こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は107話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
107話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side レン・バスタージュ
同時刻、いざこざを起こしているエレナとヒュレルバードをじっと見ている視線が。
狼の仮面をかぶって、ワインより濃く赤い目を持つ男。
「あの子がどうしてここに?」
エレナから目を離せない狼の仮面の正体はレン。
剣術祭決勝戦の敗北によるショックで練兵場で剣術の訓練に邁進していたレンは、それなりの進展を見せて、少し前からバスタージュ家の後継者として本格的な活動を始めていたのだ。
もちろん、その活動はほとんど隠密にされていただけに、対外的に知っている人物はほとんどいない。
ホールの階段に消えていくエレナを残念そうに見つめる。
彼女に気づいたのは偶然。
鷹のように鋭い観察力を持つレンだとしても、仮面をかぶった相手を見分けるのは容易ではない。
最初は戸惑ったが、このような低俗な舞踏会に相応しくない歩き方と仮面で隠すことのできない金髪、そして海色の瞳を見て確信したのだ。
そして、熊の仮面の男に襲われるのを目撃して介入しようとした直前、以前に見た護衛騎士と思われる鷲の仮面の男が一歩先んじて男を制した。
「ムカつく・・・」
「何がでしょうか?もう少し分かりやすく教えてください」
隣に待機しているハイエナの仮面をかぶったメルが尋ねる。
「嫌だ」
レンの断固たる答えに、メルは深い意味があるのかと考えて視線を合わせた。
「あ!今日の出会いはキャンセルだ」
「それはまたどういうことでしょうか?」
いつも感じていたが、レンはどこに行くのか分からない。
今もそうだ。
まだ確定的なものではないが、大公家の柱を根こそぎ揺さぶる手がかりを探すために舞踏会を訪れたはずなのに、何もせずに帰ろうという。
「匂いを嗅いだのは、私たちだけではないということさ。私たちまで動いたら疑われてしまう」
メルは頭の回転が早い。
たまに理解できないくだらないことを長々と並べ立てるが、レンの言葉には骨がある場合が多いのだ。
「ベロニカ公女を監視しろ」
「ベロニカ公女ですか?」
ルシアとベロニカ公女が同一人物であることをメルは知らない。
そのため、レンの命令には少し戸惑ってしまった。
「シークレットサロンの「L」も監視するんだ」
「Lもですか?」
「ああ」
「・・・分かりました」
3人の関連性が全く見えない。
しかし、メルは疑問を持たずに、そのまま命令を受けた。
調べることには、それだけの理由があるはずだから。
「先に出ていろ。私は少し遊んでいく」
「では、先に失礼します」
予定されていた出会いが取り消された以上、メルがここにいる理由はもうない。
軽く黙礼をして、仮面舞踏会を楽しむ人々の間に姿を消した。
レンは手に持つワインを飲み干す。
グラスを見下ろせば、空のワイングラスにエレナの顔が浮かぶ。
レンは、エレナがどうしてこんな行動をしているのか薄々推測していた。
今でこそ、ベロニカ公女の代役として多くのことを享受できるが、それがいつまで続くのか分からない。
身代わりは所詮身代わり。
万が一、ベロニカ公女が帰ってきた日には、彼女は悲惨な結末を避けられないだろう。
「まあ、上手く対処しているとは思うけど。攻撃的すぎじゃないかな?ここは誰だって来る場所なのに」
レンは、エレナは「L」であることを確信していた。
断言するのは早いが、これまでの大公家への甚大な被害をもたらしているのは彼女だと。
そう、「L」は正確に知っている。
大公家を没落させる道だけが自分の生きる道だと。
それでもこれは無謀すぎた。
もちろん、ヒュレルバードは信頼できる騎士。
しかし、時には個人の力ではどうしようもないことも起きるのだ。
エレナの危なっかしい振る舞いを見届けることが出来なかったので、監視をつけることにした。
名目上は監視ではあるが、もし危険な状況が発生した場合、事前に行動して遮断することまで考えている。
「それじゃあ、正義の悪党が登場しようかな」
反対側のテラスにいる孔雀の仮面をかぶった令嬢の元へ向かう。
「おい、アヴェラ」
「・・・!」
レンは人前で仮面をかぶった令嬢の名前を呼ぶ。
ラインハルト家のアヴェラ令嬢を知らない者がいないだけに、周囲の視線が彼女に集まった。
身元が明らかになった瞬間、アヴェラの表情が真っ青になる。
将来、皇太子妃を狙う彼女が、このような場所に出入りしていることが公に明らかになれば、評判に深刻な打撃を受けるのは確実なのだから。
状況の深刻さを察知したウサギの仮面の男が威圧的にレンに近づく。
「出まかせに喋る後始末をどうしてく___、ぐぁっ!」
男の言葉はそれ以上続かない。
あっという間にレンが地面を蹴って接近し、男の腹部に拳を突き刺したのだ。
無言で倒れる男を後にして、レンがアヴェラに近づく。
「来ないで!」
怖気付いたアヴェラは、後退りした。
彼女の背中が舞踏会場の壁にぶつかる。
「警告はしたわよ。近づかないで」
「嫌だ」
レンはニヤリと笑って彼女に近づく。
「言っただろ、私が狙っているものに触るなって。話の意味が分からなかったのか?」
「せ、先輩?」
「そんな悪戯をすると、私の従姉妹が不便じゃないか?そうだろ?」
レンが殺気を漏らすと、アヴェラはブルブル震えた。
これ以上、しらばくれても意味がない。
レンは冷たい瞳で彼女の耳に囁いた。
「この話が大公家に入るとどうなるか・・・。さぞ面白くなるだろうね」
「・・・」
「じゃあな」
レンはアヴェラの肩を軽く振って戻っていく。
アヴェラは足の力が抜けて座り込みそうになったところを、なんとか壁にもたれかかった。
今回はレンの視点でしたね。
彼もエレナのことが気になっているようです。
監視という名目でエレナを助けて、今回の騒動の元凶のアヴェラにも忠告をしました。
この事実をエレナが知ることはないと思いますが、レンとの関係が良くなることを願っています♪
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