウスに頼み込んだ。

最後のお願いだった。

皇帝はまるで本当にお願いを聞き入れてくれるかのように、素早く領地を後にした。

「……」

それでもやはり、胸は不安に駆られて高鳴っていた。

幸い、母はすぐに目を覚まし、安定を取り戻していた。

グリピスが自ら進んで優しく母を看病してくれた。

一方で安心したものの、まるで霧が立ちこめたような不安感がずっと彼女を苦しめていた。

彼女の人生はいつもこんな天気のようだった。

神殿で過ごした幼い頃を除いては、いつも霧が立ちこめていて、暗く、湿っぽく、じめじめしていた。

『きっと大丈夫になる。』

それでも今の状況を見る限りでは、皇帝が私のお願いを聞いてくれる可能性は高かった。

れに、たとえ彼が魔法師団を送るとしても… 友達がそばにいる。

友達は領地と彼女、そして母や家族を守ると約束してくれた。

レリアは「大丈夫」と言い聞かせながら、まるで祈るように自分自身を奮い立たせた。

そのときだった。

コンコン。

少し鋭いノックの音が聞こえたかと思うと、扉ががちゃりと開いた。

音からしてただならぬ気配がしたが、意外にも扉を開けて入ってきたのはカーリクスだった。

カーリクスはなぜか明るい表情で入ってきたが、レリアの暗い顔を見て動きを止めた。

「おい。」

「……」

「大丈夫か?」

彼が近づいてきて彼女の様子を伺った。

レリアは慌てて首を横に振った。

「……」

カーリクスは何か言いたげにしばらく黙って彼女の表情を見つめた。

何?何なの?

レリアが問いかけようとしたとたん、カーリクスの口が開いた。

「ねえ、俺の秘密のアジトに行く?」

「……」

なぜか大胆な親切心でもあるかのような言葉だった。

レリアは思わずため息をついた。

それはどこか笑っているようなため息でもあった。

カーリクスがからかうように言った。

「中央区で作ったアジトよりもいい場所なんだけど……早く言って。行くの?行かないの?」

「……行く。」

ためらいがちに返事した言葉に、カーリクスは口角を上げて笑った。

幼い頃、カーリクスはひとりだけの秘密基地を作るのが好きだった。

レリアはいつもどうしてかそれを見つけては、ひとりでいる彼のところへやって来た。

だから今回は、自分から秘密アジトへ彼女を連れていこうと思ったのだ。

一人で寂しくさせないというように、いつも彼を探していたレリアのように、カーリクスも今では彼女を一人にはしないつもりだった。

「ちょ、ちょっと……!」

「じっとしてて。」

カーリクスはレリアの腕を引いて、自分の首に抱きかかえるようにして軽く抱きしめた。

レリアがばたついても、彼は石像のように微動だにしなかった。

「しっかりつかまって。」

レリアは思わず叫び声を上げそうになった。

カーリクスが窓を開けて何のためらいもなく飛び降りたからだ。

レリアはぎゅっと目をつぶった。

一体どうしてドアを使わずに、なぜいつも窓から出入りするのか理解できなかった。

けれどもカーリクスは軽く飛び乗ると、ひゅっと素早く走り出した。

あまりの速さに、レリアは恐怖を感じた。

彼女はぎゅっと目をつぶり、カーリクスの首に回した腕に力を込めてしがみついた。

そしてそのうち、涼しい風が肌に心地よく当たるのを感じた。

レリアはそっと目を開けた。

「…着いたら降ろして。」

「俺はこのままの方がいいんだけど。」

カーリクスはどうでもよさそうにそう言ったが、レリアが少し彼の髪を引っ張ると、
彼女を下ろしてくれた。

「……」

しかしレリアは裸足だった。

「あ。」

カーリクスは不快だったのか、着ていた上着をバッと脱いで床に敷いた。

そしてレリアの腰をつかんで軽々とその上に乗せた。

「……」

レリアは一瞬のうちに上半身裸になったカーリクスを気まずそうに見つめた。

「なに、なんで俺の胸見てるの。」

「…見たことないから。」

気まずいやりとりにもかかわらず、カーリクスはレリアを変態を見るような目で見つめた。

レリアは視線を下に移し、山の麓を見下ろした。

視界の下に領地の風景が広がっていた。

領地に長く住んでいたが、一度も来たことのない場所だった。

それもそのはず、ここへ登ってくる道は険しかった。

アティアス叔母は危ないと、足を踏み入れることすら許さなかった。

いつも彼女を「お姫様」と呼んでいたアティアス叔母は、実際にも彼女をそう扱った。

一番きれいな靴を買ってくれたし、きれいで安全な道だけを歩けるように配慮してくれた。

しかし叔母のその配慮がどれほど手厚くても、自分は決して平穏な道を歩ける人間ではなかった。

常に険しい崖、茨の道の上に立っていた。

レリアは慌てて考えを振り払いながら、目をパチパチさせた。

ここから見下ろす景色がこんなに美しいなんて、想像もしていなかった。

「どう?神殿よりもいいだろう?」

「…うん。」

カーリクスは何食わぬ顔でレリアの隣に横になった。

地面に当たる小石が痛くないかな?と心配になったが、カーリクスは平然としている。

彼は幼いころのように両手のひらで後頭部を支え、片膝を立てて反対の脚を上に乗せた。

「まさかお前のせいで俺の秘密の場所がまたバレるなんてことはないよな。」

「……そうかもしれない。ロミオはきっと気づくでしょうね。」

「そいつが俺の捜索を邪魔したら、黙ってないからな。」

「……今じゃ“捜索”ってどういう意味か分かる?」

レリアが不思議そうに問いかけると、カーリクスは困惑したように苛立たしく彼女を見つめた。

「お前を見ると、俺をちょっと軽く扱う気がして……」

カーリクスは言いかけて言葉を止めた。

思わず戸惑ったように顔が赤らんだ。

「どうしたの?」

「おい、スカートの中見えてるぞ。」

「……」

レリアは首を傾げてドレスの状態を確認した。

初めに城内で着ていた楽なドレスは足首まで届く長さだったが、カーリクスに抱きかかえられる途中で腰のあたりがめくれたらしい。

だらしなく腰に引っかかっていた部分を直すと、ドレスは足首の下まで落ちた。

「中、全部見えたぞ。」

「あなた…正気なの?」

どうしてそんなことを、あんなにも堂々と……。

レリアが足をバタつかせようとすると、カーリクスはくすくす笑いながら体をよけた。

「こいつ、本当に鈍感じゃないか……。身体能力が普通の人間と違うって言うけど、感覚まで鈍いみたいだな。痛みとかも感じないのかも。だからあんなにバカみたいになったのか。」

レリアはカーリクスが服を敷いてくれた上に、そっと座った。

肌をかすめていく風が心地よかった。

さっきまで不安だった気持ちが一時的にでも和らいだような感じだった。

彼女を苦しめていた小さな罪悪感も全部吹き飛んでいった。

「なあ、でもさ。」

「……」

レリアはくつろいでいたが、ふと視線を向けた。

突然不安になった。

カーリクスがあんなふうに言葉を切るときは、たいていくだらないことを言っていたからだ。

正直言って、カーリクスよりグリピスの方が話が通じない壁だと思っていたけど……違った。

グリピスが一度の手の動きで崩れる砂の城のような不思議な壁なら……カーリクスは本物だ。

あれは本当に……。

「オスカーはいつ来るの? あいつが二番目って合ってる?」

「………」

不意に出てきた「オスカー」の名前に、急に心臓がドンと沈んだような気分だった。

彼女が気が進まなかった理由の一つは、まさにオスカーだった。

あの日以来、オスカーは何の音沙汰もなかった。

きっと戻ってくると信じてはいたが、何の記憶も残っていなかった。

まさか捨てられたんじゃないよね?

あの日の出来事が夢だったんじゃないよね?

目覚めることなく黙って去ったオスカーがやるせなくて切なかった。

不安の中でカーリクスの言葉が聞こえた。

二番目って、何のこと?

「何の話?」

「二番目の夫って意味だよ。前に言ったじゃん。君が僕と先に結婚して……」

レリアはぎゅっと目をつぶった。

「カーリクス、本当にお願いだから……」

「……なぜ?」

「私はあなたと結婚するなんて言った覚えない。」

「いや、するって言ったよ。」

「………」

レリアはただ口をつぐんだ。

カーリクスはぴょんと立ち上がって座り込み、騒ぎ始めた。

「おい、やるって言ったじゃん。今さら何で足を引っ込めるんだ?俺を落としたなら責任はお前が取れよ。お前、それでも隊長なのか?」

しまいには仰々しい呼び方で彼女を呼ぶまでになった。

「おい、返事しろよ。なあ、ハニー……じゃないよな、奥さん?」

「これはほんとに……」

レリアはとうとう怒りが爆発したように拳を握りしめてカーリクスに飛びかかった。

「誰がそんな風に決めたのよ!」

結婚したって?

一発殴ったあとにやっと手を離した。

カーリクスはまったく痛くなかったが、レリアの拳が当たるたびに、まるで本当に痛むかのように体を震わせて演技した。

彼は本当に、レリアの栗のような拳が大好きだった。

一口でぱくっと食べてしまいたいほど可愛かった。

こんなに愛おしい存在が、自分を救った英雄であり、友人であり、妻であるなんて。

本当に幸運だった。

本当に素敵だ。

だから人は結婚するんだな。

結婚式を挙げたわけではないが、カーリクスの頭の中ではすでに二人は夫婦だった。

それも、結婚して3年目くらいの夫婦。

カーリクスは不意に何かを思い出したようだった。

「隊長、ちょっと立ってみて。」

カーリクスがそう言うと、レリアを立たせ、自分もさっと立ち上がった。

そしてレリアのそばへとすっと近づいた。

レリアは後ずさりした。

「な、なに?」

「喉の渇きを癒してあげる。」

「……え?」

レリアは戸惑ってたじろいだ。

突然の発言に何の意味か分からない様子だった。

カーリクスの目にはその当惑した表情までもが愛おしく映った。

「子どものころ呼ばれてたんだろ?騎士たちもそう呼んでたって。お姫様に水を飲ませてやること。」

「それは子どものころの話でしょ…!いきなり何を…。」

「飲ませてやるよ、こっちおいで。な?」

「い、いや。あっち行って!」

レリアが抵抗すると、カーリクスは笑みを浮かべた。

『この子は、好きでも嫌いって言う変な癖があるんだよな。』

その点も、いじける子猫みたいで可愛かった。

レリアはカーリクスを避けて裸足で逃げ出したが、当然ながらそれほど遠くへは走れず捕まった。

そして無理やり水飲み場に乗せられ、その周辺を何度か崖や険しい山道のあとでようやく降りられた。

 



 

 

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