こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は66話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
66話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side リアブリック
リアブリックの執務室。
部屋にはリアブリックを筆頭に、左右に上品な4人の男が立っていた。
30代前半と思われる彼らは、リアブリックの手足で大公家を支える中心人物。
「Lという者がスラム街の土地を買い入れたんですって?」
リアブリックが呆れた表情で問い返す。
「Lが買い入れた土地はノブレス通りの中心地です」
彼らは自分たちが調査したことをありのまま集めて伝えた。
「結論から言うと、我々がスラム街を開発するということをLが知っていたという事です」
「情報が漏れていると?」
「申し訳ありません」
リアブリックの問いかけに、彼らは同時に頭を下げる。
「流出経路は把握できましたか?」
「申し訳ありません」
「じゃあLの所在地は?」
「・・・申し訳ありません」
「あなたたちは自分の仕事が分かっているの?」
「えっ?」
リアブリックの冷ややかな声が雰囲気を重くする。
滅多に感情を表に出さない彼女の様子に、彼らは俯いて顔色を伺っていた。
「警告したはずよ。今回の事業は我が大公家としてもリスクが大きいだけにセキュリティに注意しろと」
彼らは頭も上げられないまま、言い訳を並び立てる。
「いいえ、注意はしているのですが、私たちも困っているのです」
「言い訳に聞こえるかもしれませんが、情報は全く漏れていません」
「私たちも狂ってしまいそうです。スラム街を直接把握するくらいに万全を期していたのに」
リアブリックの目が細くなる。
彼女は彼らを順に激しく睨んだ。
「それは、ここにいる5人の中の1人がLの偽名で土地を買い取ったという話に聞こえますね」
「し、子爵様!」
4人は約束でもしていたかのように、同時に座り込んで膝をついた。
「「どうか、もう一度チャンスを」」
4人はリアブリックに頭を下げながら哀願する。
それだけフランツェ大公が彼女に強い権力を与えているという事だった。
「今回のことで、私たちが受けた被害額がいくらなのか知っていますか?」
「・・・」
「あなたたちの命がそれよりも価値があると思ったら間違いですよ」
リアブリックの話し方は上品だったが、内容を見ると殺伐とした脅迫だった。
被害額を埋めなければ命はないという意味でもある。
「スラム街の土地を購入する手段と方法を選ばないでください。必要ならば脅迫をしてでも」
「わ、分かりました・・・」
「それと、Lも探し出しなさい。何をしているのか、どこに住んでいるのか、何歳なのか一つ残らず。私が望むのは、その土地の所有権を大公家が持つことです」
- Lの正体
彼らは青褪めた顔で執務室を出ていった。
実際に、リアブリックは彼ら4人を疑ってなどいない。
彼らは10年以上も対抗家の仕事を完璧にこなしているのだから。
それなのに情報が流出した。
まるでこちらの手の内を全て見透かされてるかのように。
エレナが大公家に来るときに、ベロニカ公女を覚えている人々を全員交代した。
その過程で不純な者が混じって入ってきた可能性が高い。
リアブリックは静かにローレンツを呼び寄せた。
「お呼びでしょうか?」
「卿に内密にお願いがあるのですが」
「ご命令ください」
「彼らの後を追いかけてください。もし不審な動きを見せたら、すぐに私に連絡を」
「裏切り者が混じっていると?」
「いいえ、念のため確認をしておこうと思って」
ローレンツはうなずいて部屋を出た。
1人残されたリアブリックは窓の外に目を向ける。
「L、あなたは一体誰?」
- 画室にいるのは?
ルシアに変装したエレナはカリフに叱られていた。
「君はスラム街の土地を慈善事業用だと言ってたよね?」
「そうですけど、なぜ?」
「なぜ?大公家は君を探そうと目を光らせているからさ」
「大公家が本格的にスラム街の開発に取り組もうとしているのですね」
「やっぱりそうだろうと思った。君はどうして僕を仲間外れにするんだ?」
「すみません」
エレナは短く謝罪する。
しかし、申し訳ない気持ちはなかった。
「謝罪に誠意が感じられない」
「大公家の動向についてもっと教えてください」
カリフは残念な気持ちを呑み込みながら、現在の状況を語る。
「向こうは君がLであることを知らない。その土地を買い入れた代理人のモンタージュまで作って調べているそうだ」
エレナの眼差しが強くなる。
その言葉は、まさにリアブリックがLを探しているという意味に他ならないから。
(ここからが始まりね。あなたと私の見えない戦いが)
エレナは恐ろしいほど落ち着いていた。
リアブリックの執拗さについてよく知っていたエレナは、土地を売買する際の代理人を他国に亡命させた。
帝国の正反対側に位置する公国に送り、大公家であっても絶対探せない場所に。
「君はベロニカ公女殿下と親しい間柄じゃないか」
「その話がなぜ今出てくるのですか?」
「運悪く君がLだという事を知ったら、公女殿下と君の仲が悪くなるかもしれないからさ」
「それはないと思います」
「そうなのか?君が言うならそうかもしれないが、ベロニカ公女は大顧客だから、ちょっと困ると思って。君にはずっと仲良くして欲しいと思う」
カリフは頬を掻きながらそう言った。
自分で言っておいて、ちょっと俗物的に見えたみたいで恥ずかしかったのだろう。
しかし、エレナはそんなカリフの姿をむしろ喜んだ。
ベロニカという顧客の価値を判断し、それを失わないように努力する姿を想像したから。
成功のためには必ず必要な姿勢だ。
「それよりも、この辺で大公家と交渉すべきじゃないか?」
「交渉はしません」
エレナは大公家の利益になることは全て防ぐつもりだ。
カリフは彼女の本音が分からないため、交渉しないことにもどかしさを感じていた。
「私にも考えはあるので、大公家との接触は保留してください」
「君がそう言うなら分かったよ」
密談を終えて、2人は時間を置いて図書館を出る。
エレナは西の別館に向かう。
ラファエルが描く肖像画のモデルになると約束しただけに、周期的に画室を訪れていたのだ。
「・・・誰かいるわね」
廊下の端から話し声が聞こえる。
会話を交わす男女の声が漏れていた。
「あなたはまだ答えをくれないのだね」
「・・・!」
ドアを開けようとしたエレナの動きが止まる。
扉の向こうから聞こえる声の持ち主は、他でもなく皇太子シアンだったから。
久しぶりのリアブリックの登場。
エミリオの協力も影響しているのか、エレナの正体には辿り着けていないようです。
一方のエレナの事業も順調のようですね♪
シアンと話しているのはセシリアなのでしょうか?
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