こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は74話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
74話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- スランプの克服
「殿下は私が言ったことが信じられないというのですか?」
「ラインハルト令嬢」
シアンは彼女の名前ではなく家門の姓で呼ぶ。
「本当にそう思っているのですか?」
アヴェラは切ない声で問いかける。
彼女に従う派閥の前で、シアンの一言が与える影響は大きいからだ。
また、エレナより自分を大事にしてほしいという切ない願いも込められている。
「私はすでに自分の意思を明らかにしたはずだが、同じ言葉を繰り返さなければならないのか?」
「・・・」
「退け。そして2度とルシアに近寄るな」
割り込む余地を与えないシアンの警告に、アヴェラの唇は震えた。
生まれて初めて経験する侮辱や恥辱に、感情表現をコントロールすることができずにいた。
アヴェラは黙礼し、その場を立ち去る。
女子生徒から眼鏡を取り戻したシアンは、エレナに視線を移す。
「大丈夫か?」
いつものように彼は無表情だ。
しかし、エレナにはその言葉に込められた心配と憂慮が読み取れた。
「殿下のおかげです。ありがとうございます」
「良かった。これは君のものだ」
「・・・!」
シアンがエレナの顔に眼鏡をかけてくれる。
一度も感じたことのない優しい手つきで。
その不慣れな姿に、今まで感じたことのない感動を覚えた。
この異質な感情をどう理解すればいいのか分からず、エレナはそっぽを向く。
「助けてくださってありがとうございます・・・」
丁寧に頭を下げて感謝した。
「君に聞きたいことがある」
「え?」
「あの日、画室での会話は全部聞いていたのかな?」
(な、何て答えればいいの!?)
躊躇ったエレナは素直になることを決める。
最初から盗み聞きしていたことを告白した。
「そうか。でもなぜ何も聞かない?」
「何をでしょうか?」
会話の要点を把握できないエレナが不思議そうに反問する。
「・・・何でもない」
シアンの表情が和らいだように見えた。
彼は何か思い通りにいかないような変な表情をして、モジモジしていた。
「画室に行きたかったのだが、行けなかった。君のために」
「私のせいですか?」
エレナはシアンの言葉の意味が理解できなかった。
許可もなく会話を盗み聞きしたのは彼女の方。
無礼な行為をしたのはエレナなのだから。
「君のことがずっと気になっていた」
「分かりません。殿下が何を仰りたいのか、今なぜこうしているのか」
「・・・」
シアンは答える代わりにエレナと目を合わせる。
間近で見る彼の目は複雑そうに見えた。
「君が知らないことが、寂しい気もするし、良かったとも思う」
「殿下」
勘違いだろうか、一瞬だけシアンの口角が上がったような気がした。
「眼鏡を外した君の顔が見れて良かったよ」
「・・・!」
心臓がヒヤリとする。
画質の中は静まり返っていた。
モデルとしての姿勢が崩れないように気を使うエレナ。
些細なこと一つも逃さず、画幅に収めようと努力するラファエル。
このまま時間が止まってほしいという願いがあるほど理想的な姿だった。
招かれざる客のレンが画室に来て文句をつける前までは。
「おい、画家。どこを見てるんだ、全然似てないじゃん。美化しすぎじゃないか」
(この野郎)
エレナは内心で怒りを堪えながら鼻から息を吐いた。
「この子のすっぴんを見たことがあるのか?はあ、ため息が出るよ」
レンはギリギリでエレナを刺激していた。
何かを知っているようで知らないような声で文句を言ってくる。
「今の姿そのままでも綺麗だと思います」
しかし、驚異的なのはラファエルの集中力だ。
レンが画室を訪ねて邪魔をする回数が増えると、はなから無視して絵に集中する方法を心得てしまったのだから。
最近では、高度の集中を維持しながら、レンの問いかけに答える余裕まで見せている。
「ルシアちゃん、一度見てみませんか?」
「今ですか?」
「ええ。思ったよりも捗ったので、お見せしたいのです」
最近エレナは肖像画を見たことがない。
もし、自分が見せてほしいと頼めば、ラファエルが負担を感じるのではないかという気がしたからだ。
「じゃあ見ますね。楽しみです」
そう言って、彼の後ろに立つ。
「まだ未完成だけどね」
エレナは眼鏡を上げて、ゆっくりと絵を見た。
全盛期を謳歌していた時代とあまり差がないくらいに、高い完成度を誇っている。
肖像画の中の彼女は静かで生き生きとしていた。
そっと描かれた微笑みは、見る人に自然と親近感を与え、安らぎを与えてくれるような。
明らかなことは、ベロニカになりすました時は、一度も見せたことのない微笑みだということ。
「どうですか?」
「私らしくなくてビックリしました」
「あの時言いましたよね、日の目を見たと。静粛だけど安らかで、気品溢れるが清らかで・・・」
「やめてください、恥ずかしいですから」
エレナが否定すると、ラファエルは穏やかな笑みを浮かべてキャンパスに視線を向けた。
「真正性というものが、少しは込められているでしょうか?」
「はい、感じられます」
満面の笑みが広がる。
まだ未完成だが確信した。
ラファエルはスランプを克服したのだと。
「おめでとうございます、先輩。スランプから脱出したのですね」
「ルシアちゃんのおかげです。君は私の光です。おかげさまで約束も守れそうですね」
「約束ですか?」
「芸術祭出品です。仕上げ作業が終われば、問題なく間に合うと思いますので」
エレナの表情が明るくなる。
内心では望んでいたが、本当にラファエルの作品を芸術祭に出品できると思うと、今からドキドキしてきた。
ラファエルを先駆者にLの後援を受けていた時代の巨匠が合流する予定だ。
もうすぐ開かれるのだ、新しい時代が。
「わあ、光だって。光。鳥肌が立ったよ。耳を汚して私を殺そうとしているのか?」
「・・・」
こんな感動的な瞬間でもレンはいつもと変わらなかった。
「永遠の犬」という言葉が口の中に浮かぶくらいだ。
その時だった。
閉ざされていた扉が開き、予想もしなかった訪問者が現れたのは。
シアンだった。
やはりシアンはエレナのことが気になっているようですね♪
そして、ラファエルもスランプを克服しました!
後は、レンをどうにかしないとですね(汗)
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