こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は157話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
157話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 欲張りな女
「公女殿下、私と一曲踊りませんか?」
エレナは意味深長な笑みを浮かべて、ボロニー伯爵の手の上に自分の細い手を重ねた。
「そうですね」
ボロニー伯爵のエスコートを受けてホールに向かうエレナの視線に、遠くから自分を注視するリアブリックが見えた。
(名望のある貴族と踊ることは、社交界ではよくあることよ)
社交界でエレナの地位は特別だ。
大公家の後継者であり、次期皇太子妃としても有力。
そのため、貴族からのダンス申請が殺到するのは特別なことではなかった。
唯一疑われる相手はレンだったが、自ら悪党を自任して疑いの尻尾を断ち退場している。
(大丈夫よね?)
エレナはホールから退場するレンを追いかけるスペンサー子爵を見た。
学術院の剣術祭の時もそうだったが、レンに害を及ぼすのではないかと懸念する。
演奏に合わせてステップを踏んでいたエレナがボロニー子爵を見上げた。
「今日のように私の年齢が恨めしいのは初めてです」
「恨みですか?」
「数十年間、この社交界に携わっていながら、公女殿下のように美しい方を初めて見るのですから」
エレナは作り笑いを浮かべる。
手足が縮むコメントに身震いするのを隠すために。
(これ以上は合わせられないわ)
我慢するのも限界がある。
接近に成功した以上、テーマ把握もできない人間の機嫌を取ることも必要ないだろう。
エレナは表情を変え、低い声でゆっくりと囁いた。
「今日の会議の話を聞きました。貴族たちから徴収する上納金を増やすんですって?」
突然の話題転換にボロニー伯爵は困惑した。
エレナは自然に話のテーマを会話に溶け込ませる。
「酷いと思います。そうじゃなくても伯爵様は他の方々よりもっと多くの上納金を払うじゃないですか」
「確かにそうですが、大公家の助けのおかげで私はこの地位に定着したわけですから・・・」
ボロニー伯爵の表情と言葉遣いが慎重になった。
少し前の和気あいあいとした雰囲気は崩れて久しい。
「本当にそう思いますか?明確な補償も約束せずに一方的に上納金を増やせということ自体、私は不当だと思います」
「公女殿下、何の底意でそんなことを仰るのですか?」
ボロニー伯爵は困った表情を浮かべる。
ただでさえ答えにくい質問を、他の誰でもない公女が直接尋ねるのだから。
まるで試験のように。
そのため、どう答えたらいいのか、彼には分からなかった。
「私は純粋な気持ちで伯爵様を助けたいだけです」
「私を助ける?」
エレナは意味深長な笑みを浮かべてボロニー伯爵と視線を合わせる。
戸惑う彼とは違い、エレナの表情と声には余裕が溢れていた。
「もうすぐ皇太子妃の選任式が行われます。その場は私が一番似合うと思います」
「私もそうだと思っています」
「伯爵様、私は欲張りな女なのです。皇太子妃になったからといって、大公家を放棄することは絶対にないでしょう」
「それは可能なのですか?」
「なぜ不可能だと思うのですか?私はベロニカです。フリードリヒ大公家の唯一の後継者。出来ないと思いますか?」
「・・・」
挑発的なエレナの発言に、ボロニー伯爵は口をつぐむ。
皇室までも超越した権勢を享受する大公家が決心すれば、帝国で出来ないことはないということを彼はよく知っていた。
そしてエレナはベロニカが持つ権威を前面に押し出し、その点に食い込んだ。
「それで申し上げる言葉です、伯爵様。今からでも列に並ばなければならないのでは?」
「並ばせていただけるのですか?」
「伯爵様が握っている縄がずっと丈夫だと考えるのは誤算です」
「・・・!」
「お父様もお年を召したのか、しきりにリアブリックに頼ろうとしています。上納金の件もそうです。それは全部リアブリックの頭から出た考えなのですから」
エレナは静かにリアブリックを罵倒する。
上納金徴収に関する不満の矛先を彼女に向けた。
(サイコロは投げられたわ)
常に平常心を維持していたエレナだったが、今回のことだけは彼女も緊張している。
少なからぬ歳月を代役として生きてきたが、ベロニカの身分を前面に出して露骨に大公家に歯を現したのは初めてだったから。
しかし、逆にそれだけ大公家の没落に近づけたという傍証でもある。
エレナの計画通り今回のことが上手く終われば、大公家だとしても簡単に再生が不可能を打撃を与えることができる。
さっきまでは困るという理由で返事を無視しようとしたボロニー伯爵の目つきが真剣になった。
エレナの態度から尋常ではないことを感じたからだ。
さすがのエレナも今回は相当緊張しているみたいですね。
ボロニー伯爵を引き込み、エレナは何を計画しているのでしょうか?
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