こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は128話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
128話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 大公家の犬
「申し訳ない?失望せざるを得ないな。世の中で一番役に立たない言葉を、お前の口から聞くことになるとは」
怒りを鎮めたフランツェ大公が、持ち上げた手を静かに下ろす。
彼は冷たい視線でリアブリックを睨み、接待用ソファに行って足を組んで座った。
驚異の忍耐力で怒りを収めた彼の目は、いつにも増して冷たい。
「十年前かな?素性も分からない女の子がどれほど唐突であったか本当に目が行ったよ。頭の中がどう飛躍していたのか、この子が大きくなったらどうなるのか、期待も大きかった」
(不味い・・・)
過去の話を持ち出すフランツェ大公を見て、リアブリックは本能的に恐れを感じた。
少なからぬ歳月の間、彼の近くにいたので、今、彼がどのような心理で昔の話を切り出しているのか気づいたのだ。
(もしかしたら生きられないかも)
むしろ、頬を打たれた方が良かったのかもしれない。
一瞬の怒りではなく冷静さを取り戻したフランツェ大公の頭の中には、リアブリックの使い道に対する悩みが続いているのだろう。
もし使い道がないという結論が出れば、突き放されるだけで終わらないのは明白。
前任者がそうだったように、口止めのためでも誰も知らないうちに殺されるはず。
「女は私の期待以上に成長し、一度も私を失望させたことがない。つい昨日までは。ああ・・・、痛ましいことに過去形になってしまったな」
「どうかお許しを・・・」
リアブリックは即座に膝をつき、頭を地面に叩きつけた。
あまりにも強く打ちつけたので、額に痣ができ、血痕がカーペットにつく。
「許したいさ。十年間丹念に栽培したのだから。生きていたいのか?」
「・・・生きて挽回します。なにとぞ慈悲を施してくださいませ」
リアブリックはこのまま死にたくなかった。
ここで止まろうと、これまであくせく生きてきたわけではない。
無条件に生きなければならなかったのだ。
「実に無責任な話だ。責任を果たせなかった者の詭弁だな」
「どうかお許しを・・・」
「人間には生まれつきの器というものがある。もしかすると、君の器はここまでかもしれない」
フランツェ大公の淡々とした声が、リアブリックには死刑宣告のように聞こえた。
彼女の限界を規定し、必要価値がないことを明示したから。
今すぐはリアブリックの有無が大きく感じられるかもしれない。
しかし、いつもそうであったように、大公家の支援を受け、学術院で修学した天才が空席を埋めることだろう。
リアブリックは決心した。
全てを失う前に、一部を下ろすことを。
その一つ目はプライドだ。
「大公家の犬になります」
リアブリックは再び膝をついて頭を下げた。
彼女はどうにか生き残ることが優先だと考えたのだ。
卑屈に生きるよりも死んだ方がましというのは戯言。
生きなければならない。
生きていてこそ次を期することができるのだから。
「殴られるときは殴られ、吠えろと言われたら吠えながら生きていきます」
「・・・」
「どうか・・・、もう一度だけチャンスをください」
リアブリックは哀願した。
残されたのはフランツェ大公の選択。
沈黙はそれほど長くない。
彼は小さく失笑し、口を開いた。
「犬か。いつ聞いても本当に聞きやすい表現だ」
(声が和らいだ!)
頭を下げているリアブリックの顔に血の気が漂う。
生きる希望を見出したから。
「頭を上げろ」
頭を上げて、自分を見下ろすフランツェ大公から視線を避けなかった。
それは、断固たる決意を見せるため。
「対策は?」
「・・・」
フランツェ大公が投げた問いに、リアブリックの目に力が入る。
後続対策を求めるのは、彼女を捨てないという傍証だったから。
「容赦を望んでいたのではないのか?あそこに座って、対策を話してみろ」
フランツェ大公はあごでソファを差し、リアブリックは彼の言うままに向かい合って座った。
「アヘン事業の回生は不可能です。それによる持続的な収入の3割が減った分だけ___」
「分析ではなく対策だ」
「取り立てなければならないです」
「徴収か」
フランツェ大公の眉がうごめく。
満足できる対策ではないから。
「まず大公領の税率を高めて徴収する計画です」
大公領は帝国東部にあるが、その場所は帝国内で最も人口が多く、肥大な土壌で、商業的発展を遂げた港都市だ。
そこの各種税率を上げるだけでも、大公家の財政に大きく役立つだろう。
「それで解決できるのか?」
「足りません。ですので、貴族たちや家臣たちから上納金を引き上げて取り立てようと思っております」
「上納金?」
「現物が必要な今としては、これが一番早くて確実な手段です」
「後始末は?」
大公家は健在で、フランツェ大公が派閥を握っている。
しかし、貴族たちは陰湿であり、自分の利益のためにはコウモリよりも酷い裏切り者だ。
上納金の徴収額を上げるなら、それに対応することを望むか、不満を吐露する可能性が高い。
「ノブレス通りがオープンしたら、一部の不動産を売却して補償するか、譲渡するつもりです」
「容易ではないと思うが?目から遠い利益を得るものではない」
フランツェ大公の指摘は一理ある。
貴族たちは長期的な投資より短期的な利益を追求するのだ。
それは安定性を重視するから。
ノブレス通りの事業性が良いとはいえ、彼らの不安や不満をなだめるのは容易ではないだろう。
「私も共感しております。して、大公殿下にお願いがございます」
「言え」
リアブリックは強気に出た。
「貴族会議を招集してください」
リアブリックのプライドは相当高いはず。
そんな彼女がプライドを捨ててまで生きる理由が気になりますね。
リアブリックの策に、エレナは対抗できるのでしょうか?
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