影の皇妃

影の皇妃【90話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は90をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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90話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 新しい家庭教師

「許可しよう」

「大公殿下!」

エレナの要求を許可したフランツェ大公の言葉に、リアブリックの声が上がる。

大公の前で一度も大声を出したことのないので、彼女の感情は容易に見当できた。

「再考してください。今はそのような時期ではありません。予想外の事業費もありますし・・・」

「それは君の失策だ」

フランツェ大公の厳しい叱責に、リアブリックが唇を噛みしめる。

その光景を見守っていたエレナは、笑いを堪えるのが大変だった。

(代役とは言っても、私は公式の場でのベロニカ公女よ。買い入れた芸術品が暴落したとしても、私を捨てることはできないでしょう)

ベロニカが戻ってくるまで、エレナは大公家に必要な存在なのだから。

「ありがとう、お父様。期待に応えられるように頑張りますね」

この瞬間だけは感謝の気持ちを込めた。

 



 

「明日から公女を指導してくれる先生が来られます」

「先生ですか?」

「マダム・ド・プランローズです」

記憶を辿っても、彼女が自分の教師になったことはない。

エレナは出来るだけ自然に返答した。

「マダムは貴族の見本になるお方。光栄です」

「礼法の根幹から学び直すことになるでしょう。社交界をリードするレディーの中のレディーとして生まれ変わるのです」

リアブリックが語るニュアンスに違和感を感じる。

生まれ変わる。

エレナを完璧に生まれ変わらせようという意志が感じられた。

「私に足りないものが多いことをよく分かっています。マダムから謙虚に学ばせていただきます」

「公女がやり遂げられなかったら、皇太子妃の座はアヴェラ令嬢のものになるでしょうね」

「・・・!」

小さな波が大きな波に変化していく。

元の歴史では、シアンは卒業してすぐに、セシリアを皇太子妃に迎えたのだから。

けれど後悔するのはダメだ。

前だけを見ろ。

そして、殿下を信じないといけない。

 



 

翌日、マダム・ド・プランローズは、予定時間より早く邸宅に到着した。

エレナは先生になる彼女のために入り口に立ち、彼女を出迎える。

「いらっしゃいませ、マダム。またお会いできて嬉しいです」

「お久しぶりです、公女様。しばらく見ていない間に品行がさらに端正になりましたね」

応接間に席を移すと、リアブリックが訪れた。

3人での会話の席。

主にリアブリックとプランローズが会話を行い、エレナが傾聴する。

「大公殿下は、ベロニカ公女が皇太子妃になることを望んでいらっしゃいます」

「私も公女殿下こそが皇太子殿下に似合う唯一の令嬢だと思っております。皇太子妃の選任式は決まったのですか?」

「まだですが、いつまでも空けておくことの出来ない席でしょう」

「時間的な余裕はあるということですね」

リアブリックは「宜しくお願いします」という言葉を残して、応接間を出ていった。

二人きりになると、重い静けさが流れる。

「正直驚いたわ。マダムがこの提案を受け入れるとは思わなかったので」

「公女殿下が何を仰っているのか、分かりません」

マダム・ド・プランローズは知らないふりをした。

形式的な先生と弟子の関係にしたいと考えているのだろう。

エレナはニヤリと笑った。

彼女がこの誘いに応じたのは、エレナが皇太子妃の座に最も近いから。

エレナと向き合うのが気に食わないにもかかわらず、受け入れた理由は彼女の欲望のため。

「私はフランツェ大公に頼まれて公女殿下を教えに来た立場です。私的な話はこの辺でやめましょう」

「厚かましいのですね、マダムは。痕跡を隠しきれたと思っているのですか?」

こんなに彼女が堂々としているのは、彼女なりに措置を取ったからだろう。

「痕跡ですか?何の痕跡か分かりませんね」

知らない人が見れば、騙されるほどの演技。

「世の中は完璧ではありません。本当に全てを隠しきれたと?」

エレナはニッコリ笑いながら彼女を凝視する。

マダム・ド・プランローズの瞳が揺れた。

痕跡を消したのは確かだが、何かを見逃しているのではないかと不安になったから。

「マダムの困った顔を見ると、私が余計な話をしたみたいですね。そうでしょ?」

「・・・」

「それでは授業に関する話をしましょうか?」

適当な場所で話を切り上げる。

常に不安に震え上がらせるのが良いと判断したから。

「授業はどういう方式で行われますか?」

「・・・礼法の根幹から捉え直すつもりです。悪い癖は捨てて、公女殿下の身体に合わせて、動作を見直しましょう」

「そうですか。その方法も悪くありませんが、こうしたらどうでしょうか?」

エレナは面倒な作法をもう一度習うつもりは毛頭なかった。

「マダムが教えようとする礼法を私に言ってください。すぐにして見せましょう。あり得ないと思いますが、足りない箇所があれば指摘してください」

「何ですって?」

「もしマダムが望む動作を見せたら文句はないでしょ?その場合、この時間を意味のある時間として使えるように協力してください」

断言するが、現在の国でエレナより高節な礼儀を駆使する人物はいない。

それはマダム・ド・プランローズも例外ではなかった。

しかし、彼女の考えは違う。

指摘してもいいと言われているので、言いがかりをつけて、授業を言い訳に腹いせするつもりだったのだ。

しかし、その日、邸宅を出たマダム・ド・プランローズの顔色は青白かった。

エレナが披露した動作に一度の指摘点もなかったので、彼女のプライドは打ち砕かれたのだ。

 



 

久しぶりのマダム・ド・プランローズの登場。

再登場するとは思ってもいませんでした(笑)

しかし、これでエレナの自由に活動できる時間が増えたので良かったと言えますね♪

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