こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は63話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
63話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- シアンの質問
「今日は、君に聞きたいことがたくさんあるんだ」
「私にですか?」
シアンが公にエレナに質問をする。
「君のお父さんは大陸屈指の商会のトップだよね?」
「はい」
「どう思う?君が見るに現在の帝国内の貨幣の流れは。正常に感じられるだろうか?」
その質問に少なからず困惑する。
シアンの質問が包括的でもあるが、非常に専門的な学識を要求する高いレベルの質問だったから。
「私は商売に素質がなく、多くのことを学べておりません。それでも殿下は私の話をお聞きにしましたので、所信を持って話してみます」
「傾聴しよう」
「現在の帝国貨幣の流れは権力と密接です。大公家や4大家門は各種利権に介入し、収益が発生することなら何でも独占します」
帝国は代々皇室家のものであったが、次第に貴族の権勢が高まり、その権威を失っていた。
皇帝の上にいる貴族たち。
それが現在の帝国皇室の現実。
「君は正確に見てきたのか?」
「貨幣の流れだけでなく、その口実までも貴族たちに振り回されているのが実情だと思います」
「帝国は変わらなければいけない」
シアンもやはり、事態の深刻さを十分に認知しているようだった。
切実さが込められた目つきから、彼が大公家と4大家門の干渉と牽制から脱し、強力な皇権を取り戻そうとする意志が感じられる。
そんな彼に、エレナはとても同情していた。
残念ながら、今は皇帝の立つ瀬がなかったから。
「有能な人材を獲得すること」
「人材」
シアンは目を輝かせて尋ねた。
「君のような人のことかい?」
「いいえ」
エレナはきっぱりと線を引く。
「私は殿下が思うほど秀でた人間ではありません」
「とても謙虚だな」
- エレナの忠告
カリフは口をパクパクするだけで、会話に参加できずにいた。
レベルの高い会話が交わされていることもあるが、あまりにも敏感なテーマだったため、何も言えずにいる。
それに対してエレナは少しの動揺もなく、恐ろしいほどの落ち着きを維持していた。
「私も君と同じ考えだった。しかし、有能な者は大半が貴族の子息。彼らは決して皇室の側に立とうとしない」
「・・・」
シアンのもどかしさも理解できる。
大多数が出世にこだわっているため、皇室よりは貴族に頼る人が多いのだ。
(意志はあるが、やり方が間違っている)
皇室強化を夢見て改革を試みたシアンが失敗する様子を見てきたから。
このままでは同じ間違いを繰り返すだけ。
しかし、今の彼の考え方を変えるのは難しいだろう。
(あまり先を行くのはやめよう)
エレナは少しでも力になりたかった。
一時ではあるが、夫婦として暮らしていたシアンへの愛情が残っていたから。
ただそれだけ。
「あえて忠告を一言申し上げてもよろしいでしょうか?」
「忠告・・・。聞こう」
エレナは勇気を出して告げる。
「帝国にはかつて名君と崇められた皇帝が数えきれないほど沢山いらっしゃいます。彼ら立てた業績があるからこそ、今の帝国があるといっても過言ではありません」
「続けて」
「彼らの業績が高く評価されるのは、当時の時代に必要な制度を整備し、時代の変化を読み取り適切に対処してきたからです」
エレナが話している間、カリフは緊張を解けなかった。
ひょっとして皇太子殿下の気に触るのではないかと心配していたから。
「時代は胎動しているのです」
小さく深呼吸をする。
ここからが本番だ。
- 皇室の唯一の道
「貴族は腐敗しました。にもかかわらず、皇室は彼らを抑える権威と力がありません」
「・・・」
無表情だったシアンの眉毛が動く。
エレナは皇太子シアンの面前で、露骨に帝国皇室の無能さを指摘したのだ。
「ル、ルシア!言葉が過ぎるぞ!」
驚いたカリフが割り込んで止める。
しかし、ここで止まるつもりはなかった。
「近いうちに世の中が変わるでしょう」
シアンは侮辱的に聞こえるかもしれない言葉であるにもかかわらず、表情一つ変えずにいた。
「時代の変化は決して上から始まるものではありません。下から始まるのです」
「下から」
「平民です」
「・・・!」
少々のことでは感情の変化がないシアンの瞳に力が入る。
帝国が建設されて以来、改革の主体は皇室と貴族。
平民は、改革主体として考慮対象にも入れなかった。
その平民たちをエレナは指定したのだ。
それはシアンにとって、あまりにも衝撃的だった。
「貴族か、皇室か。平民たちにとってそれは重要ではありません。貴族派腐敗し、皇室は権威を失い、貴族の横暴を防げないのが実情です」
「・・・」
「収奪誰た平民たちは見方を変えません。圧迫する側も止められない側も同じなのです。帝王的皇帝が君臨した時代は終わりました」
エレナは声に力を入れてきちんと話した。
「皇帝は民衆の上に君臨するのではなく、民衆の側に立って共に進まなければなりません」
「・・・」
「それだけが変化する時代を迎え、殿下の望むことを叶える唯一の道です」
エレナの最後の主張は確信に満ちていた。
直接見て経験した未来だったからこそ、断固として揺るぎなく言えたのだ。
「以上です。選択は殿下にかかっています」
エレナも知っている、今話した言葉がとんでもない話に聞こえるという事を。
「ル、ルシア」
シアンが沈黙していたので、カリフは不安そうに低い声で呼ぶ。
悩みが終わったとき、どんな選択をしても彼に対する愛憎に終止符を打つつもりだ。
「君はいつも私を驚かせるね」
シアンの第一声は感嘆。
全く違う視野で世の中を見る観点と学識に対する驚きが込められていた。
「だからか。君があの時見た神聖帝国の本の意味は」
「・・・!」
目の前の彼が、自分の知っている彼と違いすぎることに戸惑いを隠せない。
「今日の話は本当に意味があった。私の頭の中の霧がすっと消えたような気分だ。令嬢」
シアンは低くエレナを呼んだ。
「本当に有益な時間だった」
「・・・」
「時々私とこういう時間を過ごすことはできるか?」
「はい、殿下」
それを望まないとしても、シアンの前できっぱりと拒否することはできない。
エレナの心からの思いがシアンに伝わったようですね。
過去とは違う未来に繋げてほしいです。
そして、二人の関係も良好になってほしいですね♪
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