こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は69話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
69話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 今夜の別れ
「お客さんが来たようね。今日は外が少し落ち着きがないわ」
ロクサナがカシスに視線を投げかけたとき、彼は少し眉をひそめる。
オルカのことでしばらく雑念に耽っていたことに気づかれたようだ。
「招かれざる客だ」
「じゃあ別館は使わないの?」
「言ったとおり、客ではないのだから」
カシスの態度は断固としていて、ロクサナは思わず笑ってしまいそうになる。
「相手はフィペリオンだけど、それでもいいの?」
コップに手を伸ばしていたカシスの手が止まる。
「どうして分かった?」かのようにロクサナを見ると、彼女は瞬きをするだけ。
カシスの推測通り、彼女は毒蝶を通じてオルカ・フィペリオンがペデリアンを訪れたことを知っていたのだ。
もちろん、それを訪問と表現してもいいかどうか分からないが。
「私は構わないわよ」
そう呟いて、ロクサナは食事を続けた。
カシスはそれ以上何も言わない。
ロクサナが説明を求めない理由もあったが、カシスは彼女にオルカのことを話したくなかった。
けれど、どうしてこんな気持ちになるのか理由は分からない。
いや・・・。
本当に知らないわけではなく、ただ知らないふりをしているだけ。
なぜか食欲が衰えたので、カシスは虚な目つきで、目の前の皿を見下ろす。
夜が明ける頃、ロクサナは入浴後、窓際に腰を下ろした。
ペデリアンの領主と夫人には、これまで一度も会っていない。
彼らは自分がここに来た日すぐに外出し、まだ帰ってこないと聞いている。
それは本当なのか、それともカシスが言い繕った言葉なのか少し知りたかった。
もし後者なら、ペデリアンは自分の存在を喜んでいないのかもしれない。
しかし、カシスやシルビアはその後も何も言わなかった。
また、ロクサナが先にその話を切り出すつもりもなく、この問題はうやむやに。
もちろん毒蝶を本館に飛ばせば、真実を知ることもできるはず。
けれど、そこまでする理由もなく、そうしたくもない。
カシスは、ロクサナが知っておかなければならないことを除いて、その他のことを詳しく語らなかった。
ペデリアンに到着する前、焚き火を挟んで向かい合った時のように。
あの時もカシスは、ロクサナが望む以上の説明をしてくれなかった。
一方、カシスはあの日のように自分が彼に何か先に聞いてほしいと望んでいるようだった。
しかし、彼女はそうしなかった。
食事中にカシスが注意を逸らした間に取り出したナイフ。
そのナイフで腕を引いた。
切り傷から血が溢れ出て、すぐさま駆けてきた毒蝶が寄り添って彼女の血を吸う。
床に落ちた血も毒蝶が綺麗に平らげて、血の汚れは残らなかった。
しばらくしてロクサナは、ため息交じりに口を開く。
「そんな風に思わないでちょうだい」
首を回すと、いつの間にか入り口に立っているカシスの姿が。
部屋には明かりがついておらず、彼の表情は闇に紛れている。
彼は何か変な気配を感じてロクサナの部屋を訪ねてきたようだ。
相変わらず、彼は無駄なところで気が利く。
「どうせ私が死ぬまでは定期的にやるべきことだから」
カシスはロクサナの言葉に答えず、彼女に近づいてきた。
距離が狭まると、彼は無表情でロクサナを見下ろす。
「腕をこっちに出して」
カシスの手が傷口を覆うやいなや、傷口が塞がり血が止まった。
周囲に残っていた毒蝶も姿を消す。
ロクサナはその光景をじっと眺めながら口を開く。
「これは便利ね。治ったついでに、もう一度引いてもいいかしら?しばらくの間、餌を十分にあげられなかったから、もう一度食べさせておきたいんだけど」
彼女の腕を握る手に力が入る。
向き合ったカシスの瞳は、さっきより冷たく沈んでいた。
「・・・そうね。今日はやめておくわ」
カシスはロクサナの手に持っているナイフを片付けた。
その姿を見つめていたロクサナが、突然口を開く。
「でも、あなた。どうして私に何もしないの?」
テーブルの上にナイフを下ろしていたカシスの手が止まる。
彼が振り返ると、ロクサナは窓際から立ち上がった。
彼女は首を傾げながらカシスに近づく。
「おかしいわ」
ロクサナの顔のラインに沿って、金色の糸が柔らかに波立っていた。
「私を見るたびに、そんな目をしながら」
続いて綺麗な手がカシスの胸の上に落ちる。
目的を持っているのではなく、単に何かを確認しようとする動き。
「分かってる?」
しばらく下に垂れ下がっていた赤い瞳が、再び正面から彼を見上げた。
「今、あなたの心臓がすごく大きく脈打っていることを」
風呂上がりにガウンを一枚だけ羽織っているロクサナの体から、ほのかな香りが漂っている。
「でも、どうして?」
目の前のか細い喉を一口噛めば、甘い汁が染み出してきそうだった。
「私を見たら触りたくなるし・・・」
「・・・」
「キスしたいと思うんだけど?」
ロクサナは彼を誘惑しようとしているわけではない。
彼女はカシスのことを理解できなかったので尋ねただけ。
それでも今この瞬間、彼の目に映ったロクサナの全てが魅惑的だという点が問題だった。
「・・・まるで私の心を知り尽くしているように言うんだな」
低い声で話した彼の言葉を聞いて、ロクサナは反問する。
「それじゃあ、違うの?」
「いや、その通りだ」
カシスは意外にも納得し、彼の手が胸の上にあるロクサナの手を握る。
そして、それを引き寄せて香りを含んだような白い指先に唇を押し付けた。
囁くような低い声が部屋の中に静かに散る。
「あの日、アグリチェを出た夜に・・・」
続いてカシスに触れたロクサナの手が震えた。
「もし手を差し出した人が私じゃなくても、君には関係なかったのだろうな」
カシスも震えを感じたに違いないが、ものともせず囁き続ける。
「でも私は、君じゃないと駄目だった」
虚空から視線が移された。
「今ももし私の目の前にいる人が君じゃなかったら・・・」
ロクサナは浅い呼吸で、真っ直ぐに自分を見つめる金色の瞳を見つめる。
「こうして頭からつま先まで、全部を飲み込んで自分のものにしたいとも思わなかっただろうし」
部屋の中を覆う涼しい風で髪の毛が細かく揺れた。
「それだけでなく、どうしても君の心の奥底まで届きたくて、これほどまでに焦れなかっただろう」
カシスの言葉に、ロクサナは何も言えない。
カシスは一瞬か永遠か分からない時間を手先で流し、ロクサナを見て滑稽に笑う。
「・・・ただ言っておきたかっただけだよ」
言葉の重さをロクサナから減らそうとしているかのように、わざと軽く付け加えた言葉だった。
そして、今夜の別れを告げる挨拶をする。
「夜はまだ空気が冷たいから、早くパジャマに着替えて」
その後、穏やかに肌に染み込んでいた温もりが消えていく。
ロクサナはこの前のように、カシスが去った後もしばらく動けずにいた。
ロクサナをオルカに会わせたくない理由は嫉妬でしょう。
カシス自身は自分の感情をハッキリと分かっていないようですが・・・。
それでもカシスがロクサナに独占欲を持っていることを告げましたね!
ロクサナも困惑しているようですし、お互いに自分の感情に迷っているみたいです。
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