こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は129話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
129話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 歪んだ歴史
「・・・」
貴族の集まる中、エレナは窓枠に腰掛けて慌ただしく行き来する使用人や女中たちを見下ろした。
「元の歴史にこんな行事はなかったはず」
この二日間、綿密に検討したが、このような大々的な「貴族の会」が開かれた記憶はなかった。
「それはつまり・・・」
この貴族の集まりもまた、歪んだ歴史の結果ということだ。
エレナは神経を尖らせていた。
元の歴史から抜け出すことは要注意の対象なのだから。
予想を裏切ることもあり得るので、いつも注意深く見守っていた。
その時、ノックの音が。
「お嬢様、アンです」
「お入りなさい」
侍女のアンが入ってきて丁寧に挨拶する。
「何か分かった?」
「私も聞いた話ですので、ハッキリしておりません。それでもよろしいでしょうか?」
エレナが頷くと、アンは話し始めた。
「数日前に、お嬢様が遅く帰ってきた日を覚えていますでしょうか?」
「もちろん」
「あの日、明け方に大騒ぎになったようです。詳しくは分かりませんが、大公殿下が怖い顔をして、リアブリック子爵の元を訪れたそうで・・・」
「お父様が?一体どうしたの?」
エレナは何も知らないふりをして目を丸くし、聞き返す。
(栽培地の消失を追求するためでしょうね。リブも困ったに違いないわ)
フランツェ大公に叱られるリアブリックを想像すると、思わず失笑が漏れてしまう。
「正確な理由は私にも分かりません。下女たちの話によれば、雰囲気が尋常ではなかったそうです」
「そうなの?」
(もうダメ・・・)
エレナは笑いを堪えて、頬をピクピクさせる。
(今回の事件で、大公のリアブリックに対する信頼も失墜して欲しいけれど)
固い岩も、小さな割れ目から始まった亀裂が大きくなり、真っ二つに割れてしまう。
フランツェ大公とリアブリックの関係がギクシャクすればするほど、エレナが割り込む隙はさらに大きくなるのだから。
「それで全部?」
「はい、これで全部です。あ、それと・・・」
「言ってごらん」
エレナは愛情を込めてアンの言葉を待っていた。
「これは確かなことではないので、後でお話ししてもよろしいでしょうか?もう少し調べてみようと思います」
「そうしなさい」
エレナは催促しなかった。
こういう余裕が、アンが他のことを考えられずに服従させる理由になり得るのだから。
会話がひと段落したのでエレナはソファから立ち上がり、化粧台の方に向かう。
報酬を望んでいたアンの目に欲が浮かんだ。
宝石箱から指輪を一つ取り出したエレナは、それをアンに渡す。
「受け取ってちょうだい。私のために頑張ってくれてありがとう」
「ありがとうございます、お嬢様!」
アンは指輪を手にし、何度も頭を下げて感謝を表明し、寝室を出た。
エレナは独り残されたソファに横たわる。
もしかしたらこの貴族の集まりは、ピネチア栽培地の消失による対策なのかもしれない。
栽培地が焼失した後、フランツェ大公とリアブリックの密談があり、突然、貴族の集まりが決まったからだ。
悩み続けた後、エレナは決心したかのようにソファから起き上がる。
「リブに会ってみよう」
寝室を出たエレナは、すぐにリアブリックの執務室を訪れる。
「私です、リブ」
ノックをして待つと、執務室の中からリアブリックの答えが聞こえた。
「入ってください」
許可が下りると、メイはすぐに近づいてドアを開けた。
エレナは表情管理をして、嬉しそうに部屋の中に入る。
「リブ、お元気でしたか?」
書類を見ていたリアブリックは顔を上げた。
彼女の顔を見て、エレナは思わず吹き出してしまいそうになる。
(気苦労が多かったのかしら?)
今日のようにボロボロなリアブリックの格好は初めてだった。
瞳に元気はなく、目の下の隈はハッキリしていて、痩せたのか頬が青白い。
まるで死体のようだ。
「リブ、どこか具合が悪いの?顔色が悪いわ」
リアブリックを苦しめた元凶であるエレナは、何も知らないふりをして尋ねる。
「・・・少し疲れているからです。今日はどのような用件で?」
「中々会えなくて寂しかったので。リブが元気に過ごしているかなと思ったのと、気になることもあって会いにきました」
「座りましょうか」
エレナとリアブリックがテーブルを間に置いてソファに座る。
近くで見たら、リアブリックの姿はもっと凄惨だった。
常に端正さを保ってきた普段とは比べ物にならないほど、苦しんでいる様子がありありと見えた。
エレナは笑いを堪えながら話しかける。
「最近仕事が多いのですか?疲れて見えます」
「用件だけ話してください。ご覧の通り、私はちょっと忙しいので」
リアブリックの声に余裕がない。
それはプレッシャーを感じて追われているという証拠だろう。
アンもすっかりエレナの犬ですね。
リアブリックも、アンからまともな情報を得ていないのでは?
むしろ、今はエレナに構っている余裕がなさそうです。
エレナはリアブリックから情報を聞き出すことが出来るのでしょうか?
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