こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は37話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
37話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 唯一の玉座
ロクサナは血で染まった床を静かに見つめていた。
ポンタインから流れ出て徐々に領域を広げる血が、ついにラントの足元に届く。
ポンタインはラントとデオンを意識し過ぎたため、彼女がこの場にいることに気づいていないようだ。
「お父様」
ロクサナがラントを呼んだとき、ポンタインが意外な言葉を聞いたかのように、ぼんやりと頭を上げた。
「もう余計な時間の消費は必要ないと思います」
ロクサナはとても穏やかな表情で、二人を見つめていた。
彼女の顔を見ると、今彼らのいる場所が審判の部屋ではなく、春の庭のような錯覚を覚えるほど。
「ロクサナ、もしかして見つけたのか?」
ロクサナはラントの問いかけに、ただニッコリと微笑んだ。
実際、ポンタインのことを毒蝶々で監視していたのは彼女だったのだ。
だからこそ、ラントは早い段階からポンタインの悪事を見抜くことができた。
もちろんラントは、ロクサナに助けられたとは思っていない。
たとえ事前に知らなかったとしても、子犬のような息子に自分がやられるとは思っていなかったのだ。
しかし、ロクサナの言葉を聞いて屋敷を留守にした間にデオンに監視を任せ、ポンタインの謀反を事前に阻止したことは、効率性の面でかなり満足できることだった。
「よくやった。仕事が早いのだな。やはり俺のむす___」
「どれだけ探しても、お父様の希望は出てこないのですから、これ以上無駄骨を折る必要がないという意味です」
ロクサナの言葉は、ラントの考えとは少し違った。
残骸のように、その声が波のない湖のように、依然としてその意味を正確に把握することができなかったのだ。
「長い洗脳であなただけに忠誠を尽くすように育てられた猟犬たちは、今では全て私の可愛い蝶たちの血と肉になったのですから」
「え?」
しかし、ラントは疑問に満ちた言葉を締め括ることができなかった。
その後、彼の視野に映った光景が、それだけ衝撃的だったから。
靴の踵が大理石の床に打ちつけられる音が、静かな部屋に響き渡る。
ロクサナが散歩でもするかのように軽い一歩を踏み出した場所は、審判の部屋の前側に置かれた大きな椅子。
一方で、王座のようにも見えるその席は、これまで家門の主人であるラントだけが座ることのできた場所。
「・・・何をしている?」
ロクサナは驚くことに、躊躇うこともなくアグリチェの王のために準備された唯一の玉座に座ったのだ。
「前から座ってみたかったんです」
真珠を削って作ったような玉手が、華麗な宝石のついた肘掛けに乗る。
「ここから見下ろすとどんな気持ちになるのか、いつも気になっていました」
彼女の口からこぼれた言葉があまりにも最もらしく、ラントは一瞬怒ることさえ考えられなかった。
呆気に取られたのは、ポンタインも同様。
それだけロクサナの行動は気が狂ったと思われてもおかしくない行動なのだ。
「こうやって上から見ると・・・」
次の瞬間、花染めのような赤い唇に、蜂蜜のように甘い微笑が浮かぶ。
「お父様も、ずいぶん小さく見えますね」
ラントの顔に亀裂が生じ始めた。
「お前は・・・」
ヒビが入った陶器のように平静を欠いた顔が冷たい寒気に襲われる。
「お前は今、私を見下しているのか?」
殺気だった赤い瞳が、ロクサナを踏み潰すかのように荒々しく波立っていた。
ロクサナはそれを見て微かに目尻を曲げる。
「そんなに怒らないでください、お父様」
この程度のことで、と付け加えて微笑む顔が美しい。
「お父様は、今まで一度も疑ったことがないのですか?」
審判の部屋に響く声が、まるで甘い言葉を囁くように、さらに小さく濃密になった。
「この全てが、お父様のために私が丹念に準備した演劇だと」
その瞬間、意味の分からない不吉感がラントの心臓の入り口を通り過ぎた。
「何を言って___」
ポンタインの血が溜まっていた底から、今までそこにいることも知らなかった蝶たちが一斉に舞い上がる。
視界に赤い嵐が吹き寄せた。
その直後、その場に現れたのは、今まで幻によって隠されていた巨大な呪術陣。
ラントはそれは発見するや否や、自分の置かれている状況に素早く気づいたようだった。
彼は慌ててその場を離れようとする。
「ロクサナ・・・!ぐっ!」
しかし、彼の第一歩が踏み出すや否や呪術陣が発動した。
目の前で神聖な感じを漂わせる白い光が爆発する。
呪術を発動させる条件は、その効果も神聖さとは程遠いのだが。
血を媒介とする呪術は、ラントが呪術陣の上で息子であるポンタインの血を自分の体につける瞬間に完成されたのだ。
「ううっ・・・!」
ラントは、まるで巨大な隕石に押しつぶされたかのように嘆かわしく床に倒れた。
その上を爆撃のように巨大な重力が降ってくる。
ロクサナは、これまでのラントがそうだったように、罪人に審判を下す王のように毅然とした目をして、そんな彼を見下ろしていた。
「どうして私の前で、そんなに油断したのですか?」
ポンタインを媒介にして、ロクサナはラントを粛清するつもりなのですね。
この計画に加担している人はどれくらいいるのでしょうか?
ジェレミーは?
マリアも加担していそうです。
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