こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は119話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
119話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 告白
「・・・もう、いいですか?」
「ああ」
じっとエレナを見つめるシアンの目つきが意味深だった。
そんな動揺を知りながら、エレナは知らないふりをする。
今、重要なのはあの日の成果だったから。
「結果はどうでしたか?」
「栽培地を訪ねたよ。タノトス伯爵家だ」
「・・・!」
エレナの目の周りの驚きが、次第に歓喜に変わっていく。
ピネチア栽培地はアヘン事業の核心と言っても過言ではない。
栽培地を発見したということは、言い換えれば、大公家の資金事情に致命的な打撃を与えかねないということだったから。
「容易い事ではない事を成し遂げてくださったのですね」
「君のおかげだ」
(まだ喜ぶのは早いわ・・・)
エレナは緊張の紐をしっかりと結び直す。
栽培地を見つけたのは大きな成果だが、それだけでは大公家には直接的な打撃にはならない。
これからの行動が本当に重要なのだ。
「今回は栽培地を見つけましたが、殿下はどうするおつもりですか?」
「まず、大公家が関係しているという証拠を探そうと思う」
シアンは正論を打ち出した。
アヘン事業は人身売買と共に帝国でタブー視される不法行為。
シアンの言葉通り、大公家がアヘン事業の背後という証拠さえ確保できれば、地位に大きな打撃を与えることができるだろう。
(・・・けれど、見つかることはないでしょう)
リアブリックはそんなにずさんではない。
彼女は身の毛がよだつほど緻密な女性なのだから。
アヘン事業が発覚した場合、大公家に爪ほどの被害も及ばないように足を切るように設計されているはずだ。
(おそらくタノトス伯爵家がすべての責任を被るでしょう)
エレナが言葉を惜しんでいると、シアンが先に口を開く。
「君には他の考えがあるようだね」
「少し・・・」
「いいから、言ってごらん」
「栽培地をなくすべきです」
躊躇いのない言葉にシアンの目つきが細くなる。
「性急ではないか?」
「証拠を残すほど対抗家は甘くありません。尻尾から切られるでしょうから」
「それよりは無くした方がいいと?」
「アヘン事業の没落は、それだけでも大公家には致命的ですから」
エレナは、これまでLの身分でやってきたことについてシアンに打ち明ける時が来たことを直観する。
そうして栽培地をなくすことが、資金事情の良くない大公家を泥沼に押し込むことだと説得することができるから。
そして・・・。
(私がベロニカの代役だということを、これ以上隠す理由はない)
大公家は決して侮れない。
シアンと打ち解けて協力したとしても手強い相手だった。
今からでも、握っているカードを公開し、より緊密に協力した方が良かった。
「君の言う通りにしよう」
「殿下の賢明な判断に尊敬を表します」
エレナは悩んだ末に、自分の意思を受け入れたシアンにスカートの裾を見せながら礼儀正しく仕上げた。
そして、慎重に言葉を続ける。
「殿下に告白したいことがあります」
「告白」
「驚かないでください」
意味深な言葉を残したエレナが手を頭の後ろに動かし、カツラのピンを外す。
すると、押さえていた金髪が滝水のように肩の下に流れ落ちる。
いつも感じているが、エレナはこの瞬間が一番震えていた。
相手が誰であれ、これまで自分を隠してくれた仮面を脱いで、自分を明らかにするのは大きな勇気が必要だったから。
「私が誰か分かりますか?」
「ベロニカ公女」
「・・・」
驚くほど淡々としたシアンに、むしろ困惑したのはエレナだった。
「驚かないのですね」
「驚かないといけなかったのかな?」
「そうではありませんが・・・」
答えを見つけられずに言葉を濁す。
そんなエレナに対して、シアンはいつもと変わらない切ない視線で話し続けた。
「薄々見当はついていた」
「・・・?」
「ベロニカ公女かもしれないと」
戸惑いでエレナの瞳孔が地震のように揺れた。
今まで完璧に隠してきたと思っていたが、一体どの時点で分かったのか感じ取れなかったのだ。
「い、いつからですか?」
「学術院で、ベラドナの発表の日に君を見た瞬間」
「・・・」
エレナは信じられなかった。
あの日、偶然シアンと鉢合わせして挨拶を交わしただけなのに。
そして、続くシアンの言葉が、エレナをさらに驚愕させた。
「思い当たっただけで、確信はできなかった」
「・・・」
「最も混乱したのは、仮面舞踏会の直後だった。君はベロニカでありながら、大公家を憎んでいたのだから」
エレナはシアンがどれほど混乱したか理解でする。
シアンにとってエレナという人間は辻褄の合わない女性。
自分について知れば知るほど迷宮を彷徨う気分になったはずだ。
「ところで、どうして私に何もお聞きにならなかったのですか?」
「君が困っているようだったから」
シアンは盲目的にエレナを信頼していた。
彼を騙してきたに等しいはずなのに、彼はじっと待ってくれていたのだ。
(今度は私の番ね)
エレナはしばらく息を整えて、唇をほぐす。
「私はベロニカ姫ではありません」
「・・・どういう意味?」
シアンは顎をそっと引きながらエレナと視線を合わせる。
ベロニカ公女と告白されたにもかかわらず、今更違うと言われて混乱極まりなかった。
「私は代役です」
「代役?」
「何らかの理由で姿を消したベロニカ公女に代わるために、大公家が立てた代役です」
「・・・!」
アヘンの栽培地を消せば、リアブリックの首も危ないのでは?
そして、ついにエレナが正体を打ち明けました!
見当のついていたシアンも、代役という言葉に驚きましたね。
二人の関係が更に発展しそうで楽しみです♪
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