こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は59話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
59話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- エミリオの言い分
「ルシアは先天的な持病を抱えているのです。今はだいぶ良くなりましたが、一度再発したら1ヶ月でも2ヶ月でもゆっくり休まなければいけません。そのためでしょう」
「それで講義も欠席して、寮にも入らなかったと?」
レンが呆れたように反論する。
「はい、健康が悪化したら外で治療を受けられるよう学館に告知し、許可を得ています」
「信じられないですね」
レンは最後まで疑いを持ち続けた。
学館まで行ってルシアについて調べたが、このような話は初耳。
「公平性の問題で秘密にしていたと思います」
「気が狂いそうですね、学術院が揉み消したと?」
望んでいた通りの展開にならず、レンは怒っているように見えた。
「ご存知でしょうが、私は公子の連絡を受けて、昨日の夕方にようやく首都に到着したのです。親子だけで会話をしたいのですが?」
惚けた顔をするエミリオから、エレナは目が離せなかった。
彼の声と表情には嘘を信じさせる説得力がある。
「ハラハラしたのですが、公子のおかげで娘を見ることができました。仕事が忙しくて、中々会えませんでしたので」
「私も無頓着でした、ごめんなさい」
エレナは適切に返答して、仲の良い親子を演じる。
その後も執拗に尋ねるレンに対して、二人は本当の親子のように全ての質問に適切の答えた。
「ここの料理は美味しいけれど、消化できないね」
「行くのですか?」
ドアノブを握って部屋を出ようとするレンが振り返る。
「感動的な親子の再会に、私の居場所がないように思えますから」
彼はそう告げて、そのまま部屋を出て行った。
- 感謝の気持ち
レンがレストランから出て行く姿を見て、エレナはようやく気を緩めた。
「ありがとうございます。お気づきにならなければ、呆気なくやられるところでした」
ようやくエミリオに感謝の気持ちを表明することができた。
「ありがとうという言葉は、私が言うのが正しいです」
エミリオは身なりを正しくすると、腰が折れるように深く頭を下げた。
「恩人にようやくお礼を申し上げることができます。娘を助けてくれてありがとうございます」
「・・・!」
エレナはびっくりした。
差出人を明示していないにもかかわらず、エミリオは治療方法を送った人物がエレナだということを知っているように見えたから。
「どうして私だと?」
「個人的な疑問で、手紙の最初の発信者が学術院の近くであることまで突き止めたのです。そんな中、レン公子が手紙を送ってくれました。娘の身辺に異常が生じたと。その時確信しました。手紙を送って娘を助けてくれた恩人に会えるだろうと」
エレナは内心でエミリオに感心せざるを得なかった。
「そこまで分かっているのでしたら、私も否定しません。はい、私が手紙を送りました」
素直に認める。
「薄々、学術院の学生ではないかと思いましたが、実際見るともっと驚くべきですね。遅れましたが、必ずお礼を言いたかったのです。私の娘を助けてくださって本当にありがとうございます」
「私もです。今日はありがとうございました」
エレナも頭を下げて感謝の気持ちを表明した。
エミリオの賢明な対処がなければ、今頃困っていただろう。
「これも縁ですので一緒に食事をしませんか?ここのコースは評判が良いのですよ」
「光栄です」
エミリオは礼儀正しく受諾した。
その後、新しく注文したコース料理をゆっくり吟味する。
「聞かないのですね。私が誰なのか、何をしているのか、なぜルシアを詐称したのか」
エミリオはナプキンで口を軽く拭き、静かに話した。
「私の全てだった娘を救ってくれた恩人なのです。お望みでしたらカストル商会を差し上げても惜しくありません。いいえ、今からでも差し上げることができます」
彼の目を凝視する。
確かに、過去の人生でもルシアを治療するために全部投げ出した男の姿だった。
「お気持ちだけ頂戴することにします。今日の出来事で私への借りは十分に返済できましたから」
「いいえ、返済できていません」
きっぱり言うエミリオの表情からは頑固さが滲み出ていた。
年の差がかなりある二人。
しかし、実際の会話を見るとエレナは自然に目下の人に接するように見えて、エミリオはそんな彼女の姿を尊敬していた。
「私は職業柄、相手の話し方、手振り、食事作法、些細な仕草、その全てを通して人を判断しています。身についた行動は意識的に変えられるものではありません」
エミリオは水で喉を潤した後、そっと尋ねる。
「あなたは皇族ではないでしょうか?」
「・・・」
「申し訳ありません。気にしないでください」
黙ってはいたが、エレナは内心感嘆せざるを得なかった。
エミリオの人を見る目は本当に素晴らしかった。
隠そうとするエレナの雰囲気と気品を本能的に感じたのだから。
「半分は正しく、半分は間違っています」
過去の人生の半分は皇妃だった。
しかし、今は違う。
エミリオはしばらく驚いた様子を見せたが、すぐに表情を元に戻す。
「余計なことをお聞きしたようです。今お聞きしたことは頭の中から消しますので」
「ありがとうございます」
- カストル商会支部
エミリオはポケットから封筒を取り出してテーブルに置いた。
「これは何ですか?」
「帝国内のカストル商会支部の譲渡書です」
「・・・!」
エレナの目が大きくなる。
支部は当該地域のカストル商会の拠点。
譲渡書というのは、その地域の取引で発生する収入をエレナに全て渡すという話に他ならない。
「申し上げたはずです、お気持ちだけ頂戴すると」
「・・・娘がこう言ったのです。父さんにまた会えて嬉しいし、私のせいで悲しむ父さんに会えなくて良かったと」
エミリオの表情に微かな笑みが浮かんでいた。
「だから、父さんは行ってそのかを助けて欲しいと」
「・・・」
「今日お会いして感じました。尋常ではない方なのは確かですが・・・。私の助けが切実に必要な方だと。だから、差し上げたいと思ったのです」
エレナはどう対処したらいいかすぐに決められなかった。
エミリオは彼女の計画の中に存在しない人物。
学術院内でのルシアの身元を確保するだけで十分だったのだ。
ところが、状況が変わった。
レンが割り込んでエミリオとの接点が生まれてしまった。
これは計画にはなかったこと。
だからといって断り続けるには勿体ない話だ。
エミリオの提案はとても有益な話。
しかし、あまり外部と繋がりを築くと正体がバレる危険も高まりますよね・・・。
相手は慎重に選びたいですよね。
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